12 / 190
妻の変化
しおりを挟む
髪を切った日からイベリスは少し変わった。
「皇妃の態度はまるでロベリア前皇妃が戻ってきたようですね! あれだけ興味がなかった歴史にこんなにも興味を持つだなんて誰が想像できたことでしょう!」
嫌がっていた歴史の授業中に欠伸をすることはなくなり、質問までするようになった。家庭教師のアーシャルは大喜びだが、サーシャは違った。
〈何故急に意欲を持たれたのですか?〉
イベリスが歴史の授業を嫌がっていること誰よりも知っていたサーシャがテーブルの上にティーセットを並べたあとにメモ帳に書いて問いかけるとイベリスはまだ空のティーカップを見つめる。熱い紅茶が入ったティーポットへ手を伸ばすも、サーシャが先に蒸らすためのカバーをかけてしまった。
〈もう少し待ってください〉
イベリスは頬を膨らませるもすぐに笑顔に変わる。
〈アーシャル先生に何か言われた?〉
〈いいえ、アーシャル先生は大喜びでしたよ。あれだけ興味がなかった皇妃がこんなにも真面目になるなんて、と〉
〈アーシャル先生は書いてくれないから何を言ってるかわからなかったけど、そんなことを言ってたのね〉
アーシャルはいつも少し優しさが足りない。耳が聞こえないからと黒板にビッシリと書くくせに皇妃への言葉を書くことはしない。サーシャが三度頼んでみたが、授業にお喋りは必要ないと一蹴されて終わった。
イベリス自身はあまり気にしていないのか、アーシャルが何を言っているのか、何を言ったのか問いかけることはしなかったし、これからもしないだろう。だからサーシャも諦めている。
〈お父様が言ったことを思い出したの。やりたいことは全部やればいい。やってダメなら仕方ないけど、やってもないことを先入観で嫌って遠ざけるのはあまりにも惜しい。やれそうだなって自分が思ったら折れるとこまでやればいい、って〉
イベリスが好奇心旺盛な理由がわかったとサーシャが頷く。
〈私ね、とことんって得意じゃないの。あれもこれも手を出すけど全部中途半端。最初はすごく熱心にするのよ。でも途中で飽きちゃうの。最初は面白かったのになぁって勝手に飽きてるのにまるでそれに面白味がなくなったみたいに思っちゃう。飽きたって言うと両親はダメだったかって笑ってくれて……甘やかしてくれる両親にずーっと甘えてた。だけど、私は両親から離れてテロスの皇妃になった。ただの伯爵令嬢から皇妃になったのに好きだからやる、嫌いだからやらないなんて通用しちゃいけないんじゃないかって考え直したってだけ〉
〈立派です〉
〈悔いのないように生きたいの。結構なんでも楽しいって思える性格だから、人生が終わるときも楽しかったって、最高の人生だったって思えるような生き方をしたいから……大嫌いな歴史もちゃんとやろうって。あんまり入ってないんだけどね〉
ペロッと舌を出して笑うイベリスらしい笑い方にサーシャは安堵した。人が変わったように思う瞬間が何度か合ったから、髪を切って変わってしまう何かがあったのではないかとずっと不穏な推測が回り続けていた。
皇妃になったからと意識を変えるのは良い傾向だと喜びさえ覚える。
指先でペンを回しながら空いている手でサンドイッチを取って頬張るイベリスに合わせてカップに紅茶を注ぐ。フルーツティーの香りに犬のように鼻を鳴らして香りを嗅いでからそーっと飲む。
〈今日は私の大好きな物ばかりね。どうして?〉
〈歴史の授業を真面目に受けられているご褒美です〉
〈ご褒美だ! あと何回受けられるかな?〉
〈頑張り続ける限り何度でもご褒美はありますよ〉
〈じゃあたくさん頑張らないと〉
あとでポットの中の桃を食べたいとソーサーからカップを外して、ここに乗せるようペンでをソーサーを叩いて行儀悪く指示を出す。それではご褒美はあげられないと言うとペンを置いた右手を立て、顔の前で頭と一緒に手を下げた。
それを見て合格を出したサーシャがポットの中から桃を取り出してソーサーに乗せる。小皿があるのだが、イベリスの指示に従った。
