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死神出現3
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「キャアッ!」
タイミングを合わせて横に身体をズラすとナイフを握った少女が転んだ。
「シャーレ!!」
手元に残っているナイフを連投して距離を取らせようとするがラビは弾くばかりで動かない。ナイフはそのままシャーレの周りを囲むようにして床に突き刺さり、身動きを封じた。触れれば悶絶するほどの痛みが生じる猛毒が染み込んでいる事はシャーレも当然知っている。手にしていたのはアイリスからもらったナイフだろう。
「ラビッシュお願いやめて。シャーレはまだ十一歳よ……」
「戦場では七歳の子供であろうと武器を持てば戦士です。同情はありません」
「あなたの妹よ!?」
「兄を殺した気分を笑いながら聞いてきた人の発言とは思えませんね。あなたのような人間でも妹は大事なんですか?」
「家族だもの……当たり前でしょ」
家族。その言葉がラビを複雑な心境にさせる。自分も家族だった。家族として受け入れてほしかった。だけど、それは許されなかった。ラビッシュという屈辱の名前を付けられ、ゴミ以下の扱いを受け続けた。まだそこら辺を歩いている野良犬のほうが幸せな生き方をしていると思ってしまうほどひどいものだった。
弟は兄のために怒り、姉妹は互いのために命を張る。家族だったはずの人間に牙を剥いて。
「……血ってそんなに大事ですか?」
問いかけるラビの声が若干震えていた。
起き上がれないシャーレとなんとかしてシャーレを助けたいアイリスがラビを見る。
「僕じゃなくても姉さん達は同じ事をしましたか? 僕だからあんなにひどい事をし続けたんですか?」
「ごめんなさい、ラビ。あなたには悪い事をしたと思ってるわ。でもね、わかるでしょう? ワーナー家は父が絶対で、その次が長男。彼らの決定に私達は逆らえないの。あなたに優しくしているのがバレたら私達がひどい目に遭うのよ。だから──」
「だからあなたはシャーレがジュベール兄さんに髪を掴まれても助けなかった」
「あれは……」
「シャーレの失言だから、ですか?」
「そういう言い方はやめてちょうだい」
顔を上げないまま目だけでアイリスを見るシャーレはあの日の事を思い出したように睨みつける。隣に座って仲良く話をしていたのにアイリスは助けようとしなかった。仲良くできる時だけ仲良くして、都合が悪くなったら見放す。幼い頃から何度もそういう場面があった。
「あなたは自分さえ良ければそれでいい人ですからね」
「あなたを助けた事だってあったでしょ!」
「いつでしょう?」
「あなたが覚えてないだけよ!」
「ですから教えてください。いつですか?」
「そんなの……」
黙り込むアイリスを笑ったのはラビではなくシャーレだった。
「シャーレ?」
鼻で笑うシャーレを見るアイリスの不思議そうな顔にシャーレは唾を吐きかけてやりたい気持ちだった。
「ラビお兄様、この女やっちゃってよ」
「シャーレあなた……!」
「この女ってばいつもジュベールお兄様に媚び売って自分だけは助けるよう言ってたの。実の兄弟なのに同じベッドで寝たりしてさ、身体使うしか能がないゴミ見たいな女よ」
「シャーレ!!」
「自分が殺されそうになったらラビをナイフで殺せって渡してきたの。ラビを殺せば全部片付くからって。お兄様はいつも土下座して、悪くもないのに謝って、笑うしか対処法を知らなくて可哀想だったのに。反抗するのが許されない中で必死に生きてきただけなのにそんなお兄様を嘲笑ってたバカ女なの! 殺しちゃってよ!」
声を上げるシャーレにラビは何も言わない。その代わりにアイリスが声を上げた。
「この恩知らず! 誰が今まで可愛がってきたと思ってるのよ!!」
「私を可愛がってくれてたのはセリーヌお姉様よ!」
「早々に逃げ出したあのクソ女になんの恩があるって言うのよ!」
