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47話 少しは強く・・・。
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風の精霊達は3体とも僕に突っ込んでくる。
それを横に転がって避けるが、その先にシルビアが待ち構えていた。
「はぁ!」
シルビアの拳が僕に迫ってきたので盾で受け止めた。
「くっ!?」
シルビアの一撃は重くて受け止めた盾の上から強い衝撃を受けた。
シルビアの一撃を受け止めた方の腕には鈍い痛みを感じた。
(受け止めるのはマズイ・・・。)
受け止めたところでダメージは受ける。
なら、受け止めるのではなく受け流す!
シルビアのもう攻撃が迫ったので僕はシルビアの拳を受け流すが・・・。
「甘い!」
しかし、次はシルビアの蹴りが迫ってきた。
それをもう片方の盾で受け止めるが受け止めきれずに体勢を大きく崩す。
「はっ!」
体勢を崩したところにもう一発蹴りが迫り見事に腹に突き刺さる。
「ぐふっ・・・!?」
僕は、くの字に身体を曲げてその場に倒れる。
「そこまで!」
リーサンさんの声が響く。
「大丈夫、ショウマ?」
シルビアが僕に駆け寄る。そして、僕の腹を撫でてくれた。
「・・・うん。」
僕はシルビアにお腹を撫でてもらいながらその場に座っていた。
「シルビアの一撃は強いね・・・。盾で受けたのに全然衝撃を受け止めきれなかったよ。」
「でも、二発目は受け流そうとしたのは偉いわ。ちゃんと考えて戦っていることが分かった。」
シルビアは腹を撫でながら褒めてくれる。
「でも、まだまだ甘いです。」
リーサンさんが冷たく言う。
「ショウマはシルビアにばかり意識を集中させていた。あの時点では周りをよく見ていなかったのはマイナス点よ。敵はシルビアだけではなく、私の精霊も居たのだから・・・。」
「そうですね・・・。」
「貴方には多人数を相手にしても倒れないように動けるようになってもらいたいの。そのためには練習あるのみ。」
リーサンさんは僕を見る。
「さて、もう少し頑張りましょう。」
こうして、二日目の特訓も僕の体力が尽きるまで行われるのだった。
それから、2週間が経過して・・・。
「はあ!」
「やあ!」
シルビアの拳を盾で弾き、破魔魔法を纏わせた拳を叩き込む。
隙が出来た僕の背中に精霊が迫るが僕はシルビアの股の間をくぐってシルビアを盾にする。
そして、シルビアを後ろから突き飛ばし、精霊たちにぶつける。
「・・・!」
精霊たちはシルビアを避けるように散る。
その隙に僕はリーサンさんに向かって走る。
「「ウインド・カーテン」!」
リーサンさんの前に風のカーテンが展開されて僕の拳を受け止める。
拳は弾かれてしまったが、僕は足に魔力を集めて風のカーテンを蹴る。
すると、カーテンは霧散する。
同時に破魔魔法が宿った魔力も消失したが、気にせずに今度は拳に破魔魔法を纏わりつかせる。
「これで!」
拳はリーサンさんの腹部に命中する。
「・・・見事です。」
リーサンさんは特に痛がる様子も見せずに僕に言う。
「ありがとうございます!」
僕はというと、結構身体はボロボロだ。
「この2週間で良い動きになりました。これなら昇格試験に参加しても他のメンバーに迷惑は掛からないでしょう。」
「はい・・・!」
ここまで来るのにどれだけ地面に倒れたかはわからないが何とか合格点はもらえたようだ。
「では、私はこれで失礼します。」
「リーサンさん!ありがとうございました。」
「これも私の仕事ですから気にしないでください。では・・・。」
リーサンさんは訓練場を後にした。
「しかし、ショウマは強くなったわね。前とは比べ物にならないわ。」
「シルビアやリーサンさんのお陰だよ。」
強くなったといっても村人に毛が生えたくらいの強さから駆け出しの冒険者に毛が生えた程度の強さだが・・・。
「さて、今日は早く帰るとしよう。もしかしたら、皆がいるかもしれないし・・・。」
「そうね。」
最近は訓練から帰って寝る生活ばかりしていたのでみんなとあまり話していない。
僕達は急いで自分たちが泊まっている宿に急ぐのだった。
それを横に転がって避けるが、その先にシルビアが待ち構えていた。
「はぁ!」
シルビアの拳が僕に迫ってきたので盾で受け止めた。
「くっ!?」
シルビアの一撃は重くて受け止めた盾の上から強い衝撃を受けた。
シルビアの一撃を受け止めた方の腕には鈍い痛みを感じた。
(受け止めるのはマズイ・・・。)
受け止めたところでダメージは受ける。
なら、受け止めるのではなく受け流す!
