上 下
92 / 270

92話 冬矢の決断

しおりを挟む
 ――十一月中旬。

 もうすぐ俺の誕生日だ。

 ギターの練習を毎日のようにしていて、ある意味充実していた。
 今はルーシーに会えなくても、ギターを手にしたことでそれが彼女のためにしてあげられることの一つではないかと思いながら過ごした。

 そんな土曜日の昼間。
 俺に一通のメッセージが届いた。

『前と同じ病院の五〇五号室』

 このメッセージだけで意味がわかってしまった。

 俺はすぐに出かける準備をして家を飛び出した。

 病院に到着すると、受付で面会の手続きをして言われた通りの病室へ向かった。



 …………



 病室の大きめの扉をスライドさせると、その人物の元へと足を進めた。

「――冬矢……」

 そこには左足を包帯で巻いてベッドに寝ていた冬矢がいた。

「よお、光流。来てくれてありがとな」

 気軽に話しかけてくる冬矢。
 しかし、さすがの俺でもわかった。以前とは違う、少し憔悴したような顔。
 食べ物を食べていないからとか疲れとかではない、精神的なものでそうなっていると感じられた。

「左膝前十字靭帯断裂。前とおんなじだな」
「まじかよ……」

 俺は冬矢のベッドの横にあった小さな椅子に腰掛けた。
 やれやれという様子の冬矢だが、俺は心配で気が気ではなかった。

「せっかく復帰したのにまたやっちまったよ」
「そうか……」

 正直なんて声をかけていいかわからなかった。
 『大丈夫?』なんて大丈夫なわけないし『次いつ復帰できるの?』なんてことも今聞くべきではないと思った。

「実はさ俺、一度目の怪我で復帰したあと、満足に動けなかったんだよな」
「……そうなの?」

 ということは、もしかしたらベンチにも入らず試合にすら出れていなかった可能性もある。
 最近は冬矢からはサッカーについての話は全く聞いていなかったからわからなかった。
 正直しずはのことで俺はいっぱいいっぱいだったので、他に目を向けていられなかったということもある。

「あぁ。上手く走れなかったり、前はできた細かい動きも鈍くてな」
「…………」

 これ、苦しいだろうな。海外の国とも試合経験がある冬矢だ。
 ジュニアユースでもトップまで上り詰めて、プロも少しは期待できたはずなのに。

「復帰が早すぎたのかもしれないな」

 冬矢は確かちょうど怪我から六ヶ月経過して復帰したはず。
 この怪我は最大で全治十ヶ月とも言われていると後にわかった。
 これを考えると、確かに冬矢の言う通り早すぎた可能性もある。

