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アーバンからの帰還
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「今の……僕に……触らないで、ください……」
フラつきながらも立ち上がって歩き出すラビの隣でアーデルはいつでも支えられるようにしていた。
馬がかなり疲弊している。全て終わってから休みなく飛ばしたのかもしれない。
「ラビ……」
階段に何度か躓きながら上がっていく。ラビはアーデルを見ようとはしない。顔色は最悪で、唇は今にも皮が剥がれ落ちそうなほど乾いていた。もしかすると水も飲んでいないのではないかと掠れた声から悟るも今は何を言ったところで言うことを聞いてもらえない気がしてラビの隣を歩いていく。
向かった先は予想どおりヒースの部屋。
「ラビ皇子、よく戻られた」
「見苦しい姿で申し訳ございません……」
「戦場帰りだ。見苦しいもないさ」
部屋に入ってヒースの前で立ち止まるとすぐに片膝をついた。それは礼儀か、それとも限界が来てのことか。アーデルは彼が倒れてもいいように両手を少し前に出したまま後ろで待機している。それを視界に映しながらもヒースは何も言わない。
「ルーカスにはもう報告を?」
「はい」
ヒュドールに立ち寄ってから来たのかとアーデルの身体に少し緊張が走る。アーバン襲撃については当然ヒュドールにもその情報は広がっただろう。ヒュドールの民にとって戦争のニュースは珍しい事ではなく、ラビがそれに出陣するのも耳を疑う話ではない。だが、今回は戦争ではなく一方的な大量虐殺によるアーバン崩壊が目的だった。戦争を日常茶飯事のように捉えている彼らは今回の事件をどう思ったのか。
アーバンから出る時にはもうこんな状態だったのか、それともヒュドールで何かあったからこうなったのか、アーデルにはわからないだけにどう声をかけるべきか迷っていた。
「届け物がありましたので……」
今にも倒れてしまいそうな顔色。出てくる声は枯れており、ここに来るまで水を飲んでいないからか、それとも叫び続けたからか。どちらにせよ健康状態は良くないだろう。
帰ってきたラビの顔色はアーデルが想像していたよりも悪く、表情も取り繕えてなかった。
「アーバンの王が持っていたダイヤモンドのオーブかい?」
「はい……」
容易に察しがついたのか、その事実にヒースは思わず視線だけ上に向けて呆れを見せる。
「アーデルだけを突然向かわせた無礼、お許しください」
「私はむしろ懸命な判断だと思ったよ。娘を守ろうとしてくれてありがとう」
俯いていたラビが驚いた顔を上げると優しい微笑みを浮かべるヒースと目が合った。すぐに俯いたラビはそれを否定するようにかぶりを振る。
「だが、心身共に疲弊しきっているように見えるその状態で家に帰すわけにはいかないな」
「僕なら平気です……」
「そんな状態で襲撃に遭っても対処できるのかい? 娘を無傷で守れると?」
ラビは何も言えず、黙って頭を下げた。
「まずはお風呂で身体をほぐしなさい。冷えて固まっているだろう」
「……はい……」
使用人達は慌てて風呂の用意を始めた。ここはハイデンと違ってシャワーの設備はないため少しばかり時間がかかるものの、少し休んでからのほうがいいだろうとアーデルに視線を向け、何が言いたいのか察したアーデルは頷きだけ返してラビに声をかけた。
「ラビ、行きましょうか」
「あなたの部屋、以外でお願いします」
どこまで──そう心の中で呟きながらもアーデルは「はい」と返事をして先を歩いていく。隣を歩こうとしたら先を歩くよう手で促された。
「飲み物を用意してくれる?」
「かしこまりました」
途中で使用人に声をかけ、来客用の部屋へと入る。自分の部屋と変わらないどころか自分の部屋よりも良い家具が揃っていると久しぶりに入って実感する。
白いシーツがピンッと張られたベッド。大きな窓が二つ並び、その隣にはバルコニーに続くガラス張りのドア。バルコニーでお茶ができるようにテーブルと椅子が置いてある。
壁に設置されてある金の装飾が施された白の暖炉に後から入ってきた使用人が火をつけた。
「座ってください」
「今は──」
「座ってください」
有無を言わさないような圧のかけ方はしたくなかったが、こうでもしなければラビは聞き入れない。マントを外して外側を上に向けて畳んで隅に置いた。
できるだけ浅く腰掛けるラビにそれ以上の強要はしない。自分が汚いと思っているのだろう。ここ数日、しつこいほど降り続く雨で洗い流されたのだろう。血で汚れているわけではないが、彼の心は自己嫌悪に染まりきっている。だからアーデルにも触れてほしくはなく、彼女が生まれ育った家のどこにも触れたくはなかった。
「お風呂に入ったら少し眠りましょう」
ラビは返事をしなかった。眠る事すら悪だと思っているのだろうか。彼はアーデルに出発した日からあまり眠っていないような気がした。目の下には大きなクマができており、少し痩せた。
自分でも限界が来ている事はわかっている。だからヒースの言葉に意地を張らなかった。
自分は妻として彼のために何ができるだろう。俯いて黙り込む夫を見ながらアーデルは必死に考えていた。
「お風呂の用意ができました」
「ラビ」
「行ってきます……」
立ち上がり、フラつきながら使用人の後をついていくラビを黙って見送る。彼が座っていた一人掛けのソファーに目をやると濡れていたのはほんの少しだけ。言われたから座っただけで、座る事さえ申し訳ないと思っているようなそんな感じに見てとれた。
風呂に入ったラビは一時間ほど戻ってこなかった。戻ってきてホカホカした身体を手で扇ぎながらさっぱりしたと笑って戻ってきてくれたらどんなによかっただろう。
父親が用意するように言ったのだろう寝巻きを着て戻ってきたラビは「すみません」と謝った。
何に?とは聞かない。その短い言葉一つに一体どれだけの謝罪が含まれているのか聞くのは愚行でしかないと思ったから。
「アーデル」
「はい」
「休みますから、もう部屋に戻ってください」
すぐには返事ができなかった。だが、極力、詰まらないように「はい」と返事をしたつもりだ。
「ゆっくりと身体を休めてください。おやすみなさい。また明日」
「……はい……」
死んでしまうのではないだろうかと不安になった。嫌な想像が頭の中で一瞬で作り上げられる。だが、ラビは自己嫌悪に陥っても自暴自棄にはなったりしない。自分の罪悪感のために死を選べる人間ではないような気がする。だからアーデルはいつものように同じ言葉が返ってこなくても部屋を後にした。
「彼は?」
「休むと」
「そうか」
父親の部屋を訪ねたアーデルは緩く首を振る。
「あそこまでとは思っていませんでした……」
ショックを見せないようにするのが精一杯だった自分は妻失格だとソファーに腰掛けて両手で顔を覆った。
「彼の顔色は誰が見ても悪い。このまま家に帰っても精神状態は良くならないだろう」
「ですが……家のほうが落ち着くのではないでしょうか?」
「私の考えは逆だ。今の精神状態で家に帰れば逆に悪化すると思ったんだよ」
「何故ですか?」
「自分達の思い出の家だ。そこに自責の念に囚われている状態で足を踏み込めば宝物を汚してしまうと思いかねない」
確かにそうだと頷く。
「自分の中で整理がつくまで、ここで羽を休めるといい」
どれぐらいかかるのか想像もつかない。人の心について詳しいのはフォスであってアーデルではない。
「私に何ができるでしょうか? 妻としてできる事があるのでしょうか?」
「考えなさい。共に苦しみ、共に悩み、寄り添えばいい」
答えは自分で出すしかない。
「これから彼の状態はもっと悪くなるかもしれないし、このままかもしれない。一ヶ月二ヶ月ではなく、半年、一年、それ以上続く可能性もある。それでもお前は寄り添い続けるか?」
「彼から離れる選択肢も理由も私の中にはありません。私は彼の妻として生き、最後は彼の妻のまま死ぬと決めています」
「そうか。なら、私から言える事は一つだけだね」
微笑むヒースにアーデルが首を傾げる。
「お前もしっかり休みなさい。また明日、笑顔でいられるように」
アーデルは深く頭を下げた。暫くそのままの状態で止まり、頭を上げた際は笑顔を見せた。
部屋から出ていった娘にヒースは息を吐き出す。
言葉にするのは簡単でも現実はそんなに甘くはないだろう。理想どおりにはいかない。
「ルーカスが小石程度でも人を思いやる心を持っていればいいのだが……」
出陣命令──それが出されない事だけを願いながらルーカスに手紙を書く事にした。
フラつきながらも立ち上がって歩き出すラビの隣でアーデルはいつでも支えられるようにしていた。
馬がかなり疲弊している。全て終わってから休みなく飛ばしたのかもしれない。
「ラビ……」
階段に何度か躓きながら上がっていく。ラビはアーデルを見ようとはしない。顔色は最悪で、唇は今にも皮が剥がれ落ちそうなほど乾いていた。もしかすると水も飲んでいないのではないかと掠れた声から悟るも今は何を言ったところで言うことを聞いてもらえない気がしてラビの隣を歩いていく。
向かった先は予想どおりヒースの部屋。
「ラビ皇子、よく戻られた」
「見苦しい姿で申し訳ございません……」
「戦場帰りだ。見苦しいもないさ」
部屋に入ってヒースの前で立ち止まるとすぐに片膝をついた。それは礼儀か、それとも限界が来てのことか。アーデルは彼が倒れてもいいように両手を少し前に出したまま後ろで待機している。それを視界に映しながらもヒースは何も言わない。
「ルーカスにはもう報告を?」
「はい」
ヒュドールに立ち寄ってから来たのかとアーデルの身体に少し緊張が走る。アーバン襲撃については当然ヒュドールにもその情報は広がっただろう。ヒュドールの民にとって戦争のニュースは珍しい事ではなく、ラビがそれに出陣するのも耳を疑う話ではない。だが、今回は戦争ではなく一方的な大量虐殺によるアーバン崩壊が目的だった。戦争を日常茶飯事のように捉えている彼らは今回の事件をどう思ったのか。
アーバンから出る時にはもうこんな状態だったのか、それともヒュドールで何かあったからこうなったのか、アーデルにはわからないだけにどう声をかけるべきか迷っていた。
「届け物がありましたので……」
今にも倒れてしまいそうな顔色。出てくる声は枯れており、ここに来るまで水を飲んでいないからか、それとも叫び続けたからか。どちらにせよ健康状態は良くないだろう。
帰ってきたラビの顔色はアーデルが想像していたよりも悪く、表情も取り繕えてなかった。
「アーバンの王が持っていたダイヤモンドのオーブかい?」
「はい……」
容易に察しがついたのか、その事実にヒースは思わず視線だけ上に向けて呆れを見せる。
「アーデルだけを突然向かわせた無礼、お許しください」
「私はむしろ懸命な判断だと思ったよ。娘を守ろうとしてくれてありがとう」
俯いていたラビが驚いた顔を上げると優しい微笑みを浮かべるヒースと目が合った。すぐに俯いたラビはそれを否定するようにかぶりを振る。
「だが、心身共に疲弊しきっているように見えるその状態で家に帰すわけにはいかないな」
「僕なら平気です……」
「そんな状態で襲撃に遭っても対処できるのかい? 娘を無傷で守れると?」
ラビは何も言えず、黙って頭を下げた。
「まずはお風呂で身体をほぐしなさい。冷えて固まっているだろう」
「……はい……」
使用人達は慌てて風呂の用意を始めた。ここはハイデンと違ってシャワーの設備はないため少しばかり時間がかかるものの、少し休んでからのほうがいいだろうとアーデルに視線を向け、何が言いたいのか察したアーデルは頷きだけ返してラビに声をかけた。
「ラビ、行きましょうか」
「あなたの部屋、以外でお願いします」
どこまで──そう心の中で呟きながらもアーデルは「はい」と返事をして先を歩いていく。隣を歩こうとしたら先を歩くよう手で促された。
「飲み物を用意してくれる?」
「かしこまりました」
途中で使用人に声をかけ、来客用の部屋へと入る。自分の部屋と変わらないどころか自分の部屋よりも良い家具が揃っていると久しぶりに入って実感する。
白いシーツがピンッと張られたベッド。大きな窓が二つ並び、その隣にはバルコニーに続くガラス張りのドア。バルコニーでお茶ができるようにテーブルと椅子が置いてある。
壁に設置されてある金の装飾が施された白の暖炉に後から入ってきた使用人が火をつけた。
「座ってください」
「今は──」
「座ってください」
有無を言わさないような圧のかけ方はしたくなかったが、こうでもしなければラビは聞き入れない。マントを外して外側を上に向けて畳んで隅に置いた。
できるだけ浅く腰掛けるラビにそれ以上の強要はしない。自分が汚いと思っているのだろう。ここ数日、しつこいほど降り続く雨で洗い流されたのだろう。血で汚れているわけではないが、彼の心は自己嫌悪に染まりきっている。だからアーデルにも触れてほしくはなく、彼女が生まれ育った家のどこにも触れたくはなかった。
「お風呂に入ったら少し眠りましょう」
ラビは返事をしなかった。眠る事すら悪だと思っているのだろうか。彼はアーデルに出発した日からあまり眠っていないような気がした。目の下には大きなクマができており、少し痩せた。
自分でも限界が来ている事はわかっている。だからヒースの言葉に意地を張らなかった。
自分は妻として彼のために何ができるだろう。俯いて黙り込む夫を見ながらアーデルは必死に考えていた。
「お風呂の用意ができました」
「ラビ」
「行ってきます……」
立ち上がり、フラつきながら使用人の後をついていくラビを黙って見送る。彼が座っていた一人掛けのソファーに目をやると濡れていたのはほんの少しだけ。言われたから座っただけで、座る事さえ申し訳ないと思っているようなそんな感じに見てとれた。
風呂に入ったラビは一時間ほど戻ってこなかった。戻ってきてホカホカした身体を手で扇ぎながらさっぱりしたと笑って戻ってきてくれたらどんなによかっただろう。
父親が用意するように言ったのだろう寝巻きを着て戻ってきたラビは「すみません」と謝った。
何に?とは聞かない。その短い言葉一つに一体どれだけの謝罪が含まれているのか聞くのは愚行でしかないと思ったから。
「アーデル」
「はい」
「休みますから、もう部屋に戻ってください」
すぐには返事ができなかった。だが、極力、詰まらないように「はい」と返事をしたつもりだ。
「ゆっくりと身体を休めてください。おやすみなさい。また明日」
「……はい……」
死んでしまうのではないだろうかと不安になった。嫌な想像が頭の中で一瞬で作り上げられる。だが、ラビは自己嫌悪に陥っても自暴自棄にはなったりしない。自分の罪悪感のために死を選べる人間ではないような気がする。だからアーデルはいつものように同じ言葉が返ってこなくても部屋を後にした。
「彼は?」
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「あそこまでとは思っていませんでした……」
ショックを見せないようにするのが精一杯だった自分は妻失格だとソファーに腰掛けて両手で顔を覆った。
「彼の顔色は誰が見ても悪い。このまま家に帰っても精神状態は良くならないだろう」
「ですが……家のほうが落ち着くのではないでしょうか?」
「私の考えは逆だ。今の精神状態で家に帰れば逆に悪化すると思ったんだよ」
「何故ですか?」
「自分達の思い出の家だ。そこに自責の念に囚われている状態で足を踏み込めば宝物を汚してしまうと思いかねない」
確かにそうだと頷く。
「自分の中で整理がつくまで、ここで羽を休めるといい」
どれぐらいかかるのか想像もつかない。人の心について詳しいのはフォスであってアーデルではない。
「私に何ができるでしょうか? 妻としてできる事があるのでしょうか?」
「考えなさい。共に苦しみ、共に悩み、寄り添えばいい」
答えは自分で出すしかない。
「これから彼の状態はもっと悪くなるかもしれないし、このままかもしれない。一ヶ月二ヶ月ではなく、半年、一年、それ以上続く可能性もある。それでもお前は寄り添い続けるか?」
「彼から離れる選択肢も理由も私の中にはありません。私は彼の妻として生き、最後は彼の妻のまま死ぬと決めています」
「そうか。なら、私から言える事は一つだけだね」
微笑むヒースにアーデルが首を傾げる。
「お前もしっかり休みなさい。また明日、笑顔でいられるように」
アーデルは深く頭を下げた。暫くそのままの状態で止まり、頭を上げた際は笑顔を見せた。
部屋から出ていった娘にヒースは息を吐き出す。
言葉にするのは簡単でも現実はそんなに甘くはないだろう。理想どおりにはいかない。
「ルーカスが小石程度でも人を思いやる心を持っていればいいのだが……」
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