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本編
36.苦労
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前は眺めるだけに終わった門を馬車で抜け、城まで真っ直ぐ伸びる、見通しの良い長い長い道をそのまま走りながら、こんな道を聖女はどうやってこっそり抜け出せたんだろうと疑問に思った。
いざとなったら忍び込もうとさえ一時は本気で思っていたけれど、頑張って入り口の門を抜けられたとしても、これでは城へ辿り着くまでに確実に捕まっていただろう。マインツ様が居てくれて助かった。
「知人というのはやっぱり偉い方なんですか?」
俺達としては有り難いけれど、部外者を城の中に入れ、まだ表沙汰にはしていない聖女に面会させられるって結構すごいことだと思って尋ねた。
「今は宰相をされています。昔はよく聖堂へ女神に会いに来られていましたよ。王城にも女神像はありますから今はそちらでお祈りされる事が多いようですが」
「神殿に通うの大変ですもんねー」
「そうですね。今回のことで、王城にも女神の加護があることが確認できましたし、あちらで祈りを捧げられる方も増えるのではないでしょうか」
王城の一角には神殿と同じくらい立派な女神像が祀られた、祈りの間と呼ばれる部屋があるそうだ。聖女と呼ばれる女性はその部屋に突如現れたらしく、見慣れぬ風貌に加え、聞き慣れない言葉を使うので城中大騒ぎになったようだった。
現れた場所が場所だけに、女神が関わっているのは間違いないと判断されたのは幸運……だと言って良いのだろうか。
敷地内には城以外にも、いくつかの建造物があり、それぞれの尖塔が空にニョキニョキと生えている。だけどやっぱり一番高くて立派なのはメインの城だろう。
見上げながら馬車を降り、騎士達に案内されるままエントランスのような空間を抜けると、色彩豊かな美しい中庭が広がっていた。よく手入れされた庭を眺めつつ歩いていたら、瑛士君に背中を押されてしまった。
「フィー、置いてかれてるぞ。ほら、皆はもう階段上り始めてる。逸れたら不審者扱いされるかも」
「うん、ごめん。何かもう……別世界で」
「あぁ……まぁ最初は圧倒されるよな」
瑛士君には俺のような目新しさはないようだった。前の異世界では城でしばらく暮らしていたというからだろう。ちょっと変わった人の家にお邪魔してる位の感覚に見えて、俺も少しだけ平静を取り戻す。
手すりに触れたら即掃除されそうな、豪華な階段を三つほど上ったところで俺達一行の足が止まった。案内してくれていた騎士の一人がどこかに駆けていく。
「――宰相様がいらっしゃるので少々お待ちくださいね」
どうやら宰相待ちらしい。ほどなく身なりの良い初老の男が騎士を連れてこちらにやって来た。白金のような髪を撫でつけた、痩身というより窶れた印象のこの人が宰相さんなんだろう。
マインツ様に軽く挨拶した後、俺達を見た。
「こちらが?」
「ええ、女神の祝福を受けた協力者の方たちです」
鋭い目が向けられたので一瞬ドキッとしたが、余程疲労を抱えているのか覇気がない。そのままスルーされるのかと思えば、俺達にもご丁寧に挨拶してくれた。
「宰相のプロリオです。まずは彼女の部屋にご案内致しましょう。何か気づいた事がありましたら後ほどお聞かせください」
それから更に階段を上がり、聖女の部屋へと向かう。重厚感のある大きな両開きの扉の左右には見張りのような人が配置されているのを見ると、何とも言えない気持ちになった。
最初に宰相さんが部屋に入った後、俺達を呼んでくれるというので、部屋の前で待機する事になったのだが――
「フィー、今の聞こえた?」
「聞こえたけど、判別はちょっと。女の人の声としか……」
「だよな。俺もキーキー言ってるとしか分かんなかった」
扉が開閉する際に、喚き散らす声が漏れ聞こえてきた。正直、入るのが怖いけれど、大人しくしてる人が急に怒り出すよりはマシじゃないかなとは思う。気構えしておけるし。
どうぞ、と中からメイドのような人に呼ばれ、息を呑んで部屋に入る。喚く声はその時も絶えず聞こえてきていた。
「――うわ、何言ってるか全然分かんね」
と、瑛士君が残念そうに小声で言う。甲高い声な上に早口だから俺も最初はそう思った。
だけど……これって。
近づくにつれ、聖女の言葉がハッキリ聞こえてくるようになり、俺は一歩一歩、自分の中の考えが確信に近づいていくのを感じた。日本語ではない。けれど、たぶん瑛士君も知ってるあの言語ではないだろうか。
そして、実際に聖女の姿を見ればもう疑いようもない。
「エイジ……これ英語だ」
部屋の中心には金髪碧眼の肉感的ゴージャス美女が、その豊かな巻き髪を揺らしている。単語一つ聞き取るのに苦労するが、間違いなく英語だった。
そして、ハリウッド女優ばりの美人さんは訳すのも躊躇したくなるほど口汚いスラングを連発しながら、背を縮こまらせた窶れた初老の宰相さんを途切れることなく罵っていた。中々すごい絵面だ。
「は? マジ? 全然分かんね。英語なの?」
「早口だし、俺も全部は分かんないけど、部分的に聞こえるのはそうみたい」
「フィー、英語得意? ちょっと意外……」
そう、意外と分かる。ペラペラ喋れる程のスキルはないけれど、ビジネス英語レベルなら話せると思う。瑛士君は英文ならある程度読めても、聞くのと話すのは不得意だと申し訳なさそうに言った。
「いや、俺も学生の時は全然苦手だったよ。仕事で使うから仕方なく勉強し直した。出張とかウェブ会議とかあったんだよねー」
ちょっと昔を懐かしく思いながら、聖女の言葉に耳を傾ける。エログロ差別用語と禁止ワード満載の生の英語だ。あそこに割り込むのが恐ろしいけれど、いつまでも現実逃避もしていられないだろう。
最悪、ビンタくらいは覚悟しとこう。
重い溜め息を一つ吐き出して、俺は聖女へと足を踏み出した。
「――すいません。少しお話し良いですか?」
聖女、めちゃくちゃ怖かった。
やっぱり英語じゃなかったのかと疑う位に全く話が通じなかったのだ。端から聞く気がなかったんだろう。曖昧な笑顔を浮かべながら仲裁に入ろうとした俺をきつく睨みつけると、迷わず胸ぐらを掴みに来た。
睨まれた時点でビビリ散らかしていた俺は全く動けなかったけれど、聖女の手がこちらに届く前に瑛士君が俺の身体を思い切り後ろに引っ張ってくれた。
聖女の手は空振りし、俺は瑛士君の胸に背中をぶつけて深く抱き込まれる。次の標的が邪魔をした瑛士君に向けられそうな気配を感じ、慌てて今度は声を張り上げて言った。止まれ、と。ゴチャゴチャ言うよりシンプルな言葉の方が伝わりやすいんじゃないかと思ったのだ。
「――止まれ? 止まれって言ったの?」
この私に? と続きそうな怒りを恐れつつも、何度も頷くと、そこでようやく聖女の勢いが衰えを見せた。
「本当に? 英語? 分かるの?」
「分かるよ。母国語じゃないから拙いのは許して」
「……本当に、本当なの」
その縋るような頼りない声は、この世界で瑛士君と再会した時を彷彿とさせた。聖女はペタリと床にへたり込む。
「少しお話ししませんか?」
聖女の傍にしゃがんで、もう一度問いかけると、今度は泣き笑いのような顔を浮かべて、ゆっくりと頷いてくれた。
矜持なのか、血が滲みそうなほど唇を噛み締めてまで、必死に涙を見せまいとする彼女を本当に強い人なんだなと思う。勿論これまでとは違う意味で。
