上 下
7 / 14

第5話 ハッシュドビーフ

しおりを挟む
香水の甘い香りが漂う。
ピンクシュガー、これが無いと眠れなくなった。
今日も一段と寒いな。布団から出れない。もぞもぞと這い出る。
寒いんだよな…暖房つけないと。
暗い部屋リモコンを探す。
リモートコントローラーってやつな。フルで言うことはまず無いな。
夕食ですよー! 
小鳥遊が急かす。今晩はなんだろう。
香りからするとカレーかな、ビーフシチューかな。

ハッシュドビーフでした。

オレンジの色に染まる景色を眺めて。変えれない運命なんてないと思った。
今日は風が強い、それは甘い夢の続きで。
冬の始まりに、僕はため息をつく。それは美しい、新しい僕らの始まり。
眠い目をこすりながら、僕は思う。
僕らいつまで微温湯に浸かってられるんだろう。
いずれ結婚をし、子を授かる。

そんな当たり前な事が凄く不思議に思えた。浅い夢のように。
僕は浅はかだ。ドがつくほどにさ。

もうすぐ春の歌が流て
冬の涙はそっと消えて
寂しい気持ちが消えていく
手に取った幸、明日には分かるだろう

ただ君を見失いように
始まりに終わりがあると知りながらも。
涙も連れて行ってよ。
今しかない冬だと知ってるさ。
冬がすべて ふわり風が彼方。
つまらないエピローグなんていらない。僕はただ流されていたいだけ。

ひとつひとつ失わないよう。

綺麗な恋に乗せて。
愛してるって伝えたくて。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

夜の公園、誰かが喘いでる

ヘロディア
恋愛
塾の居残りに引っかかった主人公。 しかし、帰り道に近道をしたところ、夜の公園から喘ぎ声が聞こえてきて…

壁の薄いアパートで、隣の部屋から喘ぎ声がする

サドラ
恋愛
最近付き合い始めた彼女とアパートにいる主人公。しかし、隣の部屋からの喘ぎ声が壁が薄いせいで聞こえてくる。そのせいで欲情が刺激された両者はー

結構な性欲で

ヘロディア
恋愛
美人の二十代の人妻である会社の先輩の一晩を独占することになった主人公。 執拗に責めまくるのであった。 彼女の喘ぎ声は官能的で…

彼氏の前でどんどんスカートがめくれていく

ヘロディア
恋愛
初めて彼氏をデートに誘った主人公。衣装もバッチリ、メイクもバッチリとしたところだったが、彼女を屈辱的な出来事が襲うー

初めてなら、本気で喘がせてあげる

ヘロディア
恋愛
美しい彼女の初めてを奪うことになった主人公。 初めての体験に喘いでいく彼女をみて興奮が抑えられず…

【完結】捨ててください

仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
ずっと貴方の側にいた。 でも、あの人と再会してから貴方は私ではなく、あの人を見つめるようになった。 分かっている。 貴方は私の事を愛していない。 私は貴方の側にいるだけで良かったのに。 貴方が、あの人の側へ行きたいと悩んでいる事が私に伝わってくる。 もういいの。 ありがとう貴方。 もう私の事は、、、 捨ててください。 続編投稿しました。 初回完結6月25日 第2回目完結7月18日

処理中です...