〈あったかい桃って意外と美味しいって知らなかった〉
〈リンベルも寒い国なのに知らないとは意外です〉
〈どうして思いつかなかったのかしら?〉
〈果汁が弾けたり滴る感じはなくなってしまいますからね。生のフルーツを使う紅茶には賛否ございます〉
〈生じゃなかったら何を使うの?〉
〈乾燥させた物を使う地域もあるそうですよ〉
〈生のほうが絶対美味しい〉
〈グラキエスも生なので私は賛成です〉
サーシャとは住んでいる国がそう遠くないのもあって話が合う。博識で、話をしているだけで知らない知識をたくさん与えてくれる。だからティータイムは必ずサーシャも一緒にするようにと命じている。軽食はイベリスがサーシャの皿に盛らなければ絶対に食べることはしないため時折イベリスが皿に置く。一緒にティータイムを取り始めた頃は遠慮していたが、イベリスが一緒に食べてくれると嬉しいと言ってからは一緒に食べるようになった。イベリスは今でもこの時間が一番好きだ。
楽しげに笑うイベリスにサーシャが聞いた。
〈髪を切ったのは陛下のためですか?〉
ますますロベリアに似てしまったイベリスに問わずにはいられなかった。
ロベリアのことはなんとも思っていない。会ったこともない死者に嫉妬もしなければ嫌悪もない。笑顔が素敵な人だからきっと良い人だったと思うとまで言っていたが、それでもロベリアにはなりたくないとも言っていた。髪を切れば本当にロベリアになってしまいそうで嫌だと。
そう言っていたイベリスが突然髪を切った理由が小説の中の登場人物に触発されたから、では納得できなかった。
〈似合ってない?〉
図星を突かれた人間というのは話を逸らすか黙り込むか強く否定するかのどれか。イベリスは話を逸らした。
慌てて駆けつけた美容師に髪を整えられる姿をずっと傍で見ていたサーシャはその瞬間のイベリスの表情が忘れられない。覚悟を決めたような、でもどこか諦めたようにも見える表情。鏡越しに目が合えば笑顔になるその複雑な表情は触発されて切った人間の表情ではない気がしている。
〈変わりたかったの〉
〈嫌だと言っていたではありませんか〉
〈でも、こうすることが一番だと思ったから〉
〈あなたは充分に魅力的な女性ですよ。髪を切って陛下の理想どおりにならなくても時間がそれを証明してくれます〉
(時間……)
時間が解決してくれたらどんなにいいだろう。三年後には、五年後には仲良くなって本当の夫婦のように仲睦まじく過ごせていたら、この結婚にも意味があったと思えたのかもしれない。
だけど、時間はもう一年しかない。いや、結婚してから既に一ヶ月経った。もう一年もない。
苦笑がこぼれるイベリスにやはり理由は別にあると確信したサーシャが言った。
〈私は何があろうとイベリス様の味方です。イベリス様とこうしてお話した内容は全て他言無用。誰にも話しません。陛下にさえも〉
〈ありがとう。サーシャって本当に優しいのね。大好きよ〉
〈私もです〉
だが、イベリスが心の内をサーシャに話すことはしなかった。
壁にかかっている肖像画のロベリアも写真立ての中にいるロベリアも、目の前にいる人物ではないはずなのにサーシャでさえロベリアが戻ってきたのではないかと思ってしまうほどよく似ている。あれだけ反抗し続けてきたのに、今になって自ら似せる道を選んだ理由がサーシャは知りたかった。
〈今日も明日も頑張らないとね〉
〈あまりご無理はなさらないようにしてくださいね。勉強はあまり得意ではないようですから〉
〈難しい言葉が苦手なだけよ。もっと簡単に、動物に教えるように説明してくれれば私だってすぐに覚えるはずよ。歴史に難しい言葉は必要ないのに、どうして人間は小難しい言葉ばっかり並べて偉そうに語るのかしら?〉
〈では明日、アーシャル先生にもう少し簡単に話すよう言ってみましょうか〉
〈きっと驚いた顔のあとに呆れを見せるわ。歴史を簡単に話せなど歴史の冒涜も同然!とか言ってね〉
