44 / 62
第二章
41話
しおりを挟む
しかし、衝撃はやってこなかった。
目を開けると近くに輝くマリアが居た。
「無事ですか、ショウマ?」
「マリア?コレは一体・・・?」
「ショウマの破魔魔法を増幅させました。ぶっつけ本番でしたが上手くいったみたいです。」
そう言ってマリアは僕の手を取る。
「ショウマ。一緒にあの化け物を倒しましょう。」
「いいのか?」
彼女はメリッサとの戦い以降戦いの場面に出ていない。
増幅魔法を使うのは彼女にとってストレスなのだから・・・。
この数ヶ月の間もそんな彼女の気持ちを汲んでゴブリン討伐に連れて行くことはなかった。
「今でも怖いですよ。この力がいつ暴走するか考えると怖くて・・・怖くて・・・。」
マリアは僕の方を見る。
「でも、ショウマが死んじゃうんじゃないかと考えたら足が勝手に動いていたんです。だから、私も戦います!」
そう言ってマリアは僕の手を取る。
「こんな私ですけど、信じてくれますか?」
「・・・ああ!やろう、マリア!」
「私達もいることを忘れないでね、正真。」
そういうのは美香姉さんだった。
「さて、仕切り直しと行こうか。」
正文兄さんが刀を構える。
「うん・・・!やろう!」
僕たちは正面の化け物を見る。
「ショウマ。」
「うん!」
僕はありったけの魔力を集める。
仄かな銀の光が僕の手の平に浮かぶ。
「これを私の魔法で増幅させて・・・。」
マリアが銀の光を包み込む。
すると、仄かに灯っていただけの銀の光は眩いほどに光り輝く。
「いくよ。」
「うん!」
僕たちは照準を化け物に合わせる。
そして、まばゆく銀の魔力を収束させる。
化け物も自身の魔力を集める。
「『ディスペル・バスター』!」
僕たちは銀の魔力を放つ。
同時に化け物も禍々しい魔力を放った。
銀の光と暗黒の闇がぶつかり拮抗する。
「うああああ!!!」
「あああああ!!!」
僕たちはありったけの魔力を注ぎこむ。
銀の光は強くなり遂に闇を退けた。
そして、銀の魔力は化け物を貫通する。
「おおおお!!!!」
化け物は苦悶の声を上げる。
「行くわよ!合わせて!」
美香姉さんの言葉に合わせて魔力が高まっていくのを感じる。
「「フォルテシュモ」!」
「「雷神走撃」!」
「「グランド・ニードル」!」
「「ウインド・カッター」!」
「「炎斬走」!」
土の針に貫かれ、鋭い風に切られ、炎と雷撃に肉を焦がされた化け物は最後に衝撃波によって粉々にされた。
「勝った・・・。」
「うん・・・。」
そして、僕たちはその場に倒れ込むのだった。
意識を失う前に聞こえてきたのは心配そうに僕達に語り掛けてくる仲間たちの声だった。
目を開けると近くに輝くマリアが居た。
「無事ですか、ショウマ?」
「マリア?コレは一体・・・?」
「ショウマの破魔魔法を増幅させました。ぶっつけ本番でしたが上手くいったみたいです。」
そう言ってマリアは僕の手を取る。
「ショウマ。一緒にあの化け物を倒しましょう。」
「いいのか?」
彼女はメリッサとの戦い以降戦いの場面に出ていない。
増幅魔法を使うのは彼女にとってストレスなのだから・・・。
この数ヶ月の間もそんな彼女の気持ちを汲んでゴブリン討伐に連れて行くことはなかった。
「今でも怖いですよ。この力がいつ暴走するか考えると怖くて・・・怖くて・・・。」
マリアは僕の方を見る。
「でも、ショウマが死んじゃうんじゃないかと考えたら足が勝手に動いていたんです。だから、私も戦います!」
そう言ってマリアは僕の手を取る。
「こんな私ですけど、信じてくれますか?」
「・・・ああ!やろう、マリア!」
「私達もいることを忘れないでね、正真。」
そういうのは美香姉さんだった。
「さて、仕切り直しと行こうか。」
正文兄さんが刀を構える。
「うん・・・!やろう!」
僕たちは正面の化け物を見る。
「ショウマ。」
「うん!」
僕はありったけの魔力を集める。
仄かな銀の光が僕の手の平に浮かぶ。
「これを私の魔法で増幅させて・・・。」
マリアが銀の光を包み込む。
すると、仄かに灯っていただけの銀の光は眩いほどに光り輝く。
「いくよ。」
「うん!」
僕たちは照準を化け物に合わせる。
そして、まばゆく銀の魔力を収束させる。
化け物も自身の魔力を集める。
「『ディスペル・バスター』!」
僕たちは銀の魔力を放つ。
同時に化け物も禍々しい魔力を放った。
銀の光と暗黒の闇がぶつかり拮抗する。
「うああああ!!!」
「あああああ!!!」
僕たちはありったけの魔力を注ぎこむ。
銀の光は強くなり遂に闇を退けた。
そして、銀の魔力は化け物を貫通する。
「おおおお!!!!」
化け物は苦悶の声を上げる。
「行くわよ!合わせて!」
美香姉さんの言葉に合わせて魔力が高まっていくのを感じる。
「「フォルテシュモ」!」
「「雷神走撃」!」
「「グランド・ニードル」!」
「「ウインド・カッター」!」
「「炎斬走」!」
土の針に貫かれ、鋭い風に切られ、炎と雷撃に肉を焦がされた化け物は最後に衝撃波によって粉々にされた。
「勝った・・・。」
「うん・・・。」
そして、僕たちはその場に倒れ込むのだった。
意識を失う前に聞こえてきたのは心配そうに僕達に語り掛けてくる仲間たちの声だった。
0
お気に入りに追加
49
あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――


我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★


絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる