僕はどうやら神様の手違いにより飛ばされたみたいです・・・。

わっしー

文字の大きさ
上 下
12 / 62
第一章

11話

しおりを挟む
それから数日後の朝、僕たちはシニネン王国に到着。
「では、これからのことについての確認です。」
そう言ってソーマさんは僕達に確認した。
まず、僕たちの所持金は20万リル持っている。
このお金は僕がヴァルコイネンから出る際にグラン王からもらったお金だ。
1リル=10円程度の価値があるため日本円にすると200万円という大金だ。
「幸い、俺達にはお金がありますのでしばらくの間は暮らしていけるでしょう。」
そう言ってソーマさんは羊皮紙を出す。
そこには、生活に必要な金額が書かれていた。

一戸建て 約10万リル~15万リル程(登録料なども含む)。
家具 約2万リル程度
食費 1食10リル程度 1日30リル。一ヶ月、一人当たり900リル×6人=5400リル。
消耗品 薬・油・調味料など 約1000リル。

「さて、家については街や村の中で探すのは危険と判断しましたので街や村の郊外の物件を探すとします。」
「僕達が原因だよね?」
「そうだね。特にマリアとシルビアに関してはあまり人前に出ることは避けたいからね・・・。」
「ああ・・・。カーラの言う通りです。そのため、まずは家を探したいと思うのですが・・・。」
「そうだね。家の値段で残りのお金が変わるからね・・・。」
10万~15万リルではかなり違う。
削れるところは削らないと・・・。
ということで、僕たちはシニネン王国の物件を探すことになった。
「事前にマードック様から教えてもらった店なので信用はあると思います。」
その店はシニネン王国の街の一等地に建った立派な店だった。
「この店には様々な物件が揃っているということです。」
「へぇ・・・。」
その店の名前は「シニネン不動産」という。
「それでは入りましょう。」
僕達は店に入る。
「いらっしゃいませ!」
出迎えてくれたのは、身なりの良い男性だった。
「ヴァルコイネン王国宮廷魔導師マードック様の紹介で来ました、ソーマ・ソルダンと言います。」
「はい、お待ちしておりましたソーマ様!」
身なりの良い男性がソーマさんに笑いかける。
「わたくし、シニネン不動産の営業担当のキサラと申します。よろしくお願いします。」
そう言ってキサラさんは僕達にソファを進める。
「しかし、聞いていた人数よりも多いような気がするのですが・・・?」
「ああ・・・。途中で増えてしまって・・・。大丈夫でしょうか?」
「はい!お任せ下さい。・・・少々お待ちください。」
そう言ってキサラさんは奥に引っ込む。
しばらくすると、キサラさんは1枚の羊皮紙を持ってくる。
「事前に聞いていた予定額を鑑みて、かつこの人数を収容出来る家となりますとココだけになりますね・・・。」
そう言って持ってきた羊皮紙を見ると・・・。

部屋は6部屋。
20畳のダイニングキッチンがあり、馬小屋もある。
家具付。

「値段は10万リルですか・・・?」
これだけ大きな家なら日本とかで買ったら3000万~1億以上は飛ぶはず・・・。
10万リルとなると日本円で100万程度ということだ。
「あの・・・。いくら何でも安すぎませんか?」
ソーマさんもこの価格を見て疑問に思っているようだ。
「・・・まあ、少し築年数が経っており家主もすぐにでも手放したいというのです。」
キサラさんは少し言葉を濁す。
「・・・とりあえず、家を見てみようよ!」
「そうですね・・・。とりあえず、見ましょうか?」
僕もカーラさんに同意した。

街を出て馬車で3時間ほどの所にそれはあった。
「ここが・・・?」
僕達はその家を見て言葉を失くす。
外観は大きな洋館なのだが何というか全体的に暗い。
もう、見るからにどんよりとした空気が漂ってくる。
「これは、何というか・・・。」
「・・・主様、ここ嫌。」
シルビアが怯えている。
「とりあえず、中を見て見ましょうよ!」
カーラさんの言葉にキーラさんを先頭に洋館に入って行く。
「・・・。」
中は比較的綺麗だが、床はギシギシとなり家具や天井の隅にはホコリや蜘蛛の巣が張っている。
「掃除は必要ですが大変お買い得な物件となっております。」
キサラさんはそう言う。
確かに中の様子を見る限り家具などは掃除をすれば大丈夫そうだ・・・。
しかし・・・。
「・・・。」
シルビアは家に入ってから僕にしがみついていた。
顔は恐怖でゆがみ青白くなっている。
「シルビア、大丈夫?」
「主様、ここ早く出よう!早く出ないと、大変なことに・・・!」
その時、バタン!と大きな音が家中に響き渡った。
「・・・なに?」
カーラさんとソーマさん、アルスは剣を抜き構える。
「わたくしが見に行ってきます。」
そう言ってキサラさんが音のした方に走って行った。
しばらくの静寂ののち・・・。
「ぎゃあ!!!!!」
キサラさんの悲鳴が響き渡る。
「行こう!」
僕は盾を構えながら走る。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

お爺様の贈り物

豆狸
ファンタジー
お爺様、素晴らしい贈り物を本当にありがとうございました。

我が家に子犬がやって来た!

もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。 アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。 だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。 この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。 ※全102話で完結済。 ★『小説家になろう』でも読めます★

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

絶対に間違えないから

mahiro
恋愛
あれは事故だった。 けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。 だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。 何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。 どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。 私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

王が気づいたのはあれから十年後

基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。 妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。 仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。 側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。 王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。 王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。 新たな国王の誕生だった。

処理中です...