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幼馴染
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「サーシャ、久しぶりだな」
魔法士の塔に寄ってから部屋に戻ると目の前に表示された言葉にイベリスがサーシャを見たが、表情は変わっていない。
ウォルフの言葉からして二人は知り合い。だが、サーシャの表情には驚きも懐かしさも感じられない。
「話しかけないで」
ウォルフに言ったのだろうが、イベリスにはわからない。
首を傾げるイベリスに気付いたサーシャはポケットからメモ帳を取り出してペンを走らせる。
〈同郷の者です〉
〈幼馴染?〉
〈隣人というだけです〉
〈仲良しじゃなかったの?〉
〈子供の頃の話ですから〉
〈グラキエスでは獣人と人間は共存してるの?〉
〈昔はそうではなかったらしいのですが、グラキエスも徐々にあり方が変わり始めました〉
「多くの種族が差別なく共存できるようにという皇妃の決定です」
「勝手に会話に入らないで」
リンベルとグラキエスはそれほど遠くはないが、イベリスは他国のことをよく知らないため獣人が近くにいたことを知らなかった。
サーシャの反応は懐かしい顔に会えた照れ隠しというよりも嫌悪。ウォルフのほうはそうでもない。
〈ウォルフはホワイトウルフ?〉
「はい」
〈だからウォルフ?〉
書かれた言葉にキョトンとするウォルフだが、暫くして俯いて肩を揺らす。笑っている。何かおかしなことを言っただろうかと首を傾げながらその様子を見るイベリスを見たサーシャがメモ帳でウォルフの腕を叩いた。
「失礼でしょ」
「いや、失礼。ウルフは獣人族の中で細分化された種族なので名前には関係ないですね。ハーゲンベルクがウォルフであればそうだったかもしれませんが、ウォルフは名前なので」
〈確かにそうよね。ごめんなさい、変なこと聞いて。鼻、触ってもいい?〉
脈絡のない要望に頷くとイベリスが手を伸ばす。黒い鼻に触れようとした直前でウォルフがカパッと口を開けた。
「ッ!?」
立派な犬歯が顔を覗かせ、食べられると思ったイベリスが慌てて手を引っ込める。噛まれていないが指があるかの確認をするイベリスを見て愉快そうに笑うウォルフの背中をサーシャが強く叩いた。
「余計なことしないで鼻触らせなさい」
「可愛らしくてつい。もうしませんから好きなだけ触ってください」
自ら顔を差し出して目を閉じるウォルフからサーシャへ視線を移動させると大丈夫だと頷いたのを見て鼻を触った。両親が犬アレルギーであるため犬は遠目に見るばかりで触ったことすらなかったため鼻の感触がどんなものか知らなかったイベリスにとって初めての感触に目を輝かせる。しっとりとしていて思ったより柔らかい。円を描くように撫でてはトントンと叩くように押したり軽く持ち上げたりと繰り返すとウォルフの表情が少しずつ変わっていく。
「我慢して」
「無理だ」
何が無理なのかと問おうとしたイベリスの前でウォルフがグシュンと強いくしゃみをした。それと同時に顔の毛がなくなり、姿が変わる。
「え……」
さっきまで狼の顔だったウォルフが突然人間の顔に変わった。耳がなくなった白髪の赤目の青年。上がった眉毛と切れ長の瞳が意思の強さを感じさせる。
「失礼しました」
慌ててもいないウォルフが頭を下げて謝罪する。
「どっちが本来のあなたなの?」
イベリスの純粋な疑問にウォルフがサーシャを見て首を傾げる。サーシャは自分で説明しろと言わんばかりに目を合わせずイベリスを見ていた。
「獣人というのは特殊な生き物でして、これは種族にもよるのですが、私の場合は三段階あります。まず一つ目の姿がこちら」
ボンッと音を立てて四足歩行の狼の姿へと変わった。自然界の中で生きる白狼。だが、やはり少し大きめ。全長はイベリスの身長ぐらいはあるのではないかと思うほど大きい。
何度も目を瞬かせるイベリスに擦り寄ろうとしてサーシャに尻尾を掴まれる。
「調子に乗るな」
殺気すら感じる背後からの圧にクゥンと鳴き、「二つ目」と言いながら前足を上げた。直後にもう一度ボンッと音がし、顔だけが狼の姿に変わり、続けて顔も人間へと変わった。
「白狼族は三段階の変化ができます。これはどれが本来の、とかではなく、どれも、なのです」
「すごい!!」
まるで昔、見世物小屋で見た早着替えのような変身にイベリスが盛大な拍手を繰り返す。その目は純粋に感動を表し、子供のような笑顔を見せている。
まだ十六歳と資料を読んだが、それにしても笑顔は幼く見えた。皇妃と呼ぶにはどこか頼りない、ファーディナンドが言っていた意味が少しわかるような、だがそれほど悪い感じもしない不思議な感覚にウォルフがまたサーシャを見ると頷きが返ってきた。少し微笑みながらのサーシャの頷き。それだけで信用に値するとウォルフは判断する。
〈でもどうしてそんなにいっぱい変身できるの?〉
イベリスのリクエストで三人でのティータイム中、大好物のバタークッキーをミルクに浸して食べるというブームになっている食べ方をしながらふとした疑問を紙に書いて見せた。
「獲物を狩るための狼の姿。人と共存していくための人間の姿。守るための獣人の姿だと聞いています」
「守るため?」
ボンッと音を立てて顔だけ獣に変わったウォルフが口を開けて歯を見せる。
「この耳で探り、この目で発見し、この歯で捉える。獣の姿だけでは勝てない獲物がいる。獣の姿で剣は振るえません。かといって人間の歯は獣ほど頑丈でもなければ耳も目も獣ほど良くはない。この姿は両者の利点を最大限に活かせるんです。適材適所というわけではありませんが、生きやすいようにと工夫した結果かもしれませんね」
〈人間はどうして変身できないのかしら?〉
「人間はそのままで充分だからだと思います」
〈でも、人間より獣人のほうが優れてるのよね? ファーディナンドが言ってたわ〉
意外だと思うことが失礼だと思いながらもウォルフは驚いていた。獣人である自分を他国から呼び寄せてくれた時点で獣人を認めてくれているのはわかっていたが、人間より優れていると口にするほどとは思っていなかった。
人間至上主義、とまでは思っていないが、テロスは獣人の受け入れを一度もしたことがない。だから認めていないのだとウォルフは勝手に思い込んでいた。
〈だったら人間より獣人に生まれたかったなって思う。だって、こんなに可愛いのよ。羨ましい〉
「獣人の背景も色々あるのです。それを少しお勉強なさるのもいいかもしれませんね。テロスが獣人を受け入れるキッカケとなるかもしれませんし」
良い考えだと声を明るくすると想像していたサーシャにとって少し考え込むように一点を見つめるイベリスの反応は予想外だった。
「どうかなさいましたか?」
窓からウォルフの姿を確認したとき、イベリスは大はしゃぎしていた。獣人を嫌ってはいないし、今も受け入れて感動すらしている。
テロスと同じくリンベルでも獣人は受け入れていない。受け入れる国が少ないのが実情で、獣人たちが独立して国を持っていることも多い。
イベリスが獣人の歴史を学び、それをファーディナンドに説いてテロスでの獣人受け入れを提案してみるのもいいのではないかと思ったのだが、意外にもイベリスの反応は悪かった。
〈……ロベリアは政治に口出ししてた?〉
「私も実際のところ、それほど長くロベリア様とご一緒したわけではありませんので……」
〈アーシャル先生なら知ってるかしら?〉
「ご存知かと」
〈じゃあ、明日聞いてみる。ロベリアが政治に参加して、それをファーディナンドが許してたなら……〉
「イベリス様?」
言葉を途中で止めたイベリスの様子にサーシャとウォルフが顔を見合わせる。最近、イベリスはこうして固まることが増えた。
シャッと言葉に線を引いて新しく言葉を書き直す。
〈獣人族の歴史について勉強してみるわ〉
ペンを置き、再びミルクにクッキーを浸して食べるイベリスに二人は微笑む。
〈ねえ、グラキエスのことを教えて〉
〈寒い国ってだけで特別なことは何もありませんよ?〉
「面白い伝承をお話しましょうか」
〈知りたい! 聞かせて!〉
グラキエスの伝承をウォルフが語り始めるとイベリスの視線は宙を彷徨っているようにサーシャには見える。実際はそこに言葉が表示されていて、少し光っていると聞いた。新しい物語を寝る前に読んでもらう子供のように目を輝かせながら知らない物語に目を輝かせている。