「そんで二回目のこれだ。一度怪我すれば再発しやすい怪我だからな」

 プロ選手でもなる怪我。そして繰り返す怪我でもあると聞いていた。
 そして、一度目の怪我でお見舞いに言った時、冬矢が言ったのは――、

「潮時かもしれない……」
「――――っ!」

 あの時、冬矢はそんなことも言っていた。
 初詣の日もサッカーが全てじゃないとか、辞める時が来るかもしれないとも言っていた。

 でも、それでも。

「――今なのかよっ!」
「光流?」

 俺は握り拳を作ってそれを震わせる。

「もう辞めちゃうのかよっ!」
「お前、ここ病室だぞっ」

 病院では静かに。これは当たり前だ。
 でも、なかなか止められるものではなかった。

「もうちょっと……だめなのかよっ!?」
「はは。そう言ってくれるのはお前だけだよ」

 半笑いで答える冬矢。
 どういうことだろうか。

「母さんも父さんも俺の姿を見て、もう無理させたくないって思ってる」
「それは……親の気持ち考えればそうかも知れないけど!」

 親に言われたからって、引き下がるやつなのかよ。
 俺が知ってるお前はそんなやつじゃないだろ。

 明るくて陽気で、うざいほど人当たりが良くて友達が多い。
 でも、裏ではサッカーをめちゃめちゃ頑張ってる。
 そんなやつが簡単に諦められるかよ。

「お前の気持ちはどうなんだよ!」
「――したいさっ!! 当たり前だろ!? ……でもなっ! 動かねぇんだよ!!」
「クッ……」

 否定できない要素が出てきてしまった。
 昔と今では……。

「前まで羽みたいに動いてた足が全然動かねぇんだよ!」

 冬矢も静かにしろと言ってたくせに、声を張り上げていた。

「自分のことをメッシじゃねえかとか思ってた時もあったよ!」

 息を切らしながら右手の拳でベッドを叩きつけて俺に伝えてくる。

「……まぁ、結局はそんなわけもなかったってことだ」
「冬矢……」

 力なく、うなだれる冬矢。
 こんな顔の冬矢を見たのは初めてかもしれない。
 やっぱり、それだけサッカー好きだったんじゃないか。


「――よう、坊主達。青春しとるなぁ」

 すると突然冬矢の向かいのベッドのカーテンが開いた。

「はぁ? なんだよじいさん」

 冬矢が答える。

「まずは大きな声を出してごめんなさいってのを聞きたいところじゃが……まぁいい」

 声をかけてきたのは、冬矢の真向かいのベッドで横になっていたおじいさんだった。
 ここは外科の患者がいるベッドだと思われる。恐らくはおじいさんも骨折とかで入院しているのだろう。

「わしも大学までは本気でプロを目指してサッカーをしてたことがある」
「……だからなんだよ」

 今の冬矢はちょっと殺気立っていた。
 だからか、おじいさんに対しても少しぶっきらぼうになっていた。
 しかし、おじいさんは怒ることなく、大人な対応で話を続ける。

「肉離れ、骨折、半月板損傷、靱帯損傷。数え切れないほど怪我を繰り返してきた」

 老齢の人は昔話をするのが好きだと言うが、この人もそうなのだろうか。

「とにかく体が弱かった。でもワシはサッカーが好きでな。何度怪我をしてもサッカーはやめなかった」
「…………」

 冬矢もおじいさんを睨みつけながらも話を聞いていた。

「だからサッカーが好きならやめる必要はない。……もし上に行くことだけが君のやりたいことなら、この話は意味がないがな。がっはっはっは! ……いてててて」

 おじいさんは大声で笑ったかと思えば、腰を抑えて痛がった。

「看護師さん呼びますか?」
「いい。ナースコールがあるから、必要なら自分で呼ぶ」

 一応心配はしたが、問題なさそうだ。
 見たところ、腰が悪そうだった。

「……じいさんは上に行けなくても幸せだったのかよ」

 すると冬矢が質問した。
 年上に対する態度とは思えないけど、今の彼には余裕がないのだろう。

「当たり前じゃ。好きなもんっちゅうのは好きだからやるもんじゃ。他にいくらでも楽しみは見つけられるじゃろう」
「……そうか」

 今の冬矢が考えていることはまだわからない。
 でもこのおじいさんの話が少しは役立ったのではないだろうか。

「ワシはもう七十だ。ジジイ共が集まるチームで今でもサッカーやってるわい」
「はんっ、ゲートボールかよ」

 多分冬矢が言いたいのは、ゲートボールのようにコロコロとボールを転がすようなサッカーをしてるんだろという意味だろう。ちょっと言い過ぎ感もあるけど、今の冬矢は感情的になっている。

「君はまだ若い。後悔がないと思う道を進め。今だからできる選択肢があることを忘れるなよ」

 そう言うとおじいさんはカーテンを閉めて静かになった。

「ったくなんだったんだよ……」

 そう言うと冬矢がボフンとベッドに倒れ込む。
 といっても足が固定されていて動かせないので上半身だけの動きだ。

「俺も後悔ないようにしてほしいな。やめてもやめなくても」
「……あぁ」

 俺もおじいさんと同じ意見だった。
 だから良い機会だと思い、まだ冬矢に言っていなかったことを言うことにした。

「――俺、ギターやることにしたんだ」
「…………え?」

 突然の報告に、冬矢の目が点になっていた。

「なんだって? ギター?」

 俺がすると思っていなかったことだったのか、想像以上に冬矢が驚いていた。

「しずはのお父さんに誘われてさ、やらないかって」
「しずはの!? 話が見えてこねぇ……」

 確かにそうか。

「突然誘われたんだ。ギターやらないかって。動機は不順なんだけど、女の子の為にギターを始めても良いって言われて、それで……」
「……くく」
「え?」

 すると冬矢は一度は顔を伏せ、次に顔を上げた時には先ほどまでとは違った表情をしていて――、

「あーっはっはっは!」
「冬矢?」

 突然大きな声で笑いだした。

「最高だぜ光流! 良いじゃねえか! 俺は良いと思うぞ、ギターかっこいいしな!」

 冬矢が満面の笑みを見せてくれた。
 なんだか理解してくれたようだ。良かった。
 親友に否定されたらちょっとショックだったけど。

「……決めたぜ」
「えっ……サッカー続けること?」
「ちげぇよ!」

 え。サッカー続けないの?

