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半年
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「いい天気でございますな、陛下」
昨日の天気と変わらないのにわざわざ部屋にやって来てまで天気が良いなどと言うアイゼンをファーディナンドは無視した。この男が無用で部屋を訪れるはずがない。なんの目的があってここにやって来たのか、それを探るのさえ煩わしい。
「イベリス様が嫁いでこられて今月でちょうど半年になります」
「それがどうした」
「何か心境に変化はございましたか?」
大体の予想はついていた。そしてこの問いはその予想どおりである。アイゼンは何故かイベリスを気にする。事あるごとに気は変わっていないかと聞いてくるのが鬱陶しくてたまらない。
「ない」
「おや、そうですか」
「何か言いたげだな」
あからさまに含みある声を出すアイゼンに眉を寄せながら書類から目を離さないまま一応問いかけるとすぐに言葉が返ってきた。
「私の目には陛下はイベリス様にとても優しくなられたように映っております」
「逃げ出さないようにするためだ」
「楽しそうに見えるのですがね」
「ロベリアとの思い出を遡っている気分になれるからだ」
「そうですか。それはとても残念でございます」
残念と思っていないような声色。こちらが嘘をついているとでも言いたげで、こういうときのアイゼンの態度は昔から気に入らない。
「ですが、イベリス様がロベリア様とは別人であることは既に実感されておられるのでしょう?」
「別人だからな。俺はロベリアの魂を入れる器が欲しいがためにアイツに優しくしている。優しくしていればこちらの思惑に気付くこともない。あと半年もすればロベリアが戻ってくるんだ」
黙るアイゼンが気になって振り向くと真面目な顔でこちらを見ていた。
「今を愛されてはいかがでしょうか」
ウォルフに言われたことを思い出す。二人が言いたいのは何故今を愛さないのかということ。失った者を追い求め、今を愛さない人間が不思議でならないのだろう。
きっとそう思っているのは二人だけではない。サーシャも、他の使用人も思っているだろう。生きている人間を犠牲にしてまで亡くなった者を取り戻そうとするのはおかしいと、計画を公表すればきっと非難が集中するはず。
(わかっている。イベリスを犠牲にして、ロベリアが戻ってきてもロベリアはきっと喜ばないだろう。むしろ軽蔑するだろう。だが……)
わかっていても求めることをやめられない。会いたい。もう一度、ロベリアをこの腕に抱きたい願いが止まらないのだ。
「イベリス様のことは愛せそうにありませんか?」
「お前は何故そこまでイベリスを気にするんだ?」
「陛下に前にお進みになっていただきたいからです」
「俺がイベリスを愛せば前に進むと?」
「少なくとも過去に縋るようなことは無くなるでしょう」
苛立つ。ロベリアが亡くなり、彼女は過去の人間となった。だが、まだ亡くなって立ったの三年。それを過去だ過去だと言われるとどうしようもなく腹が立つ。わかっている。そうすべきだと。正しいのはアイゼンであるとわかっているが、前に進めない。
バンッと机を叩いて立ち上がったファーディナンドにアイゼンは表情を変えない。
「お前に俺の気持ちがわかるか? ロベリアを失って俺がどんなに苦しんだかなどお前にわかるまい!」
「陛下の苦しみは重々承知しております。ですが、イベリス様も生きておられます。彼女は何も知らず、陛下の嘘を信じて嫁いでこられた。彼女はまだ十六の少女。陛下のお考えはあまりにも残酷すぎます」
「仕方ないだろう! 他に何がある!? 他にロベリアが生き返る方法があれば教えてくれ! 俺はそのためならなんでもする!」
「だから今を愛せと申し上げているのです」
「俺が愛しているのはロベリアだ! イベリスではない!!」
外に響き渡るほどの大声での宣言にアイゼンの表情は相変わらずで、口調にも怯みはない。
「なら何故、マシロを与えたのですか?」
「なに?」