紅茶のおかわりを持ってくると紙に書いてテーブルに置き、ティーポットを持って部屋を出たサーシャはそのまま厨房ではなく自室へと向かった。
魔法士の塔に寄ってから部屋に戻ると目の前に表示された言葉にイベリスがサーシャを見たが、表情は変わっていない。
ウォルフの言葉からして二人は知り合い。だが、サーシャの表情には驚きも懐かしさも感じられない。
「話しかけないで」
ウォルフに言ったのだろうが、イベリスにはわからない。
首を傾げるイベリスに気付いたサーシャはポケットからメモ帳を取り出してペンを走らせる。
〈同郷の者です〉
〈幼馴染?〉
〈隣人というだけです〉
〈仲良しじゃなかったの?〉
〈子供の頃の話ですから〉
〈グラキエスでは獣人と人間は共存してるの?〉
〈昔はそうではなかったらしいのですが、グラキエスも徐々にあり方が変わり始めました〉
「多くの種族が差別なく共存できるようにという皇妃の決定です」
「勝手に会話に入らないで」
リンベルとグラキエスはそれほど遠くはないが、イベリスは他国のことをよく知らないため獣人が近くにいたことを知らなかった。
サーシャの反応は懐かしい顔に会えた照れ隠しというよりも嫌悪。ウォルフのほうはそうでもない。
〈ウォルフはホワイトウルフ?〉
「はい」
〈だからウォルフ?〉
書かれた言葉にキョトンとするウォルフだが、暫くして俯いて肩を揺らす。笑っている。何かおかしなことを言っただろうかと首を傾げながらその様子を見るイベリスを見たサーシャがメモ帳でウォルフの腕を叩いた。
「失礼でしょ」
「いや、失礼。ウルフは獣人族の中で細分化された種族なので名前には関係ないですね。ハーゲンベルクがウォルフであればそうだったかもしれませんが、ウォルフは名前なので」
〈確かにそうよね。ごめんなさい、変なこと聞いて。鼻、触ってもいい?〉
脈絡のない要望に頷くとイベリスが手を伸ばす。黒い鼻に触れようとした直前でウォルフがカパッと口を開けた。
「ッ!?」
立派な犬歯が顔を覗かせ、食べられると思ったイベリスが慌てて手を引っ込める。噛まれていないが指があるかの確認をするイベリスを見て愉快そうに笑うウォルフの背中をサーシャが強く叩いた。
「余計なことしないで鼻触らせなさい」
「可愛らしくてつい。もうしませんから好きなだけ触ってください」
自ら顔を差し出して目を閉じるウォルフからサーシャへ視線を移動させると大丈夫だと頷いたのを見て鼻を触った。両親が犬アレルギーであるため犬は遠目に見るばかりで触ったことすらなかったため鼻の感触がどんなものか知らなかったイベリスにとって初めての感触に目を輝かせる。しっとりとしていて思ったより柔らかい。円を描くように撫でてはトントンと叩くように押したり軽く持ち上げたりと繰り返すとウォルフの表情が少しずつ変わっていく。
「我慢して」
「無理だ」
何が無理なのかと問おうとしたイベリスの前でウォルフがグシュンと強いくしゃみをした。それと同時に顔の毛がなくなり、姿が変わる。
「え……」
さっきまで狼の顔だったウォルフが突然人間の顔に変わった。耳がなくなった白髪の赤目の青年。上がった眉毛と切れ長の瞳が意思の強さを感じさせる。
「失礼しました」
慌ててもいないウォルフが頭を下げて謝罪する。
「どっちが本来のあなたなの?」
イベリスの純粋な疑問にウォルフがサーシャを見て首を傾げる。サーシャは自分で説明しろと言わんばかりに目を合わせずイベリスを見ていた。
「獣人というのは特殊な生き物でして、これは種族にもよるのですが、私の場合は三段階あります。まず一つ目の姿がこちら」
ボンッと音を立てて四足歩行の狼の姿へと変わった。自然界の中で生きる白狼。だが、やはり少し大きめ。全長はイベリスの身長ぐらいはあるのではないかと思うほど大きい。
何度も目を瞬かせるイベリスに擦り寄ろうとしてサーシャに尻尾を掴まれる。
「調子に乗るな」
殺気すら感じる背後からの圧にクゥンと鳴き、「二つ目」と言いながら前足を上げた。直後にもう一度ボンッと音がし、顔だけが狼の姿に変わり、続けて顔も人間へと変わった。
「白狼族は三段階の変化ができます。これはどれが本来の、とかではなく、どれも、なのです」
「すごい!!」
