僕はどうやら神様の手違いにより飛ばされたみたいです・・・。

わっしー

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第二章

38話

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「正文!正真!無事!?」
そう言って飛び込んできたのは美香姉さんとソーマさん達だった。
「美香姉さん!ソーマさん達も・・・。」
「遅くなって申し訳ありません、ショウマ様。館に居る見張りなどを掃討していたら遅くなりました。」
「・・・なっ!?」
ソーマさんの言葉にギザラは驚きを隠せない。
「さて、これでお前の戦力はそのゴブリンキング一体だけだが・・・。どうする?」
「くっ・・・!」
「お困りですか、ギザラ様。」
その時、暗闇から一人の男が現れた。
「おお!グロウサー!」
「お前がグロウサーか・・・。」
「まさか、勇者様に名前を覚えてもらえるとは光栄です。」
そう言ってグロウサーは不敵に笑う。
「グロウサー!こいつらをどうにかしろ!成功すれば何でも好きなものをやろう!」
「・・・御意に。」
そう言ってグロウサーはゴブリンキングに近づく。
「さて、主の命令です。死ぬ気で戦いなさい。」
グロウサーは懐から何かを取り出す。
そして、それをゴブリンキングに押し当てる。
「ぐぅおおお!!!」
その瞬間、ゴブリンキングは苦悶の表情を浮かべる。
グロウサーに何かを押し当てられた箇所から蔓が伸びゴブリンキングを包み込む。
「何が起きているんだ・・・?」
「勇者を相手にするにはこれくらいしないといけませんからね。」
蔓に包まれたゴブリンキングから次第に声が聞こえなくなる。
その時、変化に気付く。
「・・・魔力の質が変わった。」
マリアが呟く。
ゴブリンキングを包む魔力が強力になる。
魔力は溢れ出す。
その魔力は禍々しくとても恐ろしい・・・。
「さあ、ゴブリンキング。勇者たちを殺しなさい。」
「ぐおおおお!!!!」
ゴブリンキングは物凄いスピードで正文兄さんに突っ込んでくる。
そして、得物を振り降ろす。
「ぐっ!?」
正文兄さんは咄嗟にゴブリンキングの剣を受け流す。
ガキン!
正文兄さんの刀とゴブリンキングの剣の間から火花が散る。
「ぐっ・・・う・・・!」
ゴブリンキングに正文兄さんは押されている。
「「フォルテ」!」
その時、部屋中の空気が震える。
それが振動波となりゴブリンキングを襲う。
「今だ!」
正文兄さんはゴブリンキングの剣を弾き後方に下がる。
「助かった、美香姉さん。」
「構わないわ・・・。でも、あまり効いていないみたいね。」
美香姉さんの言う通りゴブリンキングは衝撃波を受けても倒れることはなかった。
「ぐうぅ・・・。」
ゴブリンキングは剣を構える。
「正真、お前の魔法で奴の魔力を打ち消すことは出来ないか?」
「やってみる。」
僕はナイフに破魔魔法を纏わせる。
「ショウマ様、私達も援護します。」
ソーマさんとカーラさん、それにアルスもそれぞれの得物を構える。
そんな僕達をゴブリンキングは睨みつけるのだった。
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