中指でメガネの端を持ち上げながら激昂するアーシャルの真似はとてもよく似ていた。無邪気に笑うイベリスに合わせて笑うサーシャの中には消えない一抹の不安がある。
イベリスのこの無邪気さが、いつか消えてしまうのではないだろうかという漠然とした不安。それはファーディナンドが望むように全てロベリアへと変わってしまう可能性からくるもの。
見た目から入ったイベリスの中にはもはやファーディナンドへの抵抗は見られず、むしろ受け入れようとしているようにさえ見える。だからこそ不安だった。
彼女の良さが全て消え、内外共にロベリアと見間違うほどになってしまったら、と。
イベリスが嫁に来る少し前、サーシャはファーディナンドから言われていた。
『一年だ。一年でロベリアと見間違うほどの皇妃教育を完成させろ』と。
あの圧力をイベリスもかけられたのだとしたら髪を切ったことへの納得もいく。二人で笑顔で過ごしている日もあるが、結局はイベリスにロベリアの面影を重ねているから笑顔になれるだけ。ファーディナンドが見ているのはイベリスではなくロベリア。
あまりにも辛いその現実に、サーシャは笑顔でペンを走らせながら左手は強く拳を握っていた。
「皇妃の態度はまるでロベリア前皇妃が戻ってきたようですね! あれだけ興味がなかった歴史にこんなにも興味を持つだなんて誰が想像できたことでしょう!」
嫌がっていた歴史の授業中に欠伸をすることはなくなり、質問までするようになった。家庭教師のアーシャルは大喜びだが、サーシャは違った。
〈何故急に意欲を持たれたのですか?〉
イベリスが歴史の授業を嫌がっていること誰よりも知っていたサーシャがテーブルの上にティーセットを並べたあとにメモ帳に書いて問いかけるとイベリスはまだ空のティーカップを見つめる。熱い紅茶が入ったティーポットへ手を伸ばすも、サーシャが先に蒸らすためのカバーをかけてしまった。
〈もう少し待ってください〉
イベリスは頬を膨らませるもすぐに笑顔に変わる。
〈アーシャル先生に何か言われた?〉
〈いいえ、アーシャル先生は大喜びでしたよ。あれだけ興味がなかった皇妃がこんなにも真面目になるなんて、と〉
〈アーシャル先生は書いてくれないから何を言ってるかわからなかったけど、そんなことを言ってたのね〉
アーシャルはいつも少し優しさが足りない。耳が聞こえないからと黒板にビッシリと書くくせに皇妃への言葉を書くことはしない。サーシャが三度頼んでみたが、授業にお喋りは必要ないと一蹴されて終わった。
イベリス自身はあまり気にしていないのか、アーシャルが何を言っているのか、何を言ったのか問いかけることはしなかったし、これからもしないだろう。だからサーシャも諦めている。
〈お父様が言ったことを思い出したの。やりたいことは全部やればいい。やってダメなら仕方ないけど、やってもないことを先入観で嫌って遠ざけるのはあまりにも惜しい。やれそうだなって自分が思ったら折れるとこまでやればいい、って〉
イベリスが好奇心旺盛な理由がわかったとサーシャが頷く。
〈私ね、とことんって得意じゃないの。あれもこれも手を出すけど全部中途半端。最初はすごく熱心にするのよ。でも途中で飽きちゃうの。最初は面白かったのになぁって勝手に飽きてるのにまるでそれに面白味がなくなったみたいに思っちゃう。飽きたって言うと両親はダメだったかって笑ってくれて……甘やかしてくれる両親にずーっと甘えてた。だけど、私は両親から離れてテロスの皇妃になった。ただの伯爵令嬢から皇妃になったのに好きだからやる、嫌いだからやらないなんて通用しちゃいけないんじゃないかって考え直したってだけ〉
〈立派です〉
〈悔いのないように生きたいの。結構なんでも楽しいって思える性格だから、人生が終わるときも楽しかったって、最高の人生だったって思えるような生き方をしたいから……大嫌いな歴史もちゃんとやろうって。あんまり入ってないんだけどね〉