まるで昔、見世物小屋で見た早着替えのような変身にイベリスが盛大な拍手を繰り返す。その目は純粋に感動を表し、子供のような笑顔を見せている。
まだ十六歳と資料を読んだが、それにしても笑顔は幼く見えた。皇妃と呼ぶにはどこか頼りない、ファーディナンドが言っていた意味が少しわかるような、だがそれほど悪い感じもしない不思議な感覚にウォルフがまたサーシャを見ると頷きが返ってきた。少し微笑みながらのサーシャの頷き。それだけで信用に値するとウォルフは判断する。
〈でもどうしてそんなにいっぱい変身できるの?〉
イベリスのリクエストで三人でのティータイム中、大好物のバタークッキーをミルクに浸して食べるというブームになっている食べ方をしながらふとした疑問を紙に書いて見せた。
「獲物を狩るための狼の姿。人と共存していくための人間の姿。守るための獣人の姿だと聞いています」
「守るため?」
ボンッと音を立てて顔だけ獣に変わったウォルフが口を開けて歯を見せる。
「この耳で探り、この目で発見し、この歯で捉える。獣の姿だけでは勝てない獲物がいる。獣の姿で剣は振るえません。かといって人間の歯は獣ほど頑丈でもなければ耳も目も獣ほど良くはない。この姿は両者の利点を最大限に活かせるんです。適材適所というわけではありませんが、生きやすいようにと工夫した結果かもしれませんね」
〈人間はどうして変身できないのかしら?〉
「人間はそのままで充分だからだと思います」
〈でも、人間より獣人のほうが優れてるのよね? ファーディナンドが言ってたわ〉
意外だと思うことが失礼だと思いながらもウォルフは驚いていた。獣人である自分を他国から呼び寄せてくれた時点で獣人を認めてくれているのはわかっていたが、人間より優れていると口にするほどとは思っていなかった。
人間至上主義、とまでは思っていないが、テロスは獣人の受け入れを一度もしたことがない。だから認めていないのだとウォルフは勝手に思い込んでいた。
〈だったら人間より獣人に生まれたかったなって思う。だって、こんなに可愛いのよ。羨ましい〉
「獣人の背景も色々あるのです。それを少しお勉強なさるのもいいかもしれませんね。テロスが獣人を受け入れるキッカケとなるかもしれませんし」
良い考えだと声を明るくすると想像していたサーシャにとって少し考え込むように一点を見つめるイベリスの反応は予想外だった。
「どうかなさいましたか?」
窓からウォルフの姿を確認したとき、イベリスは大はしゃぎしていた。獣人を嫌ってはいないし、今も受け入れて感動すらしている。
テロスと同じくリンベルでも獣人は受け入れていない。受け入れる国が少ないのが実情で、獣人たちが独立して国を持っていることも多い。
イベリスが獣人の歴史を学び、それをファーディナンドに説いてテロスでの獣人受け入れを提案してみるのもいいのではないかと思ったのだが、意外にもイベリスの反応は悪かった。
〈……ロベリアは政治に口出ししてた?〉
「私も実際のところ、それほど長くロベリア様とご一緒したわけではありませんので……」
〈アーシャル先生なら知ってるかしら?〉
「ご存知かと」
〈じゃあ、明日聞いてみる。ロベリアが政治に参加して、それをファーディナンドが許してたなら……〉
「イベリス様?」
言葉を途中で止めたイベリスの様子にサーシャとウォルフが顔を見合わせる。最近、イベリスはこうして固まることが増えた。
シャッと言葉に線を引いて新しく言葉を書き直す。
〈獣人族の歴史について勉強してみるわ〉
ペンを置き、再びミルクにクッキーを浸して食べるイベリスに二人は微笑む。
〈ねえ、グラキエスのことを教えて〉
〈寒い国ってだけで特別なことは何もありませんよ?〉
「面白い伝承をお話しましょうか」
〈知りたい! 聞かせて!〉
グラキエスの伝承をウォルフが語り始めるとイベリスの視線は宙を彷徨っているようにサーシャには見える。実際はそこに言葉が表示されていて、少し光っていると聞いた。新しい物語を寝る前に読んでもらう子供のように目を輝かせながら知らない物語に目を輝かせている。
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