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第二章
27話
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洞窟の中をしばらく歩いていると開けたところに辿り着く。
「はあ!」
「ギギ!!」
ゴブリンの喉を掻っ切る。
「ギィ!!」
後ろからゴブリンが飛びかかって来るが・・・。
「させるか。」
アンヤさんがゴブリンの腕を切り落とす。
「ギヒィ!?」
「やあ!」
僕は動きを止めたゴブリンにナイフを突き刺す。
ゴブリンはしばらくジタバタと暴れていたがしばらくすると動かなくなる。
「油断をするな。いくら弱体化をしているからといって奴らは数が多い。」
「すみません・・・。」
「視野を広げろ。一匹だけを見ているな。」
「はい。」
僕はナイフを引き抜く。
「これで、どの位倒したんでしょうか?」
「かなりの数を倒したはずだ。」
この巣に入ってからかなりの数を倒してきたがそれでも際限なく湧いて来る。
「疲れたか?」
「いえ・・・。」
「無理をするな。傷が痛むんだろ?」
そう言ってアンヤさんは僕に一つの瓶を投げ渡す。
「飲んでおけ。」
「これは?」
「ポーションだ。」
ポーションには青と黄色と緑が存在する。
しかし、投げ渡されたのは赤のポーションだった。
「・・・本当にポーションなんですか?」
「もちろんだ。まあ、飲んでみればわかるはずだ。」
「はぁ・・・。」
(ポーションって苦いんだよな・・・。)
効果が大きいほど苦みが凄い。
黄色はコーヒー、青がゴーヤ、緑はカカオ・・・。
それ以上だと感じると気が引ける。
「大丈夫だ、死ぬことはない。」
「・・・わかりました。」
僕はグッと飲む。
「・・・ぐぉ。」
舌に触れない様に飲むがやはりきつかった。
(何これ!?マズイってレベルじゃない!世界の苦みを詰め込んだようなこの何とも言えない味は・・・!?)
吐きそうになるのを耐える。
「ショウマさん、大丈夫ですか?」
そう言ってマーサさんは僕の背中を摩ってくれる。
「・・・だ、だいじょう・・・ぶぅ・・・。」
喋ると苦みが口いっぱいに広がる。
「これで、身体はかなり楽になったはずだ。」
アンヤさんの言葉を聞いて僕は気が付く。
「腕が・・・痛くない?」
驚いたことに肩の痛みが取れていた。
肩の傷を見て見ると傷はふさがっている。
「凄い!ポーションってこんなに効果があったんだ!?」
「まあな。」
「ありがとうございます!これなら全力で戦えます!」
「そうか。なら、その力存分に発揮しろ。」
そう言ってアンヤさんは剣を抜く。
「ようやくボスの到着だ。」
「えっ?」
見るとそこには体長が2メートル程ある大男がいた。
「いや・・・違う。」
その姿は人間とは違っていた。その額には角が生えていた。
光に照らされているのは緑色の肌。
「ぐぅお!!!」
「出てきたようだな、ゴブリンエリート・・・。」
「これが・・・。」
討伐ランクCの魔物。
ゴブリンたちのリーダーであるゴブリンエリート。
目の前にいるその巨体はとてつもない威圧感だ。
「お前は、アイツを頼むぞ。」
「えっ?」
アンヤさんの言葉に驚く。
「ゴブリンエリートはお前に任せる。俺はその周辺の奴を叩く。」
そう言われて僕は気が付く。
ゴブリンエリートの周りにはゴブリンたちが20~30匹いた。
「ゴブリンエリートを倒せ。」
「・・・はい!」
僕はナイフを抜く。
「行くぞ!」
僕はゴブリンエリートに突っ込む。
「ぐぉお!!」
ゴブリンエリートは大剣を振るう。
「うお!」
僕はそれを避ける。
避けた場所には大きなクレーターが出来ていた。
「うわぁ・・・。」
(どんだけ馬鹿力なんだ!?)