シルビアのもう攻撃が迫ったので僕はシルビアの拳を受け流すが・・・。
「甘い!」
しかし、次はシルビアの蹴りが迫ってきた。
それをもう片方の盾で受け止めるが受け止めきれずに体勢を大きく崩す。
「はっ!」
体勢を崩したところにもう一発蹴りが迫り見事に腹に突き刺さる。
「ぐふっ・・・!?」
僕は、くの字に身体を曲げてその場に倒れる。
「そこまで!」
リーサンさんの声が響く。
「大丈夫、ショウマ?」
シルビアが僕に駆け寄る。そして、僕の腹を撫でてくれた。
「・・・うん。」
僕はシルビアにお腹を撫でてもらいながらその場に座っていた。
「シルビアの一撃は強いね・・・。盾で受けたのに全然衝撃を受け止めきれなかったよ。」
「でも、二発目は受け流そうとしたのは偉いわ。ちゃんと考えて戦っていることが分かった。」
シルビアは腹を撫でながら褒めてくれる。
「でも、まだまだ甘いです。」
リーサンさんが冷たく言う。
「ショウマはシルビアにばかり意識を集中させていた。あの時点では周りをよく見ていなかったのはマイナス点よ。敵はシルビアだけではなく、私の精霊も居たのだから・・・。」
「そうですね・・・。」
「貴方には多人数を相手にしても倒れないように動けるようになってもらいたいの。そのためには練習あるのみ。」
リーサンさんは僕を見る。
「さて、もう少し頑張りましょう。」
こうして、二日目の特訓も僕の体力が尽きるまで行われるのだった。
それから、2週間が経過して・・・。
「はあ!」
「やあ!」
シルビアの拳を盾で弾き、破魔魔法を纏わせた拳を叩き込む。
隙が出来た僕の背中に精霊が迫るが僕はシルビアの股の間をくぐってシルビアを盾にする。
そして、シルビアを後ろから突き飛ばし、精霊たちにぶつける。
「・・・!」
精霊たちはシルビアを避けるように散る。
その隙に僕はリーサンさんに向かって走る。
「「ウインド・カーテン」!」
リーサンさんの前に風のカーテンが展開されて僕の拳を受け止める。
拳は弾かれてしまったが、僕は足に魔力を集めて風のカーテンを蹴る。
すると、カーテンは霧散する。
同時に破魔魔法が宿った魔力も消失したが、気にせずに今度は拳に破魔魔法を纏わりつかせる。
「これで!」
拳はリーサンさんの腹部に命中する。
「・・・見事です。」
リーサンさんは特に痛がる様子も見せずに僕に言う。
「ありがとうございます!」
僕はというと、結構身体はボロボロだ。
「この2週間で良い動きになりました。これなら昇格試験に参加しても他のメンバーに迷惑は掛からないでしょう。」
「はい・・・!」
ここまで来るのにどれだけ地面に倒れたかはわからないが何とか合格点はもらえたようだ。
「では、私はこれで失礼します。」
「リーサンさん!ありがとうございました。」
「これも私の仕事ですから気にしないでください。では・・・。」
リーサンさんは訓練場を後にした。
「しかし、ショウマは強くなったわね。前とは比べ物にならないわ。」
「シルビアやリーサンさんのお陰だよ。」
強くなったといっても村人に毛が生えたくらいの強さから駆け出しの冒険者に毛が生えた程度の強さだが・・・。
「さて、今日は早く帰るとしよう。もしかしたら、皆がいるかもしれないし・・・。」
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僕達は急いで自分たちが泊まっている宿に急ぐのだった。
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