「セリーヌお姉様は逃げて当然よ! だってラビッシュお兄様に何もしてないんだから! セリーヌお姉様はいつも平等だった!」
その言葉にだけラビは同意できた。長女であるセリーヌは物静かで大人しい人だった。我関せずを貫き、それはラビにだけではなく家族に対して同じ態度で通した。家族に呆れていたのだろう。関わりたくもなかったのだろう。だから召集されてもその場にいて本を読んでいるだけで一言だって発言しなかった。蔑むような視線も嘲笑も暴言もない人だった。
それは長女だけでなく四男と五男と六男も同じだった。彼らはラビだけでなく長男、次男、三男、次女、三女と関わろうとしなかった。ラビを除いた九人兄妹はいつも意見が分かれ、派閥のようなものが存在していた。ラビはどちらに所属する事もできなかったし、自分の身を守るので必死だった。
助けてくれなかった彼らを恨んではいない。助けられるはずがなかったのだから。関わろうとしなかっただけでもラビには充分すぎるほどの救いになっていた。
「シャーレは僕が嫌いだったよね?」
「そんな事ない! 大好きよ! だってラビッシュお兄様は背が高くて顔が整ってるもの。優しくて、威張ったりもしないし、本当は大好きだったの。でもね、お兄様と仲良くしようとするとバカがうるさかったから」
「気持ち悪いって言ってたじゃない!」
「言ってないわよ!」
「一言でもそう言ってくれたら嬉しかったのにな」
ポツリとこぼしたラビの言葉にシャーレが一段と声を張る。
「これからたくさん言わせて! お兄様がこのクソ女とジュベールお兄様とお父様を殺したら私、お兄様とたくさん仲良くしたいの!」
「シャーレ! あんた自分が何言ってるかわかってるの!?」
「わかってる。ワーナー家はもう終わりって事。誰もラビッシュお兄様には勝てないもの。ジュベールお兄様は威張るしか能がない雑魚だし、お父様だってラビッシュお兄様には勝てない。ラビッシュお兄様は最強なの! 私はラビッシュお兄様と一緒に行くわ! もう無能な兄に従うのはうんざりだか──!」
パンッと発砲音が鳴ると同時にラビが顔をほんの少し後ろに逸らした直後、シャーレの頭に穴が空いた。
「シャーレ……?」
さっきまで元気に噛みついていた妹は既に喋る事はなく、目は焦点が合っておらず頭部から流れてくる血で顔を汚す。
何があったのか。床に広がる鮮血。あの大きな音は銃声で間違いない。でもどこから……
アイリスが立ち上がると同時にもう一度発砲音が響き、アイリスは足に激痛を感じた。
「ああッ!!」
「アイリス姉さん、そこにいると危な──」
忠告するより先にアイリスの額に穴が空いた。ラビは思わず目を閉じる。殺すつもりではあったし、助けるつもりもなかった。スパイ小説の主人公のように危機的状況下で焦りながら忠告するつもりもなかった。今のラビは至って冷静。ただ、撃った相手が誰かもわからず死んで行くよりも知ってから死んだほうが地獄で会った時に復讐できるだろうと考えていただけ。それも出来なくなってしまった姉の亡骸を横目で見た後、ラビはすぐに部屋を出た。
「相変わらず面倒な人だ」
廊下を走ると銃声が響く。ラビを狙った長距離射撃が続く。銃声の間隔からして込められるのは四発。四発の銃声が終わると静かになった。弾を詰め替えている間に距離を詰められては困ると思って銃を捨てたのだろう。
ラビは既に狙撃手がどこにいるか把握している。相手もそれを知った上で銃を置いた。
二階にある部屋の中でも一番大きなドアを開けて中に入ると窓を開けて椅子に腰掛けた。吹き抜ける風が心地良い。この部屋で椅子に座ったのは初めてかもしれない。全部で十脚ある中でも特別製の椅子。玉座。ここに腰掛けられる人間は決まっている。この家の長で、この国の皇帝であるルーカス・ワーナーただ一人。
椅子を用意してもらった事もないラビがこの椅子に腰掛けた事が知られればタダでは済まないが、今日はその心配をする必要はない。そうした心配や不安を終わらせるためにここまで来たのだから。