一撃でも喰らえば終わりだ。
そう考えると身体が震えていた。
「怯むな!」
「・・・!」
「お前の覚悟はその程度か!怯むな!臆するな!戦え!」
「・・・はい!」
アンヤさんの言葉に僕の震えは止まっていた。そして、ナイフを構えて突撃する。
「はあ!」
僕はすれ違いざまにゴブリンエリートの腕を切り裂く。
「ぐぉ!」
「浅い!」
僕はゴブリンエリートの振るう剣を交わして手に持っていたナイフを戻しもう一本のナイフを取り出す。
「はあ!」
僕はもう一度突撃する。
しかし、僕の前にゴブリンが躍り出る。
そして、僕に飛びかかってきた。
「うわ!?」
「ギギ!」
動けない僕目掛けてゴブリンエリートは大剣を振り下ろす。
「やば・・・。」
次の瞬間、ナイフが僕に取りついているゴブリンに突き刺さる。
力が抜けた瞬間、僕はゴブリンを蹴り飛ばしてその場から離れて。
ゴブリンエリートの大剣はナイフの刺さったゴブリンに振り下ろされ肉塊へと変わる。
「ありがとうございます、アンヤさん!」
「気にするな。俺は俺の獲物を狩っただけだ。」
アンヤさんの周りにはゴブリンたちの亡骸が転がっていた。
「行け、ショウマ!」
「はい!」
僕は走り出す。それに合わせてゴブリンエリートは大剣を振り下ろす。
「ぐっ!」
盾でゴブリンエリートの大剣を受け止める。
「はっ!」
ナイフを投擲する。
そのナイフはゴブリンエリートの頬を翳める。
「・・ぐへへ。」
ゴブリンエリートは僕のあがきに笑う。
しかし、僕も笑う。
「余裕だな、ゴブリン。」
「ぐぉ?」
次の瞬間、ゴブリンエリートは目を見開く。
大剣の圧力が緩む。
「このナイフには毒が塗られているんだ。身体痺れるだろ?」
僕はゴブリンエリートの大剣を弾く。
ゴブリンエリートは後ろに倒れる。
「これは、あの村の人の分だ!」
僕はゴブリンエリートの喉を突き刺す。
「・・・!」
ゴブリンエリートの身体は痙攣し、動かなくなった。
「・・・終わった。」
僕はナイフを引き抜きゴブリンエリートを見下ろした。
「はあ!」
「ギギ!!」
ゴブリンの喉を掻っ切る。
「ギィ!!」
後ろからゴブリンが飛びかかって来るが・・・。
「させるか。」
アンヤさんがゴブリンの腕を切り落とす。
「ギヒィ!?」
「やあ!」
僕は動きを止めたゴブリンにナイフを突き刺す。
ゴブリンはしばらくジタバタと暴れていたがしばらくすると動かなくなる。
「油断をするな。いくら弱体化をしているからといって奴らは数が多い。」
「すみません・・・。」
「視野を広げろ。一匹だけを見ているな。」
「はい。」
僕はナイフを引き抜く。
「これで、どの位倒したんでしょうか?」
「かなりの数を倒したはずだ。」
この巣に入ってからかなりの数を倒してきたがそれでも際限なく湧いて来る。
「疲れたか?」
「いえ・・・。」
「無理をするな。傷が痛むんだろ?」
そう言ってアンヤさんは僕に一つの瓶を投げ渡す。
「飲んでおけ。」
「これは?」
「ポーションだ。」
ポーションには青と黄色と緑が存在する。
しかし、投げ渡されたのは赤のポーションだった。
「・・・本当にポーションなんですか?」
「もちろんだ。まあ、飲んでみればわかるはずだ。」
「はぁ・・・。」
(ポーションって苦いんだよな・・・。)
効果が大きいほど苦みが凄い。
黄色はコーヒー、青がゴーヤ、緑はカカオ・・・。
それ以上だと感じると気が引ける。
「大丈夫だ、死ぬことはない。」
「・・・わかりました。」
僕はグッと飲む。
「・・・ぐぉ。」
舌に触れない様に飲むがやはりきつかった。
(何これ!?マズイってレベルじゃない!世界の苦みを詰め込んだようなこの何とも言えない味は・・・!?)
