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風邪
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朝、イベリスが目を覚ますとファーディナンドがまだ眠っていることに気付いた。背を向けて眠る彼の顔を覗き込むと真っ赤であることに気付いた。
慌てて額に手を当てると異常な熱さ。ベッドを飛び出したイベリスはサイドテーブルのベルの存在も忘れて乱暴にドアを開け、廊下に飛び出した。
「イベリス様!?」
ちょうど到着したばかりのウォルフが驚いた様子で問うも、そのまま腕を掴んで部屋の中へと引っ張られた。
部屋の中はいつもどおりだが、珍しくファーディナンドがまだ寝ているとイベリスと同じことを思った。しかし、様子がおかしいことにすぐ気がついた。
「陛下!」
早足で歩み寄り、顔を覗き込むと風邪をひいたのだと一目でわかる症状が出ている。赤い顔、乱れた呼吸、汗、苦しげな表情。
ウォルフはまだ来たばかりで、これまでのファーディナンドの生態を知らないため既に動いている使用人に向かって医者を呼ぶよう叫んだ。
「何事!?」
「イベリス様を外に連れ出せ。陛下が風邪をひかれた」
駆けつけたサーシャは驚くものの無駄に問い返すことはなく、イベリスの背に手を当てて外へ連れ出そうとした。だが、イベリスがそれを拒んだ。手を払って、先程まで寝ていたベッドに戻ろうとするのをサーシャが止める。
〈離して〉
腕を引いて抵抗するもサーシャのほうが力が強く、離れない。困った顔でサーシャを見るとかぶりを振られる。
「お医者様が到着するまで辛抱するよう伝えて」
メモ帳に書こうにも手を離せば行ってしまうだろうことは容易に想像がつくため、サーシャはウォルフにお願いした。
横向きで眠っているファーディナンドの身体に手を添えてゆっくりと仰向けに戻してからイベリスの前にやってきたウォルフは笑顔で告げた。
「イベリス様、今は陛下の症状を医者に診てもらうのが先です。陛下は眠っておられますし、どうか落ち着いてください。廊下に出て、医者が大丈夫と告げたら戻りましょう」
ウォルフが医者を呼んでくれたのは知っている。それでも心配だった。眠っているのか気絶しているのかわからない。夜中に何度か振動を感じることはあったが、大して気にはならなかった。きっとあれは咳をしていたのだろう。布団の中が暑いと感じてはいたものの、まだ本格的な寒さが来ていないせいだと思い込んでいた。彼の熱で暑くなっていたというのに。
振動を何度か感じた時点で起きて様子を見ればよかった。そうすればもっと早く対処できていたのにと押し寄せる後悔に唇を噛む。
「行きましょう」
バタバタと少し離れた場所で足音がする。ウォルフの指示を聞いて慌てて医者を呼びに行った使用人。その使用人から事態を伝えられ慌てて駆けつけた医者は髪もボサボサのまま、いつものスーツ姿ではなく寝巻きの上に白衣だけ羽織ってやってきた。
視界にイベリスを移しはしたが、今はファーディナンドが優先であるため通りすがりに会釈をして部屋に飛び込んだ。
廊下に立ち、中の様子を見守る。医者がファーディナンドの状態を確認し、使用人が指示を受けてバタバタと動き回っている。水桶と洗面器と大量のタオル。サーシャが魔法で氷を用意し、ウォルフがファーディナンドを抱えている間に新品のシーツに交換する。その上にファーディナンドを座らせ、手早く着替えを済ませたらまた寝かせる。
自分が傍にいたところでなんの役にも立たない。力もなければ治癒の魔法が使えるわけでもない。ただの役立たずだと、いつでも駆け寄れるようにと入れていた力を抜いてその場に立ち尽くすイベリスからサーシャも手を離した。
「陛下の容態は?」
「普通の風邪だ。重度というわけでもない。薬を飲んで安静にしていれば三日ほどで回復なさるだろう」
「そうですか」
「しかし、陛下が風邪をひかれるなど珍しい。体調管理はしっかりされているお方なのに」
「季節の変わり目ですから」
「陛下も人の子ということだ」
二人が何を話しているのかわからないが、顔を見ればファーディナンドの容態が悪いわけではないことはわかる。
大勢いた使用人が部屋から出ていき、中に残っているのはウォルフだけ。今ならサーシャの後ろを通って中へ入れるが、イベリスは迷っていた。
朝、カーテンを開けるのはいつの間にかイベリスの役割になった。前までは朝食前まで眠っていたが、最近はイベリスが起きるのに合わせてファーディナンドも起きるようになった。だからカーテンを開けても眩しがることはないのだが、今日は開けないことにした。