「ロベリア様は犬が苦手なお方でした。半年後にロベリア様の魂をイベリス様のお身体に降ろすのであればマシロを与えるべきではなかったのではありませんか? ロベリア様が戻られたとき、マシロはどうなさるおつもりで?」
「……犬を飼いたいと言うから与えてやっただけだ。俺はアイツに一目惚れしたことになっているから叶えてやらなければ怪しむだろう。犬など児童養護施設にでも譲渡してやれば喜ぶはずだ」
アイゼンがかぶりを振る。溜息と共に。呆れたと言わんばかりの様子に眉を寄せるが、噛みつきはしなかった。
「命の尊さを誰よりも理解しておられる陛下が命をぞんざいに扱われるとは……」
アイゼンはそれ以上何も言わなかった。ゆっくり頭を下げ、アイゼンが部屋から出ていったことでファーディナンドは一人、肩を上下させながら一点を見つめている。
愛を教えてくれた最愛の人を求めることの何が悪い。前に進めないのはロベリアがいないからだ。ロベリアが戻ればまた前に進める。あの頃のように。そう思っている。
「イベリス様、全部食べてはいけませんよ。昼食はイベリス様の大好物のリゾットなんですから」
ウォルフの声に窓から下を覗き込むといつもの場所でティータイムの準備をしていた。イベリスが大事そうに抱えるクッキー缶。既に開けて食べようとしているのをウォルフが待ったをかけるも一枚差し出されて買収される。そのままイベリスの手から食べたウォルフはその美味さに目を見開き、もう一枚とねだる。サーシャはお茶を淹れに行っているのだろう。二人が笑い合ってクッキーを食べる様子をただ見つめるだけ。
「……イベリス」
名前を呼んだが振り向かない。二階から呼んでも聞こえない。遠くから見ればロベリアでしかない外見も、笑えば別人。ロベリアがあの身体に入ったとき、自分はイベリスを思い出すのだろうか。ロベリアを取り戻したのに、イベリスはそうじゃなかった。もっとこうだったと思ってしまうのだろうか。
ありえないとかぶりを振る。求めていたロベリアが戻ってきたのにイベリスを思い出す必要などない。半年後、イベリスを連れて魔女の元を訪ねた際、記憶を消してもらうよう頼もう。そうすれば後ろめたいことなどなくなるのだから。
「イベリス様? 何を見てらっしゃ……あ、陛下!」
胸に手を当てて頭を下げるウォルフに手を上げるも目を合わせているのはイベリス。ジッとこちらを見上げるイベリスを見つめ返しているとパッと笑顔に変わった。胸元まで手を上げてそこで腕ではなく手だけ揺らす様子はロベリアだった。イベリスはいつも腕ごと振る。
『今を愛されてはいかがでしょうか?』
『今を愛せないお方、という印象を持っています』
イベリスを愛したら何か変わるのか。相手は十六歳の少女。子供だ。どうやって愛せと言うのか。マシロを与えたのは嫉妬ではなく願いを叶えて喜ばせるため。ベンジャミンを叱ったのもイベリスを守ったのではなく相手の礼儀のなさを叱責しただけ。一緒に寝るのも一人で寝かせて朝になったらいませんでしたとなるのを防ぐためだ。
アイゼンは勘違いしている。
ロベリアがいない今でも何も怠ることなく生きている。前に進んでいる。今、今と言われるのが嫌だった。
「一緒にお茶しないかとイベリス様がおっしゃっています」
「仕事中だ」
「ですよね~。仕事中だからムリですって」
唇を尖らせるイベリスに「のんきでいいな」と言うとウォルフはそれを伝えなかった。苦笑するだけ。
「……お前では……ダメなんだ……」
今月で半年。イベリスに情がないと言えば嘘になる。あの屈託のない明るさは天性のもので、周りにいる者たちの気分を明るくする。ロベリアにはそれがなかった。明るさはあったが、イベリスほどではない。
それでも、ファーディナンドはロベリアが恋しいと思う。
来月はロベリアの四度目の命日。あの日に至るまでのことを思い出してしまう。出会った日から離れる日までのことを、まるで昨日の出来事のように鮮明に。そのたびに胸が締め付けられて痛くなる。
あの愛が恋しくてたまらないのだ。
また大勢の人間がロベリアを懐かしんでやってくる。イベリスを見て驚くだろう。特にロベリアの姉は受け入れないかもしれない。