そこで長い長い安堵の息を吐いたのは、俺ではなく、瑛士君でもない――宰相さんだった。彼も相当に苦労したのは察するところだ。何とか言葉が通じて、本当に良かった。
いざとなったら忍び込もうとさえ一時は本気で思っていたけれど、頑張って入り口の門を抜けられたとしても、これでは城へ辿り着くまでに確実に捕まっていただろう。マインツ様が居てくれて助かった。
「知人というのはやっぱり偉い方なんですか?」
俺達としては有り難いけれど、部外者を城の中に入れ、まだ表沙汰にはしていない聖女に面会させられるって結構すごいことだと思って尋ねた。
「今は宰相をされています。昔はよく聖堂へ女神に会いに来られていましたよ。王城にも女神像はありますから今はそちらでお祈りされる事が多いようですが」
「神殿に通うの大変ですもんねー」
「そうですね。今回のことで、王城にも女神の加護があることが確認できましたし、あちらで祈りを捧げられる方も増えるのではないでしょうか」
王城の一角には神殿と同じくらい立派な女神像が祀られた、祈りの間と呼ばれる部屋があるそうだ。聖女と呼ばれる女性はその部屋に突如現れたらしく、見慣れぬ風貌に加え、聞き慣れない言葉を使うので城中大騒ぎになったようだった。
現れた場所が場所だけに、女神が関わっているのは間違いないと判断されたのは幸運……だと言って良いのだろうか。
敷地内には城以外にも、いくつかの建造物があり、それぞれの尖塔が空にニョキニョキと生えている。だけどやっぱり一番高くて立派なのはメインの城だろう。
見上げながら馬車を降り、騎士達に案内されるままエントランスのような空間を抜けると、色彩豊かな美しい中庭が広がっていた。よく手入れされた庭を眺めつつ歩いていたら、瑛士君に背中を押されてしまった。
「フィー、置いてかれてるぞ。ほら、皆はもう階段上り始めてる。逸れたら不審者扱いされるかも」
「うん、ごめん。何かもう……別世界で」
「あぁ……まぁ最初は圧倒されるよな」
瑛士君には俺のような目新しさはないようだった。前の異世界では城でしばらく暮らしていたというからだろう。ちょっと変わった人の家にお邪魔してる位の感覚に見えて、俺も少しだけ平静を取り戻す。
手すりに触れたら即掃除されそうな、豪華な階段を三つほど上ったところで俺達一行の足が止まった。案内してくれていた騎士の一人がどこかに駆けていく。
「――宰相様がいらっしゃるので少々お待ちくださいね」
どうやら宰相待ちらしい。ほどなく身なりの良い初老の男が騎士を連れてこちらにやって来た。白金のような髪を撫でつけた、痩身というより窶れた印象のこの人が宰相さんなんだろう。
マインツ様に軽く挨拶した後、俺達を見た。
「こちらが?」
「ええ、女神の祝福を受けた協力者の方たちです」
鋭い目が向けられたので一瞬ドキッとしたが、余程疲労を抱えているのか覇気がない。そのままスルーされるのかと思えば、俺達にもご丁寧に挨拶してくれた。
「宰相のプロリオです。まずは彼女の部屋にご案内致しましょう。何か気づいた事がありましたら後ほどお聞かせください」
それから更に階段を上がり、聖女の部屋へと向かう。重厚感のある大きな両開きの扉の左右には見張りのような人が配置されているのを見ると、何とも言えない気持ちになった。
最初に宰相さんが部屋に入った後、俺達を呼んでくれるというので、部屋の前で待機する事になったのだが――
「フィー、今の聞こえた?」
「聞こえたけど、判別はちょっと。女の人の声としか……」
「だよな。俺もキーキー言ってるとしか分かんなかった」
扉が開閉する際に、喚き散らす声が漏れ聞こえてきた。正直、入るのが怖いけれど、大人しくしてる人が急に怒り出すよりはマシじゃないかなとは思う。気構えしておけるし。