朝だというのに薄暗い部屋の中、ファーディナンドは浅い呼吸を続け、ウォルフも医者もサーシャさえも神妙な顔をしている。まるで今からここで葬儀でも行われるかのような暗い雰囲気に精神までのみこまれそうになる。
「イベリス様は看病をしたがると思うのですが、どうしましょうか」
「移っては困るが……イベリス様がいらっしゃったほうが陛下も安心するだろう。風邪をひくとどんな人間でも心が弱るものだ。そのとき、最愛の人間ほど安堵する存在はない」
「それは──」
サーシャが言う前にかぶりを振った。皆まで言うなと言わんばかりに。
「……私は、イベリス様に陛下の看病をさせるのは反対です」
「そうは言ってもイベリス様が望まれるのであれば従うしかないだろう」
「呟きすらわかってしまうんですよ。もし、イベリス様を見ながら違う名前を呼んだりしたら……」
心の傷は深まる一方だと懸念するサーシャの肩を医者が軽く叩いた。
「覚悟の上とは言わんが、イベリス様はバカではない。全て、考えて行動するはずだ。お前の不安はわかるが、強制できる立場ではない以上、どうしようもない。決めるのはイベリス様だ」
グッと拳を握るサーシャの悔しげな顔を見ながらイベリスはどうしようか考えていた。何を言っているのかはわからないが、自分の話をしているのだろう。そうでなければサーシャはそんな顔をしたりしない。ウォルフが言っていた。『サーシャは昔から大事な人間以外には喜びや悔しさといった感情を出さないんです。イベリス様の前ではよく笑うので、サーシャにとってイベリス様は大事な存在となっているのでしょうね』と。
イベリスは誰かを困らせてまで自分の感情に素直に生きようとは思っていない。
自分が風邪をひいたとき、ファーディナンドは寝ずに看病してくれていたと聞いた。だから自分も恩返しがしたいと思っているのに、サーシャは心配している。なぜ悔しげな表情をしているのかまではわからないが、たぶん、当たっている。
(ロベリアと呼ばれることを心配してくれてるのよね、きっと)
ファーディナンドはロベリアを求めている。一目惚れと嘘をつき、猫をかぶってまで求婚したのは彼女の魂を降ろすための器が欲しかったから。一目惚れしたと言うわりに溺愛しないのはロベリアと似ているだけで本人ではないから。あくまでも彼は器が欲しかっただけ。時折見せる特別な感情はロベリアと重ねて見ていたことで湧き上がったというだけ。
わかっている。勘違いはしていない。あの日、彼の計画を知ってしまった日に覚悟を決めた。今更それに抗うつもりはない。どんな行動も全て覚悟の上。
むしろ、今回に関してはイベリスは覚悟を決めるほどの強張りは感じていなかった。今のファーディナンドに必要なものがロベリアであれば自分はそれに徹するだけ。彼に必要な栄養はシェフが、彼の看病に必要な物は使用人が、彼の治療に必要な薬は医者が。彼が少しでも安堵できる物があるとするならそれは心を許せる最愛の存在。
イベリスは唇で弧を描き、医者の前で緩く手を振った。
「いかがなさいました?」
サーシャがポケットから取り出したメモ帳とペンをイベリスに渡す。
〈入ってもいい?〉
「これをお持ちください。これから薬が効くまで咳が続くでしょうから」
鞄から取り出したマスクを渡される。
「看病し合うのはとても微笑ましい光景ではございますが、それでは弱ってしまう一方ですので感染防止にお使いください」
聞こえていた医者の言葉を後ろからウォルフが声に出してくれることで医者が喋っているように見え、イベリスは笑顔で頷いた。
マスクをつけて入っていくイベリスを横目で見送ったサーシャがまた不安を口にする。
「できれば、接近禁止を出していただきたかったです」
「お前の気持ちはわかるが、こればかりはどうにもできん」
「耳が聞こえないだけなら……」
「サーシャ、そこまでだ」
それ以上は口にするなと静かに叱られるとサーシャもそれ以上は言わなかった。
耳が聞こえないから魔法さえかけられていなければファーディナンドがロベリアの名前を読んだところで聞こえはしない。だが、言語表示の魔法をかけられている以上は見えてしまう。サーシャにはその表示が見えないため、一体どの程度の時間それが表示されているのかもわからない。
以前、どの程度の距離まで言葉が表示されるのかと聞いた。三メートルぐらいじゃないかと教えてくれた。そのときにどの程度の時間表示されているのかを聞けばよかった。魔法をかけられたウォルフでさえ文字は見えないと言った。言語表示を使う側と受ける側では効果が違うらしいと。
魔法は万能ではない。それは魔法を使うサーシャ自身よくわかっている。だからこそもどかしくてならない。使用人であって友達ではない。侍女であって姉妹ではない。