ロベリアがファーディナンドの人生から姿を消して四年目になる。彼はそれをまだ受け入れたくなかった。
昨日の天気と変わらないのにわざわざ部屋にやって来てまで天気が良いなどと言うアイゼンをファーディナンドは無視した。この男が無用で部屋を訪れるはずがない。なんの目的があってここにやって来たのか、それを探るのさえ煩わしい。
「イベリス様が嫁いでこられて今月でちょうど半年になります」
「それがどうした」
「何か心境に変化はございましたか?」
大体の予想はついていた。そしてこの問いはその予想どおりである。アイゼンは何故かイベリスを気にする。事あるごとに気は変わっていないかと聞いてくるのが鬱陶しくてたまらない。
「ない」
「おや、そうですか」
「何か言いたげだな」
あからさまに含みある声を出すアイゼンに眉を寄せながら書類から目を離さないまま一応問いかけるとすぐに言葉が返ってきた。
「私の目には陛下はイベリス様にとても優しくなられたように映っております」
「逃げ出さないようにするためだ」
「楽しそうに見えるのですがね」
「ロベリアとの思い出を遡っている気分になれるからだ」
「そうですか。それはとても残念でございます」
残念と思っていないような声色。こちらが嘘をついているとでも言いたげで、こういうときのアイゼンの態度は昔から気に入らない。
「ですが、イベリス様がロベリア様とは別人であることは既に実感されておられるのでしょう?」
「別人だからな。俺はロベリアの魂を入れる器が欲しいがためにアイツに優しくしている。優しくしていればこちらの思惑に気付くこともない。あと半年もすればロベリアが戻ってくるんだ」
黙るアイゼンが気になって振り向くと真面目な顔でこちらを見ていた。
「今を愛されてはいかがでしょうか」
ウォルフに言われたことを思い出す。二人が言いたいのは何故今を愛さないのかということ。失った者を追い求め、今を愛さない人間が不思議でならないのだろう。
きっとそう思っているのは二人だけではない。サーシャも、他の使用人も思っているだろう。生きている人間を犠牲にしてまで亡くなった者を取り戻そうとするのはおかしいと、計画を公表すればきっと非難が集中するはず。
(わかっている。イベリスを犠牲にして、ロベリアが戻ってきてもロベリアはきっと喜ばないだろう。むしろ軽蔑するだろう。だが……)
わかっていても求めることをやめられない。会いたい。もう一度、ロベリアをこの腕に抱きたい願いが止まらないのだ。
「イベリス様のことは愛せそうにありませんか?」
「お前は何故そこまでイベリスを気にするんだ?」
「陛下に前にお進みになっていただきたいからです」
「俺がイベリスを愛せば前に進むと?」
「少なくとも過去に縋るようなことは無くなるでしょう」
苛立つ。ロベリアが亡くなり、彼女は過去の人間となった。だが、まだ亡くなって立ったの三年。それを過去だ過去だと言われるとどうしようもなく腹が立つ。わかっている。そうすべきだと。正しいのはアイゼンであるとわかっているが、前に進めない。
バンッと机を叩いて立ち上がったファーディナンドにアイゼンは表情を変えない。
「お前に俺の気持ちがわかるか? ロベリアを失って俺がどんなに苦しんだかなどお前にわかるまい!」
「陛下の苦しみは重々承知しております。ですが、イベリス様も生きておられます。彼女は何も知らず、陛下の嘘を信じて嫁いでこられた。彼女はまだ十六の少女。陛下のお考えはあまりにも残酷すぎます」
「仕方ないだろう! 他に何がある!? 他にロベリアが生き返る方法があれば教えてくれ! 俺はそのためならなんでもする!」
「だから今を愛せと申し上げているのです」
「俺が愛しているのはロベリアだ! イベリスではない!!」
外に響き渡るほどの大声での宣言にアイゼンの表情は相変わらずで、口調にも怯みはない。
「なら何故、マシロを与えたのですか?」
「なに?」
「ロベリア様は犬が苦手なお方でした。半年後にロベリア様の魂をイベリス様のお身体に降ろすのであればマシロを与えるべきではなかったのではありませんか? ロベリア様が戻られたとき、マシロはどうなさるおつもりで?」