「俺さ、ずっと昔からお前と一緒に何かやりたいって思ってたんだよな」
「そうなんだ?」
「お前はサッカーしてないからな。まぁ一緒にはできないよな」
「そりゃあ無理だ」

 確かに冬矢と一緒に何かできたら楽しいとは思うけど。
 何の話をしてるんだ?

「お前、ギターやってどうするんだ? ギターと言えばバンドだろ? バンドメンバーは?」
「いやいや、バンドとかそんなこと全然考えてないよ。とりあえず一人で弾ければいいかなって」
「甘いっ! やるならバンドやれよ!」
「ええ!?」

 冬矢が俺の想像外のことを言ってくる。

「俺がお前のバンドメンバーになってやるよ」
「はぁぁぁぁっ!?」

 いやいやマジで意味がわからない。
 さっきまでサッカーを続けるかどうかで悩んでたじゃん。

「サッカーはどうするんだよ!」
「やめるって!」
「はぁぁぁぁぁぁ!? バカかよ!!」
「うるせぇ! 決めたんだよ!」

 こんな簡単に決めるなよ。
 こいつの頭どうなってるんだよ。

「お前がギターってことは……俺はベースかな? ベースは一番かっこいいしな」
「なにそれ」

 ベースってかっこいいんだ。
 個人的にはバンドで一番かっこいいのはボーカルだと思ってたけど。

「あとはドラムとキーボードか……ドラムはまぁ置いておいて、キーボードはサポートでも良いからしずはか深月を借りればいいだろ!」

 借りればって、あいつら日本トップだぞ?
 そんなの無理だろ。
 こいつどんどん話進めてるけど大丈夫か。

「ちょっと話についていけないんだけど……」
「三年の文化祭でやるんだよ! 俺らのバンド!」
「はぁぁぁぁぁ!? 無理! 人前でとか無理だって!」

 こいつ、マジでヤバいことを言い出した。
 俺がバンドで文化? 無理無理無理。

「んなことでルーシーちゃん落とせるかよ!」
「う、うるせぇぇぇぇ!!!!」

 と冬矢に言われたものの、透柳さんが花理さんを落としたのは高校三年の時の文化祭のステージだ。確かに一理あるかもしれないと思った。

「あー、悩みスッキリしたわぁ」
「いや……こっちはスッキリしてないんだけど……」

 さっきまで真剣に悩んでいた俺の気持ちはどうなる?
 お前だって絶対スッキリしてないだろ。今だけだろ、そのスッキリは。

「やっぱモテるにはバンドだよな!」
「俺以上に不順な動機じゃん……」

 こいつの頭はやっぱり女中心に回ってるのかよ。

「なぁ……一旦、一ヶ月くらい考えてみてよ。サッカーの重さと今からやるバンドの重さは一緒じゃないって」

 さすがにここは引けない。
 決断が早すぎる。もうちょっと悩んでほしい。

「うるさいなぁ……いいじゃん。俺、光流と一緒にやれるってなって、すげぇ嬉しいんだぜ? お前もそうじゃないのか?」
「いや……確かに楽しそうではありそうだけど」
「ほらな? なら良いじゃねえか」

 よくないって。
 俺の心配も考えてくれよ。

「とにかく! 怪我が治って一ヶ月くらい考えて! 絶対考えが変わるから!」
「あーはいはい。わーったよ。まぁ俺の気持ちは変わらないと思うけどな!」
「…………じゃあこれお見舞いな。俺帰るぞ」
「あぁ! 今日は来てくれてありがとな!」

