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50話 それぞれの魔法 ダグラス・マリア編
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その横で、マリアが弓を見ていた。
「マリアも新しい武器を?」
「はい!だけど、私の場合は姉さまやアルス兄様のような芸当は出来ないのでミスリル製にする必要はないのですけどね・・・。」
マリアの魔法は増幅魔法。
どちらかというと、皆を強化するのが主だ。
「私の場合は弓の強度がしっかりしていれば問題はありませんので弦の張りや重さなどを確認しているんです。」
そう言ってマリアは弓を持ちあげて重さを確認してから弓を引いては戻すを繰り返す。
それを何度かした後、一つの弓を見て頷く。
「これにします。私の力量だと、これが一番しっくりきますから・・・。」
そう言って選ばれたのはシンプルな弓だった。
「お客さん!お目が高い!この弓はオーク材を使用した弓でっせ!絃は「ジャイアント・スパイダー」の蜘蛛の糸を使っておりますので絃が緩みにくい特徴もあります!」
ジャイアント・スパイダーは討伐ランクDの魔物だ。
その糸は弾力性と強い強度を有しており建材などにも使用されることがある。
「矢はこちらに各種揃えています!」
そう言ってさまざまな矢が並んでいる。
「一番安価なのは杉で出来た矢で、一番効果なのはこの精霊加護を受けた樹の枝で作られた矢です。」
「ちなみに精霊の矢はいくらくらいするんですか?」
「1本、5000リルでっせ!」
「5000!?それはいくら何でも高くないですか?」
「いやいや、お客さん!これでもかなり良心的でっせ?」
精霊の加護を受けた樹の枝が取れるのはエルフの国ビヘレア王国の精霊の森のみだそうだ。
取れる数も限られておりほとんどはビヘレアの王国騎士団に献上されてしまうそうだ。
「この矢を手に入れるのもかなり大変でしたぜ!競売場での競りで何とか手に入りやしたけどそれはもう大変で大変で・・・。」
店主はその当時のことを思い出したように遠い目をしていた。
意外にこの店主はやり手なのかもしれない。
「では、一番安価な矢を頂きます。」
「ありがとうございやす!」
マリアも買うものが決まったようだ。
「ダグラスさんはどんなものを探しているんですか?」
僕はダグラスさんに声を掛ける。
「私は大きさを重視しています。」
「大きさですか?」
「はい。私は体格に恵まれていますので大剣か戦斧を選ぼうかと思います。」
そう言ってダグラスさんは約2m近い剣を片手で持ち上げて調子を確かめる。
「・・・店主。この店で一番重い剣か斧はどれだろうか?」
「でしたら、これなんか如何でしょうか?」
そう言って店主が指さしたのは全長が3m近い大剣だった。
「この大剣は重さが70㎏近くあって並みの人間なら持ち上げることすらできやしません!これを作った鍛冶師も何を考えていたんだか・・・。」
「ふむ・・・。」
そう言ってダグラスさんはその大剣に手を掛ける。
そして、持ち上げた。
「確かに少し重いな・・・。この剣の材質を聞いても?」
「材質は鉄が7割、ミスリルが3割使われとります。」
「なるほどな・・・。」
ダグラスさんはそう言うと全身から魔力を流す。
色は緑色。
瞬間、ダグラスさんの周囲に風が巻き起こる。
「ふん!」
ダグラスさんは軽く一振りすると風圧が発生した。
「私の魔法を使えば丁度良いですね・・・。店主、これはいくらくらいですか?」
「お買い上げで!?」
「ああ・・・。私はこれが良い。」
「なら、かなりお勉強させていただきやす!これで、いかがでしょう?」
そう言って店主はダグラスさんと話し始める。
ダグラスさんもいろいろと交渉をしている。
そして、数分後。
「旦那には負けましたぜ!これで手を打ちやそう!」
「ええ。よろしくお願いします。」
どうやら、話はまとまったようだ。
「マリアも新しい武器を?」
「はい!だけど、私の場合は姉さまやアルス兄様のような芸当は出来ないのでミスリル製にする必要はないのですけどね・・・。」
マリアの魔法は増幅魔法。
どちらかというと、皆を強化するのが主だ。
「私の場合は弓の強度がしっかりしていれば問題はありませんので弦の張りや重さなどを確認しているんです。」
そう言ってマリアは弓を持ちあげて重さを確認してから弓を引いては戻すを繰り返す。
それを何度かした後、一つの弓を見て頷く。
「これにします。私の力量だと、これが一番しっくりきますから・・・。」
そう言って選ばれたのはシンプルな弓だった。
「お客さん!お目が高い!この弓はオーク材を使用した弓でっせ!絃は「ジャイアント・スパイダー」の蜘蛛の糸を使っておりますので絃が緩みにくい特徴もあります!」
ジャイアント・スパイダーは討伐ランクDの魔物だ。
その糸は弾力性と強い強度を有しており建材などにも使用されることがある。
「矢はこちらに各種揃えています!」
そう言ってさまざまな矢が並んでいる。
「一番安価なのは杉で出来た矢で、一番効果なのはこの精霊加護を受けた樹の枝で作られた矢です。」
「ちなみに精霊の矢はいくらくらいするんですか?」
「1本、5000リルでっせ!」
「5000!?それはいくら何でも高くないですか?」
「いやいや、お客さん!これでもかなり良心的でっせ?」
精霊の加護を受けた樹の枝が取れるのはエルフの国ビヘレア王国の精霊の森のみだそうだ。
取れる数も限られておりほとんどはビヘレアの王国騎士団に献上されてしまうそうだ。
「この矢を手に入れるのもかなり大変でしたぜ!競売場での競りで何とか手に入りやしたけどそれはもう大変で大変で・・・。」
店主はその当時のことを思い出したように遠い目をしていた。
意外にこの店主はやり手なのかもしれない。
「では、一番安価な矢を頂きます。」
「ありがとうございやす!」
マリアも買うものが決まったようだ。
「ダグラスさんはどんなものを探しているんですか?」
僕はダグラスさんに声を掛ける。
「私は大きさを重視しています。」
「大きさですか?」
「はい。私は体格に恵まれていますので大剣か戦斧を選ぼうかと思います。」
そう言ってダグラスさんは約2m近い剣を片手で持ち上げて調子を確かめる。
「・・・店主。この店で一番重い剣か斧はどれだろうか?」
「でしたら、これなんか如何でしょうか?」
そう言って店主が指さしたのは全長が3m近い大剣だった。
「この大剣は重さが70㎏近くあって並みの人間なら持ち上げることすらできやしません!これを作った鍛冶師も何を考えていたんだか・・・。」
「ふむ・・・。」
そう言ってダグラスさんはその大剣に手を掛ける。
そして、持ち上げた。
「確かに少し重いな・・・。この剣の材質を聞いても?」
「材質は鉄が7割、ミスリルが3割使われとります。」
「なるほどな・・・。」
ダグラスさんはそう言うと全身から魔力を流す。
色は緑色。
瞬間、ダグラスさんの周囲に風が巻き起こる。
「ふん!」
ダグラスさんは軽く一振りすると風圧が発生した。
「私の魔法を使えば丁度良いですね・・・。店主、これはいくらくらいですか?」
「お買い上げで!?」
「ああ・・・。私はこれが良い。」
「なら、かなりお勉強させていただきやす!これで、いかがでしょう?」
そう言って店主はダグラスさんと話し始める。
ダグラスさんもいろいろと交渉をしている。
そして、数分後。
「旦那には負けましたぜ!これで手を打ちやそう!」
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どうやら、話はまとまったようだ。
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