どうぞ、と中からメイドのような人に呼ばれ、息を呑んで部屋に入る。喚く声はその時も絶えず聞こえてきていた。
「――うわ、何言ってるか全然分かんね」
と、瑛士君が残念そうに小声で言う。甲高い声な上に早口だから俺も最初はそう思った。
だけど……これって。
近づくにつれ、聖女の言葉がハッキリ聞こえてくるようになり、俺は一歩一歩、自分の中の考えが確信に近づいていくのを感じた。日本語ではない。けれど、たぶん瑛士君も知ってるあの言語ではないだろうか。
そして、実際に聖女の姿を見ればもう疑いようもない。
「エイジ……これ英語だ」
部屋の中心には金髪碧眼の肉感的ゴージャス美女が、その豊かな巻き髪を揺らしている。単語一つ聞き取るのに苦労するが、間違いなく英語だった。
そして、ハリウッド女優ばりの美人さんは訳すのも躊躇したくなるほど口汚いスラングを連発しながら、背を縮こまらせた窶れた初老の宰相さんを途切れることなく罵っていた。中々すごい絵面だ。
「は? マジ? 全然分かんね。英語なの?」
「早口だし、俺も全部は分かんないけど、部分的に聞こえるのはそうみたい」
「フィー、英語得意? ちょっと意外……」
そう、意外と分かる。ペラペラ喋れる程のスキルはないけれど、ビジネス英語レベルなら話せると思う。瑛士君は英文ならある程度読めても、聞くのと話すのは不得意だと申し訳なさそうに言った。
「いや、俺も学生の時は全然苦手だったよ。仕事で使うから仕方なく勉強し直した。出張とかウェブ会議とかあったんだよねー」
ちょっと昔を懐かしく思いながら、聖女の言葉に耳を傾ける。エログロ差別用語と禁止ワード満載の生の英語だ。あそこに割り込むのが恐ろしいけれど、いつまでも現実逃避もしていられないだろう。
最悪、ビンタくらいは覚悟しとこう。
重い溜め息を一つ吐き出して、俺は聖女へと足を踏み出した。
「――すいません。少しお話し良いですか?」
聖女、めちゃくちゃ怖かった。
やっぱり英語じゃなかったのかと疑う位に全く話が通じなかったのだ。端から聞く気がなかったんだろう。曖昧な笑顔を浮かべながら仲裁に入ろうとした俺をきつく睨みつけると、迷わず胸ぐらを掴みに来た。
睨まれた時点でビビリ散らかしていた俺は全く動けなかったけれど、聖女の手がこちらに届く前に瑛士君が俺の身体を思い切り後ろに引っ張ってくれた。
聖女の手は空振りし、俺は瑛士君の胸に背中をぶつけて深く抱き込まれる。次の標的が邪魔をした瑛士君に向けられそうな気配を感じ、慌てて今度は声を張り上げて言った。止まれ、と。ゴチャゴチャ言うよりシンプルな言葉の方が伝わりやすいんじゃないかと思ったのだ。
「――止まれ? 止まれって言ったの?」
この私に? と続きそうな怒りを恐れつつも、何度も頷くと、そこでようやく聖女の勢いが衰えを見せた。
「本当に? 英語? 分かるの?」
「分かるよ。母国語じゃないから拙いのは許して」
「……本当に、本当なの」
その縋るような頼りない声は、この世界で瑛士君と再会した時を彷彿とさせた。聖女はペタリと床にへたり込む。
「少しお話ししませんか?」
聖女の傍にしゃがんで、もう一度問いかけると、今度は泣き笑いのような顔を浮かべて、ゆっくりと頷いてくれた。
矜持なのか、血が滲みそうなほど唇を噛み締めてまで、必死に涙を見せまいとする彼女を本当に強い人なんだなと思う。勿論これまでとは違う意味で。
そこで長い長い安堵の息を吐いたのは、俺ではなく、瑛士君でもない――宰相さんだった。彼も相当に苦労したのは察するところだ。何とか言葉が通じて、本当に良かった。
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