ペロッと舌を出して笑うイベリスらしい笑い方にサーシャは安堵した。人が変わったように思う瞬間が何度か合ったから、髪を切って変わってしまう何かがあったのではないかとずっと不穏な推測が回り続けていた。
皇妃になったからと意識を変えるのは良い傾向だと喜びさえ覚える。
指先でペンを回しながら空いている手でサンドイッチを取って頬張るイベリスに合わせてカップに紅茶を注ぐ。フルーツティーの香りに犬のように鼻を鳴らして香りを嗅いでからそーっと飲む。
〈今日は私の大好きな物ばかりね。どうして?〉
〈歴史の授業を真面目に受けられているご褒美です〉
〈ご褒美だ! あと何回受けられるかな?〉
〈頑張り続ける限り何度でもご褒美はありますよ〉
〈じゃあたくさん頑張らないと〉
あとでポットの中の桃を食べたいとソーサーからカップを外して、ここに乗せるようペンでをソーサーを叩いて行儀悪く指示を出す。それではご褒美はあげられないと言うとペンを置いた右手を立て、顔の前で頭と一緒に手を下げた。
それを見て合格を出したサーシャがポットの中から桃を取り出してソーサーに乗せる。小皿があるのだが、イベリスの指示に従った。
〈あったかい桃って意外と美味しいって知らなかった〉
〈リンベルも寒い国なのに知らないとは意外です〉
〈どうして思いつかなかったのかしら?〉
〈果汁が弾けたり滴る感じはなくなってしまいますからね。生のフルーツを使う紅茶には賛否ございます〉
〈生じゃなかったら何を使うの?〉
〈乾燥させた物を使う地域もあるそうですよ〉
〈生のほうが絶対美味しい〉
〈グラキエスも生なので私は賛成です〉
サーシャとは住んでいる国がそう遠くないのもあって話が合う。博識で、話をしているだけで知らない知識をたくさん与えてくれる。だからティータイムは必ずサーシャも一緒にするようにと命じている。軽食はイベリスがサーシャの皿に盛らなければ絶対に食べることはしないため時折イベリスが皿に置く。一緒にティータイムを取り始めた頃は遠慮していたが、イベリスが一緒に食べてくれると嬉しいと言ってからは一緒に食べるようになった。イベリスは今でもこの時間が一番好きだ。
楽しげに笑うイベリスにサーシャが聞いた。
〈髪を切ったのは陛下のためですか?〉
ますますロベリアに似てしまったイベリスに問わずにはいられなかった。
ロベリアのことはなんとも思っていない。会ったこともない死者に嫉妬もしなければ嫌悪もない。笑顔が素敵な人だからきっと良い人だったと思うとまで言っていたが、それでもロベリアにはなりたくないとも言っていた。髪を切れば本当にロベリアになってしまいそうで嫌だと。
そう言っていたイベリスが突然髪を切った理由が小説の中の登場人物に触発されたから、では納得できなかった。
〈似合ってない?〉
図星を突かれた人間というのは話を逸らすか黙り込むか強く否定するかのどれか。イベリスは話を逸らした。
慌てて駆けつけた美容師に髪を整えられる姿をずっと傍で見ていたサーシャはその瞬間のイベリスの表情が忘れられない。覚悟を決めたような、でもどこか諦めたようにも見える表情。鏡越しに目が合えば笑顔になるその複雑な表情は触発されて切った人間の表情ではない気がしている。
〈変わりたかったの〉
〈嫌だと言っていたではありませんか〉
〈でも、こうすることが一番だと思ったから〉
〈あなたは充分に魅力的な女性ですよ。髪を切って陛下の理想どおりにならなくても時間がそれを証明してくれます〉
(時間……)
時間が解決してくれたらどんなにいいだろう。三年後には、五年後には仲良くなって本当の夫婦のように仲睦まじく過ごせていたら、この結婚にも意味があったと思えたのかもしれない。
だけど、時間はもう一年しかない。いや、結婚してから既に一ヶ月経った。もう一年もない。
苦笑がこぼれるイベリスにやはり理由は別にあると確信したサーシャが言った。
〈私は何があろうとイベリス様の味方です。イベリス様とこうしてお話した内容は全て他言無用。誰にも話しません。陛下にさえも〉
〈ありがとう。サーシャって本当に優しいのね。大好きよ〉
