【完結】異世界で子作りしないで帰る方法〈加筆修正版〉

夜霞

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振り分け【1】

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次の日、柚子が公文書館に行くと、カルセドニーは前任者達が振り分けた本の一覧の束をごっそり渡してきたのだった。
カルセドニー曰く、本を振り分けるようになったのは、今から九十年近く前からで、それより以前から公文書館にある資料には振られていないとの事だった。
ではどうやって分けていたのかというと、資料が書かれた年代、資料の内容、どこの公文書館で保管されていたのか。といった括りで纏めて、大雑把に一ヶ所に纏めていたらしい。

この公文書館が出来てから、九十年近く前までは、今ほどに公文書館には資料が無く、ここまで開放的に公開してはいなかったとの事だった。
決まった人間しか使用せず、数も少ないならそのやり方もありだと思う。
ただ、昨今の様に、資料が溢れかえり、軍関係者を始めとする人達が来館して使用する以上、ある程度、本の振り分け方を一定して保管した方が効率が良い。

柚子がカルセドニーとアズールスに提案したところ、二人も賛同してくれたのだった。
「館内の本を並び替えるなら、この機会にカルセドニーさん達のやり方で本を振り分けて纏めた方がいいです」
これからも、カルセドニーや前任者達のやり方で新しく入る資料を振り分けていくのなら、この機会に振り分け方を統一した方が探しやすい。
「振り分けがされていない本は、この機会に振り分けましょう。特に地下を除いたこの中は」
柚子は複数の公文書館の人間達が行き来する、入ってすぐの隙間なく本が並んでいるこの部屋を手で示した。
「確か公文書館のここの部屋は、誰でも入れるんですよね? それなら利用したい人が探しやすいように、本をきっちり振り分けて、初めて来た人でも探しやすいように棚に見出しをつけた方がいいです!」

柚子が図書館について学んだ時に、「図書館学の5つの法則」というものがあった。
その中の一つに、「読者ーー利用者の時間を節約せよ」という言葉があった。
「図書館を利用する人を待たせる事なく、可能な限りその時間を節約する。そうして、その人が探している本や情報を提供する。それが図書館司書としての使命である」という意味である。

中には、資料探しや検索などで時間がかかってしまう事もあるが、予め用意しておけば確実に時間を短縮出来るものがある。
その為、図書館司書は普段から業務に精通していなければならない、という意味でもあった。
最近では意味が変わってきており、「利用者の実際の情報や行動に、図書館のシステムやサービスを組み込む」とも言っている。
図書館のシステムやサービスを、実際に利用者の利用方法を元に組み込んでいく。
常に新しい発想を生み出して、利用しやすいよりよい図書館を作っていくという考えでもあった。
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