 俺は持ってきた果物を机の上に置いて、冬矢の病室を後にした。

 元気になったのは良いことだけど、変な方向に元気になってしまった。
 気軽に諦めて良いことじゃないだろうに。

 とりあえずこの件は透柳さんに相談しておこうと思った。
 あとは練習曲を決めなくてはいけない。

しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

先輩に退部を命じられた僕を励ましてくれたアイドル級美少女の後輩マネージャーを成り行きで家に上げたら、なぜかその後も入り浸るようになった件

桜 偉村
恋愛
 別にいいんじゃないんですか? 上手くならなくても——。  後輩マネージャーのその一言が、彼の人生を変えた。  全国常連の高校サッカー部の三軍に所属していた如月 巧(きさらぎ たくみ)は、自分の能力に限界を感じていた。  練習試合でも敗因となってしまった巧は、三軍キャプテンの武岡(たけおか)に退部を命じられて絶望する。  武岡にとって、巧はチームのお荷物であると同時に、アイドル級美少女マネージャーの白雪 香奈(しらゆき かな)と親しくしている目障りな存在だった。  だから、自信をなくしている巧を追い込んで退部させ、香奈と距離を置かせようとしたのだ。  そうすれば、香奈は自分のモノになると思っていたから。  武岡の思惑通り、巧はサッカー部を辞めようとしていた。  しかし、そこに香奈が現れる。  成り行きで香奈を家に上げた巧だが、なぜか彼女はその後も彼の家を訪れるようになって——。 「これは警告だよ」 「勘違いしないんでしょ?」 「僕がサッカーを続けられたのは、君のおかげだから」 「仲が良いだけの先輩に、あんなことまですると思ってたんですか?」  甘酸っぱくて、爽やかで、焦れったくて、クスッと笑えて……  オレンジジュース(のような青春)が好きな人必見の現代ラブコメ、ここに開幕! ※これより下では今後のストーリーの大まかな流れについて記載しています。 「話のなんとなくの流れや雰囲気を抑えておきたい」「ざまぁ展開がいつになるのか知りたい!」という方のみご一読ください。 【今後の大まかな流れ】 第1話、第2話でざまぁの伏線が作られます。 第1話はざまぁへの伏線というよりはラブコメ要素が強いので、「早くざまぁ展開見たい!」という方はサラッと読んでいただいて構いません! 本格的なざまぁが行われるのは第15話前後を予定しています。どうかお楽しみに! また、特に第4話からは基本的にラブコメ展開が続きます。シリアス展開はないので、ほっこりしつつ甘さも補充できます! ※最初のざまぁが行われた後も基本はラブコメしつつ、ちょくちょくざまぁ要素も入れていこうかなと思っています。 少しでも「面白いな」「続きが気になる」と思った方は、ざっと内容を把握しつつ第20話、いえ第2話くらいまでお読みいただけると嬉しいです! ※基本は一途ですが、メインヒロイン以外との絡みも多少あります。 ※本作品は小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。

僕が美少女になったせいで幼馴染が百合に目覚めた

楠富 つかさ
恋愛
ある朝、目覚めたら女の子になっていた主人公と主人公に恋をしていたが、女の子になって主人公を見て百合に目覚めたヒロインのドタバタした日常。 この作品はハーメルン様でも掲載しています。

男女比の狂った世界で愛を振りまく

キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。 その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。 直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。 生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。 デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。 本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。 ※カクヨムにも掲載中の作品です。

男女比1:10000の貞操逆転世界に転生したんだが、俺だけ前の世界のインターネットにアクセスできるようなので美少女配信者グループを作る

電脳ピエロ
恋愛
男女比1:10000の世界で生きる主人公、新田 純。 女性に襲われる恐怖から引きこもっていた彼はあるとき思い出す。自分が転生者であり、ここが貞操の逆転した世界だということを。 「そうだ……俺は女神様からもらったチートで前にいた世界のネットにアクセスできるはず」 純は彼が元いた世界のインターネットにアクセスできる能力を授かったことを思い出す。そのとき純はあることを閃いた。 「もしも、この世界の美少女たちで配信者グループを作って、俺が元いた世界のネットで配信をしたら……」

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

貞操観念逆転世界におけるニートの日常

猫丸
恋愛
男女比1:100。 女性の価値が著しく低下した世界へやってきた【大鳥奏】という一人の少年。 夢のような世界で彼が望んだのは、ラブコメでも、ハーレムでもなく、男の希少性を利用した引き籠り生活だった。 ネトゲは楽しいし、一人は気楽だし、学校行かなくてもいいとか最高だし。 しかし、男女の比率が大きく偏った逆転世界は、そんな彼を放っておくはずもなく…… 『カナデさんってもしかして男なんじゃ……?』 『ないでしょw』 『ないと思うけど……え、マジ?』 これは貞操観念逆転世界にやってきた大鳥奏という少年が世界との関わりを断ち自宅からほとんど出ない物語。 貞操観念逆転世界のハーレム主人公を拒んだ一人のネットゲーマーの引き籠り譚である。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...