〈私もです〉
だが、イベリスが心の内をサーシャに話すことはしなかった。
壁にかかっている肖像画のロベリアも写真立ての中にいるロベリアも、目の前にいる人物ではないはずなのにサーシャでさえロベリアが戻ってきたのではないかと思ってしまうほどよく似ている。あれだけ反抗し続けてきたのに、今になって自ら似せる道を選んだ理由がサーシャは知りたかった。
〈今日も明日も頑張らないとね〉
〈あまりご無理はなさらないようにしてくださいね。勉強はあまり得意ではないようですから〉
〈難しい言葉が苦手なだけよ。もっと簡単に、動物に教えるように説明してくれれば私だってすぐに覚えるはずよ。歴史に難しい言葉は必要ないのに、どうして人間は小難しい言葉ばっかり並べて偉そうに語るのかしら?〉
〈では明日、アーシャル先生にもう少し簡単に話すよう言ってみましょうか〉
〈きっと驚いた顔のあとに呆れを見せるわ。歴史を簡単に話せなど歴史の冒涜も同然!とか言ってね〉
中指でメガネの端を持ち上げながら激昂するアーシャルの真似はとてもよく似ていた。無邪気に笑うイベリスに合わせて笑うサーシャの中には消えない一抹の不安がある。
イベリスのこの無邪気さが、いつか消えてしまうのではないだろうかという漠然とした不安。それはファーディナンドが望むように全てロベリアへと変わってしまう可能性からくるもの。
見た目から入ったイベリスの中にはもはやファーディナンドへの抵抗は見られず、むしろ受け入れようとしているようにさえ見える。だからこそ不安だった。
彼女の良さが全て消え、内外共にロベリアと見間違うほどになってしまったら、と。
イベリスが嫁に来る少し前、サーシャはファーディナンドから言われていた。
『一年だ。一年でロベリアと見間違うほどの皇妃教育を完成させろ』と。
あの圧力をイベリスもかけられたのだとしたら髪を切ったことへの納得もいく。二人で笑顔で過ごしている日もあるが、結局はイベリスにロベリアの面影を重ねているから笑顔になれるだけ。ファーディナンドが見ているのはイベリスではなくロベリア。
あまりにも辛いその現実に、サーシャは笑顔でペンを走らせながら左手は強く拳を握っていた。
139
お気に入りに追加
873
あなたにおすすめの小説
私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?
水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。
日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。
そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。
一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。
◇小説家になろうにも掲載中です!
◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
私の頑張りは、とんだ無駄骨だったようです
風見ゆうみ
恋愛
私、リディア・トゥーラル男爵令嬢にはジッシー・アンダーソンという婚約者がいた。ある日、学園の中庭で彼が女子生徒に告白され、その生徒と抱き合っているシーンを大勢の生徒と一緒に見てしまった上に、その場で婚約破棄を要求されてしまう。
婚約破棄を要求されてすぐに、ミラン・ミーグス公爵令息から求婚され、ひそかに彼に思いを寄せていた私は、彼の申し出を受けるか迷ったけれど、彼の両親から身を引く様にお願いされ、ミランを諦める事に決める。
そんな私は、学園を辞めて遠くの街に引っ越し、平民として新しい生活を始めてみたんだけど、ん? 誰かからストーカーされてる? それだけじゃなく、ミランが私を見つけ出してしまい…!?
え、これじゃあ、私、何のために引っ越したの!?