「……犬を飼いたいと言うから与えてやっただけだ。俺はアイツに一目惚れしたことになっているから叶えてやらなければ怪しむだろう。犬など児童養護施設にでも譲渡してやれば喜ぶはずだ」
アイゼンがかぶりを振る。溜息と共に。呆れたと言わんばかりの様子に眉を寄せるが、噛みつきはしなかった。
「命の尊さを誰よりも理解しておられる陛下が命をぞんざいに扱われるとは……」
アイゼンはそれ以上何も言わなかった。ゆっくり頭を下げ、アイゼンが部屋から出ていったことでファーディナンドは一人、肩を上下させながら一点を見つめている。
愛を教えてくれた最愛の人を求めることの何が悪い。前に進めないのはロベリアがいないからだ。ロベリアが戻ればまた前に進める。あの頃のように。そう思っている。
「イベリス様、全部食べてはいけませんよ。昼食はイベリス様の大好物のリゾットなんですから」
ウォルフの声に窓から下を覗き込むといつもの場所でティータイムの準備をしていた。イベリスが大事そうに抱えるクッキー缶。既に開けて食べようとしているのをウォルフが待ったをかけるも一枚差し出されて買収される。そのままイベリスの手から食べたウォルフはその美味さに目を見開き、もう一枚とねだる。サーシャはお茶を淹れに行っているのだろう。二人が笑い合ってクッキーを食べる様子をただ見つめるだけ。
「……イベリス」
名前を呼んだが振り向かない。二階から呼んでも聞こえない。遠くから見ればロベリアでしかない外見も、笑えば別人。ロベリアがあの身体に入ったとき、自分はイベリスを思い出すのだろうか。ロベリアを取り戻したのに、イベリスはそうじゃなかった。もっとこうだったと思ってしまうのだろうか。
ありえないとかぶりを振る。求めていたロベリアが戻ってきたのにイベリスを思い出す必要などない。半年後、イベリスを連れて魔女の元を訪ねた際、記憶を消してもらうよう頼もう。そうすれば後ろめたいことなどなくなるのだから。
「イベリス様? 何を見てらっしゃ……あ、陛下!」
胸に手を当てて頭を下げるウォルフに手を上げるも目を合わせているのはイベリス。ジッとこちらを見上げるイベリスを見つめ返しているとパッと笑顔に変わった。胸元まで手を上げてそこで腕ではなく手だけ揺らす様子はロベリアだった。イベリスはいつも腕ごと振る。
『今を愛されてはいかがでしょうか?』
『今を愛せないお方、という印象を持っています』
イベリスを愛したら何か変わるのか。相手は十六歳の少女。子供だ。どうやって愛せと言うのか。マシロを与えたのは嫉妬ではなく願いを叶えて喜ばせるため。ベンジャミンを叱ったのもイベリスを守ったのではなく相手の礼儀のなさを叱責しただけ。一緒に寝るのも一人で寝かせて朝になったらいませんでしたとなるのを防ぐためだ。
アイゼンは勘違いしている。
ロベリアがいない今でも何も怠ることなく生きている。前に進んでいる。今、今と言われるのが嫌だった。
「一緒にお茶しないかとイベリス様がおっしゃっています」
「仕事中だ」
「ですよね~。仕事中だからムリですって」
唇を尖らせるイベリスに「のんきでいいな」と言うとウォルフはそれを伝えなかった。苦笑するだけ。
「……お前では……ダメなんだ……」
今月で半年。イベリスに情がないと言えば嘘になる。あの屈託のない明るさは天性のもので、周りにいる者たちの気分を明るくする。ロベリアにはそれがなかった。明るさはあったが、イベリスほどではない。
それでも、ファーディナンドはロベリアが恋しいと思う。
来月はロベリアの四度目の命日。あの日に至るまでのことを思い出してしまう。出会った日から離れる日までのことを、まるで昨日の出来事のように鮮明に。そのたびに胸が締め付けられて痛くなる。
あの愛が恋しくてたまらないのだ。
また大勢の人間がロベリアを懐かしんでやってくる。イベリスを見て驚くだろう。特にロベリアの姉は受け入れないかもしれない。
ロベリアがファーディナンドの人生から姿を消して四年目になる。彼はそれをまだ受け入れたくなかった。
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