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38話 魔王を打倒する方法
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僕達は一旦、街に戻ることにした。
試験は無事合格し、スーダンさん達と別れた後宿屋に戻る。
「で、私たちに何をして欲しいのでしょう?」
「貴方たちには魔王を討伐してほしいの。」
ジーラさんの言葉に僕たちは息を呑む。
「・・・どうして、僕たちなのですか?魔王討伐なら勇者が行けばよいと思うのですが・・・?」
「勇者では魔王を討伐出来ないわ。」
ジーラさんが断言する。
「どういうことでしょうか?もしかして、勇者の力を疑っているのなら彼らは十分強いですよ?私たちにお願いするよりも確実ではないでしょうか?」
「そうですね・・・確かに今回召喚された勇者は強いですね。だけど、魔王には銀魔法があります。」
「えっ!?」
僕達はジーラさんの言葉に声が出る。
「順を追って説明します。」
約100年前に魔王が出現した日、当時の人間たちは指折りの戦士や魔法使いを魔王討伐のために派遣した。
しかし、魔王と対面した際に全ての戦士と魔法使いが魔法を行使することが出来なくなり惨殺された。
運よく逃げ帰った何人かの戦士たちは魔王から銀の魔力が流れていたという報告がもたらされたそうだ。
「つまり、魔王は僕達と同じように魔法を無効化することが出来るということですか?」
「そういうことね・・・。あと、増幅の魔法も発動しており魔王は魔法が無効化されている中でも絶大な強さを発揮したと推測されるわね・・・。」
「そんなの倒せるわけないじゃないですか・・・。」
「いえ、方法はあります。」
ジーラさんが説明してくれる。
「ショウマの破魔魔法で銀魔法を相殺するのです。破魔魔法と銀魔法の魔法無効化能力をぶつけ合うことでそこには銀魔法の効果が及ばない空間が出来ます。そうなれば、魔法も使用することが出来るでしょう・・・。」
「なるほど・・・。」
言わんとすることはなんとなくわかった。
要は破魔と破魔をぶつけて無効化するということだ。
「ただ、その間はショウマには破魔魔法を発動し続けてもらわないといけないのですが・・・。」
「・・・そうなると難しいですね。」
破魔魔法の魔力消費量は膨大だ。
魔王の破魔魔法の強さがどれほどのものかわからないが長い時間は相殺できないだろう・・・。
「・・・少し、失礼。」
そう言ってジーラさんが僕の額に自分の額をくっつける。
「ジーラさん!?ショウマ様に何を・・・!?」
マリアさんの驚きの声が聞こえる。しかし、ジーラさんはそんなことにかまわず目を瞑り僕の額に自分の額をくっつけたままだ。
しばらくすると、ジーラさんが額を離す。
「・・・なんてことなの。」
その顔には落胆の表情が浮かぶ。
「ジーラさん?」
「・・・ショウマ。さっき、私は貴方の将来的な魔力保有量を見たの。それで、分かったことなのだけど、貴方の魔力保有量は破魔魔法使いにしては少ないわ。」
「・・・それってかなりヤバくないか?だって、ショウマの破魔魔法が発動してないと銀魔法を封殺することが出来ないんだろう?」
「ええ・・・。ショウマが今から修行しても破魔魔法を発動できる時間は全力で発動すれば10分で魔力が底をつくわね。」
ジーラさんはため息交じりに答える。
「・・・こうなるとどうこうする戦力が協力でないと勝てないわ。それも、勇者レベルの連中じゃないと・・・。」
「勇者か・・・。」
アルスがため息を吐く。
今、僕たちは勇者である兄さん達と袂を別けている状態だ。
正直、兄さん達が協力してくれるかどうか・・・。
「どうすれば、良いのだろう・・・。」
僕は頭を抱えるのだった。
試験は無事合格し、スーダンさん達と別れた後宿屋に戻る。
「で、私たちに何をして欲しいのでしょう?」
「貴方たちには魔王を討伐してほしいの。」
ジーラさんの言葉に僕たちは息を呑む。
「・・・どうして、僕たちなのですか?魔王討伐なら勇者が行けばよいと思うのですが・・・?」
「勇者では魔王を討伐出来ないわ。」
ジーラさんが断言する。
「どういうことでしょうか?もしかして、勇者の力を疑っているのなら彼らは十分強いですよ?私たちにお願いするよりも確実ではないでしょうか?」
「そうですね・・・確かに今回召喚された勇者は強いですね。だけど、魔王には銀魔法があります。」
「えっ!?」
僕達はジーラさんの言葉に声が出る。
「順を追って説明します。」
約100年前に魔王が出現した日、当時の人間たちは指折りの戦士や魔法使いを魔王討伐のために派遣した。
しかし、魔王と対面した際に全ての戦士と魔法使いが魔法を行使することが出来なくなり惨殺された。
運よく逃げ帰った何人かの戦士たちは魔王から銀の魔力が流れていたという報告がもたらされたそうだ。
「つまり、魔王は僕達と同じように魔法を無効化することが出来るということですか?」
「そういうことね・・・。あと、増幅の魔法も発動しており魔王は魔法が無効化されている中でも絶大な強さを発揮したと推測されるわね・・・。」
「そんなの倒せるわけないじゃないですか・・・。」
「いえ、方法はあります。」
ジーラさんが説明してくれる。
「ショウマの破魔魔法で銀魔法を相殺するのです。破魔魔法と銀魔法の魔法無効化能力をぶつけ合うことでそこには銀魔法の効果が及ばない空間が出来ます。そうなれば、魔法も使用することが出来るでしょう・・・。」
「なるほど・・・。」
言わんとすることはなんとなくわかった。
要は破魔と破魔をぶつけて無効化するということだ。
「ただ、その間はショウマには破魔魔法を発動し続けてもらわないといけないのですが・・・。」
「・・・そうなると難しいですね。」
破魔魔法の魔力消費量は膨大だ。
魔王の破魔魔法の強さがどれほどのものかわからないが長い時間は相殺できないだろう・・・。
「・・・少し、失礼。」
そう言ってジーラさんが僕の額に自分の額をくっつける。
「ジーラさん!?ショウマ様に何を・・・!?」
マリアさんの驚きの声が聞こえる。しかし、ジーラさんはそんなことにかまわず目を瞑り僕の額に自分の額をくっつけたままだ。
しばらくすると、ジーラさんが額を離す。
「・・・なんてことなの。」
その顔には落胆の表情が浮かぶ。
「ジーラさん?」
「・・・ショウマ。さっき、私は貴方の将来的な魔力保有量を見たの。それで、分かったことなのだけど、貴方の魔力保有量は破魔魔法使いにしては少ないわ。」
「・・・それってかなりヤバくないか?だって、ショウマの破魔魔法が発動してないと銀魔法を封殺することが出来ないんだろう?」
「ええ・・・。ショウマが今から修行しても破魔魔法を発動できる時間は全力で発動すれば10分で魔力が底をつくわね。」
ジーラさんはため息交じりに答える。
「・・・こうなるとどうこうする戦力が協力でないと勝てないわ。それも、勇者レベルの連中じゃないと・・・。」
「勇者か・・・。」
アルスがため息を吐く。
今、僕たちは勇者である兄さん達と袂を別けている状態だ。
正直、兄さん達が協力してくれるかどうか・・・。
「どうすれば、良いのだろう・・・。」
僕は頭を抱えるのだった。
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