もうすぐ来るだろう男を足を組んで待ち構える。
バンッと大きな音と共に開いたドア。その先にいた男にラビは笑顔を見せた。
タイミングを合わせて横に身体をズラすとナイフを握った少女が転んだ。
「シャーレ!!」
手元に残っているナイフを連投して距離を取らせようとするがラビは弾くばかりで動かない。ナイフはそのままシャーレの周りを囲むようにして床に突き刺さり、身動きを封じた。触れれば悶絶するほどの痛みが生じる猛毒が染み込んでいる事はシャーレも当然知っている。手にしていたのはアイリスからもらったナイフだろう。
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「戦場では七歳の子供であろうと武器を持てば戦士です。同情はありません」
「あなたの妹よ!?」
「兄を殺した気分を笑いながら聞いてきた人の発言とは思えませんね。あなたのような人間でも妹は大事なんですか?」
「家族だもの……当たり前でしょ」
家族。その言葉がラビを複雑な心境にさせる。自分も家族だった。家族として受け入れてほしかった。だけど、それは許されなかった。ラビッシュという屈辱の名前を付けられ、ゴミ以下の扱いを受け続けた。まだそこら辺を歩いている野良犬のほうが幸せな生き方をしていると思ってしまうほどひどいものだった。
弟は兄のために怒り、姉妹は互いのために命を張る。家族だったはずの人間に牙を剥いて。
「……血ってそんなに大事ですか?」
問いかけるラビの声が若干震えていた。
起き上がれないシャーレとなんとかしてシャーレを助けたいアイリスがラビを見る。
「僕じゃなくても姉さん達は同じ事をしましたか? 僕だからあんなにひどい事をし続けたんですか?」
「ごめんなさい、ラビ。あなたには悪い事をしたと思ってるわ。でもね、わかるでしょう? ワーナー家は父が絶対で、その次が長男。彼らの決定に私達は逆らえないの。あなたに優しくしているのがバレたら私達がひどい目に遭うのよ。だから──」
「だからあなたはシャーレがジュベール兄さんに髪を掴まれても助けなかった」
「あれは……」
「シャーレの失言だから、ですか?」
「そういう言い方はやめてちょうだい」
顔を上げないまま目だけでアイリスを見るシャーレはあの日の事を思い出したように睨みつける。隣に座って仲良く話をしていたのにアイリスは助けようとしなかった。仲良くできる時だけ仲良くして、都合が悪くなったら見放す。幼い頃から何度もそういう場面があった。
「あなたは自分さえ良ければそれでいい人ですからね」
「あなたを助けた事だってあったでしょ!」
「いつでしょう?」
「あなたが覚えてないだけよ!」
「ですから教えてください。いつですか?」
「そんなの……」
黙り込むアイリスを笑ったのはラビではなくシャーレだった。
「シャーレ?」
鼻で笑うシャーレを見るアイリスの不思議そうな顔にシャーレは唾を吐きかけてやりたい気持ちだった。
「ラビお兄様、この女やっちゃってよ」
「シャーレあなた……!」
「この女ってばいつもジュベールお兄様に媚び売って自分だけは助けるよう言ってたの。実の兄弟なのに同じベッドで寝たりしてさ、身体使うしか能がないゴミ見たいな女よ」
「シャーレ!!」
「自分が殺されそうになったらラビをナイフで殺せって渡してきたの。ラビを殺せば全部片付くからって。お兄様はいつも土下座して、悪くもないのに謝って、笑うしか対処法を知らなくて可哀想だったのに。反抗するのが許されない中で必死に生きてきただけなのにそんなお兄様を嘲笑ってたバカ女なの! 殺しちゃってよ!」
声を上げるシャーレにラビは何も言わない。その代わりにアイリスが声を上げた。
「この恩知らず! 誰が今まで可愛がってきたと思ってるのよ!!」
「私を可愛がってくれてたのはセリーヌお姉様よ!」
「早々に逃げ出したあのクソ女になんの恩があるって言うのよ!」
「セリーヌお姉様は逃げて当然よ! だってラビッシュお兄様に何もしてないんだから! セリーヌお姉様はいつも平等だった!」
その言葉にだけラビは同意できた。長女であるセリーヌは物静かで大人しい人だった。我関せずを貫き、それはラビにだけではなく家族に対して同じ態度で通した。家族に呆れていたのだろう。関わりたくもなかったのだろう。だから召集されてもその場にいて本を読んでいるだけで一言だって発言しなかった。蔑むような視線も嘲笑も暴言もない人だった。
それは長女だけでなく四男と五男と六男も同じだった。彼らはラビだけでなく長男、次男、三男、次女、三女と関わろうとしなかった。ラビを除いた九人兄妹はいつも意見が分かれ、派閥のようなものが存在していた。ラビはどちらに所属する事もできなかったし、自分の身を守るので必死だった。
助けてくれなかった彼らを恨んではいない。助けられるはずがなかったのだから。関わろうとしなかっただけでもラビには充分すぎるほどの救いになっていた。
「シャーレは僕が嫌いだったよね?」
「そんな事ない! 大好きよ! だってラビッシュお兄様は背が高くて顔が整ってるもの。優しくて、威張ったりもしないし、本当は大好きだったの。でもね、お兄様と仲良くしようとするとバカがうるさかったから」
「気持ち悪いって言ってたじゃない!」
「言ってないわよ!」
「一言でもそう言ってくれたら嬉しかったのにな」
ポツリとこぼしたラビの言葉にシャーレが一段と声を張る。
「これからたくさん言わせて! お兄様がこのクソ女とジュベールお兄様とお父様を殺したら私、お兄様とたくさん仲良くしたいの!」
「シャーレ! あんた自分が何言ってるかわかってるの!?」
「わかってる。ワーナー家はもう終わりって事。誰もラビッシュお兄様には勝てないもの。ジュベールお兄様は威張るしか能がない雑魚だし、お父様だってラビッシュお兄様には勝てない。ラビッシュお兄様は最強なの! 私はラビッシュお兄様と一緒に行くわ! もう無能な兄に従うのはうんざりだか──!」
パンッと発砲音が鳴ると同時にラビが顔をほんの少し後ろに逸らした直後、シャーレの頭に穴が空いた。
「シャーレ……?」
さっきまで元気に噛みついていた妹は既に喋る事はなく、目は焦点が合っておらず頭部から流れてくる血で顔を汚す。
何があったのか。床に広がる鮮血。あの大きな音は銃声で間違いない。でもどこから……
アイリスが立ち上がると同時にもう一度発砲音が響き、アイリスは足に激痛を感じた。
「ああッ!!」
「アイリス姉さん、そこにいると危な──」
忠告するより先にアイリスの額に穴が空いた。ラビは思わず目を閉じる。殺すつもりではあったし、助けるつもりもなかった。スパイ小説の主人公のように危機的状況下で焦りながら忠告するつもりもなかった。今のラビは至って冷静。ただ、撃った相手が誰かもわからず死んで行くよりも知ってから死んだほうが地獄で会った時に復讐できるだろうと考えていただけ。それも出来なくなってしまった姉の亡骸を横目で見た後、ラビはすぐに部屋を出た。
「相変わらず面倒な人だ」
廊下を走ると銃声が響く。ラビを狙った長距離射撃が続く。銃声の間隔からして込められるのは四発。四発の銃声が終わると静かになった。弾を詰め替えている間に距離を詰められては困ると思って銃を捨てたのだろう。
ラビは既に狙撃手がどこにいるか把握している。相手もそれを知った上で銃を置いた。
二階にある部屋の中でも一番大きなドアを開けて中に入ると窓を開けて椅子に腰掛けた。吹き抜ける風が心地良い。この部屋で椅子に座ったのは初めてかもしれない。全部で十脚ある中でも特別製の椅子。玉座。ここに腰掛けられる人間は決まっている。この家の長で、この国の皇帝であるルーカス・ワーナーただ一人。
椅子を用意してもらった事もないラビがこの椅子に腰掛けた事が知られればタダでは済まないが、今日はその心配をする必要はない。そうした心配や不安を終わらせるためにここまで来たのだから。
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