吐きそうになるのを耐える。
「ショウマさん、大丈夫ですか?」
そう言ってマーサさんは僕の背中を摩ってくれる。
「・・・だ、だいじょう・・・ぶぅ・・・。」
喋ると苦みが口いっぱいに広がる。
「これで、身体はかなり楽になったはずだ。」
アンヤさんの言葉を聞いて僕は気が付く。
「腕が・・・痛くない?」
驚いたことに肩の痛みが取れていた。
肩の傷を見て見ると傷はふさがっている。
「凄い!ポーションってこんなに効果があったんだ!?」
「まあな。」
「ありがとうございます!これなら全力で戦えます!」
「そうか。なら、その力存分に発揮しろ。」
そう言ってアンヤさんは剣を抜く。
「ようやくボスの到着だ。」
「えっ?」
見るとそこには体長が2メートル程ある大男がいた。
「いや・・・違う。」
その姿は人間とは違っていた。その額には角が生えていた。
光に照らされているのは緑色の肌。
「ぐぅお!!!」
「出てきたようだな、ゴブリンエリート・・・。」
「これが・・・。」
討伐ランクCの魔物。
ゴブリンたちのリーダーであるゴブリンエリート。
目の前にいるその巨体はとてつもない威圧感だ。
「お前は、アイツを頼むぞ。」
「えっ?」
アンヤさんの言葉に驚く。
「ゴブリンエリートはお前に任せる。俺はその周辺の奴を叩く。」
そう言われて僕は気が付く。
ゴブリンエリートの周りにはゴブリンたちが20~30匹いた。
「ゴブリンエリートを倒せ。」
「・・・はい!」
僕はナイフを抜く。
「行くぞ!」
僕はゴブリンエリートに突っ込む。
「ぐぉお!!」
ゴブリンエリートは大剣を振るう。
「うお!」
僕はそれを避ける。
避けた場所には大きなクレーターが出来ていた。
「うわぁ・・・。」
(どんだけ馬鹿力なんだ!?)
一撃でも喰らえば終わりだ。
そう考えると身体が震えていた。
「怯むな!」
「・・・!」
「お前の覚悟はその程度か!怯むな!臆するな!戦え!」
「・・・はい!」
アンヤさんの言葉に僕の震えは止まっていた。そして、ナイフを構えて突撃する。
「はあ!」
僕はすれ違いざまにゴブリンエリートの腕を切り裂く。
「ぐぉ!」
「浅い!」
僕はゴブリンエリートの振るう剣を交わして手に持っていたナイフを戻しもう一本のナイフを取り出す。
「はあ!」
僕はもう一度突撃する。
しかし、僕の前にゴブリンが躍り出る。
そして、僕に飛びかかってきた。
「うわ!?」
「ギギ!」
動けない僕目掛けてゴブリンエリートは大剣を振り下ろす。
「やば・・・。」
次の瞬間、ナイフが僕に取りついているゴブリンに突き刺さる。
力が抜けた瞬間、僕はゴブリンを蹴り飛ばしてその場から離れて。
ゴブリンエリートの大剣はナイフの刺さったゴブリンに振り下ろされ肉塊へと変わる。
「ありがとうございます、アンヤさん!」
「気にするな。俺は俺の獲物を狩っただけだ。」
アンヤさんの周りにはゴブリンたちの亡骸が転がっていた。
「行け、ショウマ!」
「はい!」
僕は走り出す。それに合わせてゴブリンエリートは大剣を振り下ろす。
「ぐっ!」
盾でゴブリンエリートの大剣を受け止める。
「はっ!」
ナイフを投擲する。
そのナイフはゴブリンエリートの頬を翳める。
「・・ぐへへ。」
ゴブリンエリートは僕のあがきに笑う。
しかし、僕も笑う。
「余裕だな、ゴブリン。」
「ぐぉ?」
次の瞬間、ゴブリンエリートは目を見開く。
大剣の圧力が緩む。
「このナイフには毒が塗られているんだ。身体痺れるだろ?」
僕はゴブリンエリートの大剣を弾く。
ゴブリンエリートは後ろに倒れる。
「これは、あの村の人の分だ!」
僕はゴブリンエリートの喉を突き刺す。
「・・・!」
ゴブリンエリートの身体は痙攣し、動かなくなった。
「・・・終わった。」
僕はナイフを引き抜きゴブリンエリートを見下ろした。
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