励ますようにもう一度肩を軽く叩いて去っていく医者に頭を下げながらサーシャは強く目を閉じた。
慌てて額に手を当てると異常な熱さ。ベッドを飛び出したイベリスはサイドテーブルのベルの存在も忘れて乱暴にドアを開け、廊下に飛び出した。
「イベリス様!?」
ちょうど到着したばかりのウォルフが驚いた様子で問うも、そのまま腕を掴んで部屋の中へと引っ張られた。
部屋の中はいつもどおりだが、珍しくファーディナンドがまだ寝ているとイベリスと同じことを思った。しかし、様子がおかしいことにすぐ気がついた。
「陛下!」
早足で歩み寄り、顔を覗き込むと風邪をひいたのだと一目でわかる症状が出ている。赤い顔、乱れた呼吸、汗、苦しげな表情。
ウォルフはまだ来たばかりで、これまでのファーディナンドの生態を知らないため既に動いている使用人に向かって医者を呼ぶよう叫んだ。
「何事!?」
「イベリス様を外に連れ出せ。陛下が風邪をひかれた」
駆けつけたサーシャは驚くものの無駄に問い返すことはなく、イベリスの背に手を当てて外へ連れ出そうとした。だが、イベリスがそれを拒んだ。手を払って、先程まで寝ていたベッドに戻ろうとするのをサーシャが止める。
〈離して〉
腕を引いて抵抗するもサーシャのほうが力が強く、離れない。困った顔でサーシャを見るとかぶりを振られる。
「お医者様が到着するまで辛抱するよう伝えて」
メモ帳に書こうにも手を離せば行ってしまうだろうことは容易に想像がつくため、サーシャはウォルフにお願いした。
横向きで眠っているファーディナンドの身体に手を添えてゆっくりと仰向けに戻してからイベリスの前にやってきたウォルフは笑顔で告げた。
「イベリス様、今は陛下の症状を医者に診てもらうのが先です。陛下は眠っておられますし、どうか落ち着いてください。廊下に出て、医者が大丈夫と告げたら戻りましょう」
ウォルフが医者を呼んでくれたのは知っている。それでも心配だった。眠っているのか気絶しているのかわからない。夜中に何度か振動を感じることはあったが、大して気にはならなかった。きっとあれは咳をしていたのだろう。布団の中が暑いと感じてはいたものの、まだ本格的な寒さが来ていないせいだと思い込んでいた。彼の熱で暑くなっていたというのに。
振動を何度か感じた時点で起きて様子を見ればよかった。そうすればもっと早く対処できていたのにと押し寄せる後悔に唇を噛む。
「行きましょう」
バタバタと少し離れた場所で足音がする。ウォルフの指示を聞いて慌てて医者を呼びに行った使用人。その使用人から事態を伝えられ慌てて駆けつけた医者は髪もボサボサのまま、いつものスーツ姿ではなく寝巻きの上に白衣だけ羽織ってやってきた。
視界にイベリスを移しはしたが、今はファーディナンドが優先であるため通りすがりに会釈をして部屋に飛び込んだ。
廊下に立ち、中の様子を見守る。医者がファーディナンドの状態を確認し、使用人が指示を受けてバタバタと動き回っている。水桶と洗面器と大量のタオル。サーシャが魔法で氷を用意し、ウォルフがファーディナンドを抱えている間に新品のシーツに交換する。その上にファーディナンドを座らせ、手早く着替えを済ませたらまた寝かせる。
自分が傍にいたところでなんの役にも立たない。力もなければ治癒の魔法が使えるわけでもない。ただの役立たずだと、いつでも駆け寄れるようにと入れていた力を抜いてその場に立ち尽くすイベリスからサーシャも手を離した。
「陛下の容態は?」
「普通の風邪だ。重度というわけでもない。薬を飲んで安静にしていれば三日ほどで回復なさるだろう」
「そうですか」
「しかし、陛下が風邪をひかれるなど珍しい。体調管理はしっかりされているお方なのに」
「季節の変わり目ですから」
「陛下も人の子ということだ」
二人が何を話しているのかわからないが、顔を見ればファーディナンドの容態が悪いわけではないことはわかる。
大勢いた使用人が部屋から出ていき、中に残っているのはウォルフだけ。今ならサーシャの後ろを通って中へ入れるが、イベリスは迷っていた。
朝、カーテンを開けるのはいつの間にかイベリスの役割になった。前までは朝食前まで眠っていたが、最近はイベリスが起きるのに合わせてファーディナンドも起きるようになった。だからカーテンを開けても眩しがることはないのだが、今日は開けないことにした。
朝だというのに薄暗い部屋の中、ファーディナンドは浅い呼吸を続け、ウォルフも医者もサーシャさえも神妙な顔をしている。まるで今からここで葬儀でも行われるかのような暗い雰囲気に精神までのみこまれそうになる。
「イベリス様は看病をしたがると思うのですが、どうしましょうか」
「移っては困るが……イベリス様がいらっしゃったほうが陛下も安心するだろう。風邪をひくとどんな人間でも心が弱るものだ。そのとき、最愛の人間ほど安堵する存在はない」
「それは──」
サーシャが言う前にかぶりを振った。皆まで言うなと言わんばかりに。
「……私は、イベリス様に陛下の看病をさせるのは反対です」
「そうは言ってもイベリス様が望まれるのであれば従うしかないだろう」
「呟きすらわかってしまうんですよ。もし、イベリス様を見ながら違う名前を呼んだりしたら……」
心の傷は深まる一方だと懸念するサーシャの肩を医者が軽く叩いた。
「覚悟の上とは言わんが、イベリス様はバカではない。全て、考えて行動するはずだ。お前の不安はわかるが、強制できる立場ではない以上、どうしようもない。決めるのはイベリス様だ」
グッと拳を握るサーシャの悔しげな顔を見ながらイベリスはどうしようか考えていた。何を言っているのかはわからないが、自分の話をしているのだろう。そうでなければサーシャはそんな顔をしたりしない。ウォルフが言っていた。『サーシャは昔から大事な人間以外には喜びや悔しさといった感情を出さないんです。イベリス様の前ではよく笑うので、サーシャにとってイベリス様は大事な存在となっているのでしょうね』と。
イベリスは誰かを困らせてまで自分の感情に素直に生きようとは思っていない。
自分が風邪をひいたとき、ファーディナンドは寝ずに看病してくれていたと聞いた。だから自分も恩返しがしたいと思っているのに、サーシャは心配している。なぜ悔しげな表情をしているのかまではわからないが、たぶん、当たっている。
(ロベリアと呼ばれることを心配してくれてるのよね、きっと)
ファーディナンドはロベリアを求めている。一目惚れと嘘をつき、猫をかぶってまで求婚したのは彼女の魂を降ろすための器が欲しかったから。一目惚れしたと言うわりに溺愛しないのはロベリアと似ているだけで本人ではないから。あくまでも彼は器が欲しかっただけ。時折見せる特別な感情はロベリアと重ねて見ていたことで湧き上がったというだけ。
わかっている。勘違いはしていない。あの日、彼の計画を知ってしまった日に覚悟を決めた。今更それに抗うつもりはない。どんな行動も全て覚悟の上。
むしろ、今回に関してはイベリスは覚悟を決めるほどの強張りは感じていなかった。今のファーディナンドに必要なものがロベリアであれば自分はそれに徹するだけ。彼に必要な栄養はシェフが、彼の看病に必要な物は使用人が、彼の治療に必要な薬は医者が。彼が少しでも安堵できる物があるとするならそれは心を許せる最愛の存在。
イベリスは唇で弧を描き、医者の前で緩く手を振った。
「いかがなさいました?」
サーシャがポケットから取り出したメモ帳とペンをイベリスに渡す。
〈入ってもいい?〉
「これをお持ちください。これから薬が効くまで咳が続くでしょうから」
鞄から取り出したマスクを渡される。
「看病し合うのはとても微笑ましい光景ではございますが、それでは弱ってしまう一方ですので感染防止にお使いください」
聞こえていた医者の言葉を後ろからウォルフが声に出してくれることで医者が喋っているように見え、イベリスは笑顔で頷いた。
マスクをつけて入っていくイベリスを横目で見送ったサーシャがまた不安を口にする。
「できれば、接近禁止を出していただきたかったです」
「お前の気持ちはわかるが、こればかりはどうにもできん」
「耳が聞こえないだけなら……」
「サーシャ、そこまでだ」
それ以上は口にするなと静かに叱られるとサーシャもそれ以上は言わなかった。
耳が聞こえないから魔法さえかけられていなければファーディナンドがロベリアの名前を読んだところで聞こえはしない。だが、言語表示の魔法をかけられている以上は見えてしまう。サーシャにはその表示が見えないため、一体どの程度の時間それが表示されているのかもわからない。
以前、どの程度の距離まで言葉が表示されるのかと聞いた。三メートルぐらいじゃないかと教えてくれた。そのときにどの程度の時間表示されているのかを聞けばよかった。魔法をかけられたウォルフでさえ文字は見えないと言った。言語表示を使う側と受ける側では効果が違うらしいと。
魔法は万能ではない。それは魔法を使うサーシャ自身よくわかっている。だからこそもどかしくてならない。使用人であって友達ではない。侍女であって姉妹ではない。
励ますようにもう一度肩を軽く叩いて去っていく医者に頭を下げながらサーシャは強く目を閉じた。
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