※恋愛メインで書くつもりですが、ざまぁ必要のご意見があれば、微々たるものになりますが、ざまぁを入れるつもりです。
※ざまぁ希望をいただきましたので、タグを「ざまぁ」に変更いたしました。
※史実とは関係ない異世界の世界観であり、設定も緩くご都合主義です。魔法も存在します。作者の都合の良い世界観や設定であるとご了承いただいた上でお読み下さいませ。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
婚約者様は大変お素敵でございます
ましろ
恋愛
私シェリーが婚約したのは16の頃。相手はまだ13歳のベンジャミン様。当時の彼は、声変わりすらしていない天使の様に美しく可愛らしい少年だった。
あれから2年。天使様は素敵な男性へと成長した。彼が18歳になり学園を卒業したら結婚する。
それまで、侯爵家で花嫁修業としてお父上であるカーティス様から仕事を学びながら、嫁ぐ日を指折り数えて待っていた──
設定はゆるゆるご都合主義です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
いくら政略結婚だからって、そこまで嫌わなくてもいいんじゃないですか?いい加減、腹が立ってきたんですけど!
夢呼
恋愛
伯爵令嬢のローゼは大好きな婚約者アーサー・レイモンド侯爵令息との結婚式を今か今かと待ち望んでいた。
しかし、結婚式の僅か10日前、その大好きなアーサーから「私から愛されたいという思いがあったら捨ててくれ。それに応えることは出来ない」と告げられる。
ローゼはその言葉にショックを受け、熱を出し寝込んでしまう。数日間うなされ続け、やっと目を覚ました。前世の記憶と共に・・・。
愛されることは無いと分かっていても、覆すことが出来ないのが貴族間の政略結婚。日本で生きたアラサー女子の「私」が八割心を占めているローゼが、この政略結婚に臨むことになる。
いくら政略結婚といえども、親に孫を見せてあげて親孝行をしたいという願いを持つローゼは、何とかアーサーに振り向いてもらおうと頑張るが、鉄壁のアーサーには敵わず。それどころか益々嫌われる始末。
一体私の何が気に入らないんだか。そこまで嫌わなくてもいいんじゃないんですかね!いい加減腹立つわっ!
世界観はゆるいです!
カクヨム様にも投稿しております。
※10万文字を超えたので長編に変更しました。
【短編】旦那様、2年後に消えますので、その日まで恩返しをさせてください
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
「二年後には消えますので、ベネディック様。どうかその日まで、いつかの恩返しをさせてください」
「恩? 私と君は初対面だったはず」
「そうかもしれませんが、そうではないのかもしれません」
「意味がわからない──が、これでアルフの、弟の奇病も治るのならいいだろう」
奇病を癒すため魔法都市、最後の薬師フェリーネはベネディック・バルテルスと契約結婚を持ちかける。
彼女の目的は遺産目当てや、玉の輿ではなく──?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結済】次こそは愛されるかもしれないと、期待した私が愚かでした。
こゆき
恋愛
リーゼッヒ王国、王太子アレン。
彼の婚約者として、清く正しく生きてきたヴィオラ・ライラック。
皆に祝福されたその婚約は、とてもとても幸せなものだった。
だが、学園にとあるご令嬢が転入してきたことにより、彼女の生活は一変してしまう。
何もしていないのに、『ヴィオラがそのご令嬢をいじめている』とみんなが言うのだ。
どれだけ違うと訴えても、誰も信じてはくれなかった。
絶望と悲しみにくれるヴィオラは、そのまま隣国の王太子──ハイル帝国の王太子、レオへと『同盟の証』という名の厄介払いとして嫁がされてしまう。
聡明な王子としてリーゼッヒ王国でも有名だったレオならば、己の無罪を信じてくれるかと期待したヴィオラだったが──……
※在り来りなご都合主義設定です
※『悪役令嬢は自分磨きに忙しい!』の合間の息抜き小説です
※つまりは行き当たりばったり
※不定期掲載な上に雰囲気小説です。ご了承ください
4/1 HOT女性向け2位に入りました。ありがとうございます!
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる