僕はどうやら神様の手違いにより飛ばされたみたいです・・・。

わっしー

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第三章

48話

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俺達は試験エリアに到着していた。
「とりあえず、皆の得意分野を整理しよう。」
俺達5人はそれぞれの得意なことを言い合う。
「まず、私ね!」
そういうのはシニナだった。
「私の属性は水で回復魔法が得意よ。武器は杖よ。」
そう言って杖を掲げる。
「この杖は魔法石を中心に嵌めてあってこれで魔力の回復を補助してくれるのよ!」
シニナは薄い胸を張る。
「そうか・・・次はミセラ。」
「はい・・・。」
「ちょっと!何か感想は無いの!?」
シニナが何かを言っているが無視する。
「私・・・属性は風です・・・。武器は弓です・・・。」
「へぇ!ミセラって弓を使うのね!?」
「はい・・・。風魔法は主に弓の補助として使っています。」
「なるほど・・・次は・・・。」
「俺だな!」
そう言うのはジルドだった。
「俺の属性は土で俺の武器はこの鍛え抜かれた筋肉だ!」
そう言ってジルドはポーズを決める。
「わぁ!凄い筋肉!?」
シニナはそう言ってジルドを見ていた。
「サンキュ!!!」
「・・・次はサマラ。」
「は・・・はい!」
二人を無視して話を進めた。
「僕の属性は炎です。魔法を得意としています。」
「コイツの魔法はすげえんだぞ!」
そう言ってジルドはサマラの肩を叩く。
「ちょっと・・・痛いよ。」
そんなジルドにサマラは迷惑そうに言うが気にした様子はない。
「最後に俺だな。俺の属性は火だ。武器はこの剣のみだ。」
「魔法は使わないの?」
シニナの言葉に頷く。
「ああ・・・魔法は苦手なんでな・・・。」
「なるほどな・・・。じゃあ、これで全員の特性を理解したところでどんな感じで戦う?」
ジルドが聞いてきたので俺は少し考えた後に答える。
前衛は俺とジルド。
中衛にミセラを置いて後衛には回復要員のシニナとサマラという隊列でとりあえず一回ゴブリンたちに挑むことにした。

「・・・居たぞ。」
俺達は森の茂みからゴブリンたちを見つける。
数は5匹。
奴らは森の動物の死骸を漁っているようだ。
「ミサラ・・・。ここから狙えるか?」
「・・・任せて。」
ミサラは弓に矢を番えて呪文を唱える。
「「スナイプ」」
風を纏った矢が放たれた。
トスッという音と共に一匹のゴブリンが倒れる。
「行くぞ、ジルド!」
「ああ!」
俺達は同時にゴブリンの前に躍り出る。
「先手必勝!」
ジルドは呪文を唱える。
「「ロック・グローブ」!」
瞬間、ジルドの腕に石が集まり、ガントレットが形成される。
「オラ!!」
力の限り拳を叩き込む。
「ギヒィ!?」
ゴブリンは拳を受けて吹き飛んだ。
「俺も負けてられないな・・・。」
俺は剣を鞘から抜き構える。
「ギギ!!」
ゴブリンがナイフを片手に飛びかかって来る。
「ふん!」
飛びかかってきたゴブリンの胴体に一閃する。
「ギ・・・。」
両断されたゴブリンのか細い断末魔を上げて絶命する。
「ギギ!!」
残りのゴブリンは勝てないと見ると逃げようとする。
「させない!「フレア・ウォール」!」
サマラが魔法を唱えるとゴブリンの目の前に炎の壁が形成される。
退路を断たれたゴブリンを俺達はそれぞれの得物で狩るのだった。

「初めての戦闘にしてはまずまずだな。」
俺はゴブリンの舌を採取しながら言う。
「うん!みんなすごかった!私の出番無かったね!」
シニナは嬉しそうに言う。
「強いな、マーク。ゴブリンを一刀両断出来るほどの腕前なんてな。」
「そうでもないさ。魔法が上手く使えない分剣の腕を上げるしかなかったからな・・・。」
そう話しているとミサラがゴブリンによって食い散らかされた動物の死体を処理していた。
「何をしているんですか、ミサラさん?」
「この動物の死体を使って罠を仕掛けようと思って・・・。」
「罠?」
「はい・・・。ゴブリンは匂いに敏感なので動物の死骸を仕掛けることでおびき出すことが出来るんです。そこに罠を仕掛ければ簡単に狩ることが出来ます。」
そう言いながら動物の死体の解体を終える。
「ミサラって狩人だったの?」
「はい。うちは代々狩人の家系でしたので一通りのことが出来ますよ。」
そう言って動物の肉を紐で括る。
「罠を用意しますので皆さんはここで待っていてください。」
「俺も付いて行こう!単独行動は危険だからな!」
そう言ってジルドはミサラについていくのだった。
「今のところ順調だな・・・。」
こうして、初めての戦闘は幕を閉じたのだった。
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