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第一部
甘く輝く・上【7】
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「モニカが住んでいたという世界の紅茶を飲んで驚きました。この世界の紅茶は、苦味が少ないので……」
「苦味……ああ!」
マキウスたちの世界の紅茶は、そのまま飲めなくはないが、甜茶の様な苦味があり、後味も苦いので、好みが分かれる味をしていた。
おそらく、紅茶を淹れる際に使用する水の種類が、モニカの住む世界と違うのではないかと思う。
今でこそモニカも慣れたが、初めて飲んだ時は苦くて驚いたものだった。
「確かに、マキウス様の世界の紅茶は、そのまま飲むには少し苦いですよね」
「ええ。私も姉上も子供の頃から紅茶の苦味が苦手で、いつも果物を絞った果汁ばかり飲んでいました。
ですが、母上やペルラから、好き嫌いはいけないと言われて、砂糖やミルクを入れて飲んだものです」
マキウスたちの世界にも、果物を絞ったジュースの様なものはあるが、歳を重ねるにつれて、貴族のお茶会に参加するようになると、さすがに毎回ジュースを飲むわけにはいかず、砂糖やミルクを入れて苦味を少なくして紅茶を飲んでいたらしい。
「貴族も大変なんですね……。最初の一口だけ何も入れずに、そのまま紅茶を飲むのも、お母様やペルラさんの教えですか?」
「ええ。私も姉上も、苦味が嫌なあまり大量の砂糖とミルクを入れていました。
そんな飲み方をしたら、紅茶を淹れた者や茶葉の生産者に失礼だろうと教えられました。
以来、最初の一口だけは、何も入れずに紅茶本来の味を味わうことに決めたのです」
「そんな理由だったんですね」
マキウスだけではなくヴィオーラも、最初の一口目だけはそのまま飲んでいたが、まさかそんな理由があったとは思わなかった。
モニカもその日の気分次第では、砂糖やミルクを入れていたが、今度からは紅茶を淹れた者や生産者を慮って飲む様にしようと、密かに決めたのだった。
「苦いのが嫌なのはわかりました。でも、さすがにお砂糖を入れすぎです。今も溶けずに残っています」
「こ、これは、その……」
「私はマキウス様のお身体が心配なんです。砂糖の取り過ぎでお身体を壊されたら、どうするんですか?」
マキウスの紅茶には、溶けずに残った砂糖がカップの中で小さな山を作っていた。
モニカが指摘すると、マキウスは恥ずかしそうにしながらも、訥々と話し出したのだった。
「苦味……ああ!」
マキウスたちの世界の紅茶は、そのまま飲めなくはないが、甜茶の様な苦味があり、後味も苦いので、好みが分かれる味をしていた。
おそらく、紅茶を淹れる際に使用する水の種類が、モニカの住む世界と違うのではないかと思う。
今でこそモニカも慣れたが、初めて飲んだ時は苦くて驚いたものだった。
「確かに、マキウス様の世界の紅茶は、そのまま飲むには少し苦いですよね」
「ええ。私も姉上も子供の頃から紅茶の苦味が苦手で、いつも果物を絞った果汁ばかり飲んでいました。
ですが、母上やペルラから、好き嫌いはいけないと言われて、砂糖やミルクを入れて飲んだものです」
マキウスたちの世界にも、果物を絞ったジュースの様なものはあるが、歳を重ねるにつれて、貴族のお茶会に参加するようになると、さすがに毎回ジュースを飲むわけにはいかず、砂糖やミルクを入れて苦味を少なくして紅茶を飲んでいたらしい。
「貴族も大変なんですね……。最初の一口だけ何も入れずに、そのまま紅茶を飲むのも、お母様やペルラさんの教えですか?」
「ええ。私も姉上も、苦味が嫌なあまり大量の砂糖とミルクを入れていました。
そんな飲み方をしたら、紅茶を淹れた者や茶葉の生産者に失礼だろうと教えられました。
以来、最初の一口だけは、何も入れずに紅茶本来の味を味わうことに決めたのです」
「そんな理由だったんですね」
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「こ、これは、その……」
「私はマキウス様のお身体が心配なんです。砂糖の取り過ぎでお身体を壊されたら、どうするんですか?」
マキウスの紅茶には、溶けずに残った砂糖がカップの中で小さな山を作っていた。
モニカが指摘すると、マキウスは恥ずかしそうにしながらも、訥々と話し出したのだった。
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