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『香港小夜曲』4.闇の中の野花儿(イェーファール)(1)
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薄い夕闇だった。
目の前を男が1人、背を丸めるようにして急ぎ足に歩いて行く。
右へ曲がる。立ち止まる。目の前に工事中の札。引き返す。左へ曲がってしばらくまっすぐ、もう一度、右へ曲がる。立ち止まる。札。引き返す。
そんなことを3、4回も繰り返しただろうか。
男はとうとう歩くのをやめてしまった。空を仰ぎ、ぶつぶつと小声で何かを呟き、辺りを見回した。
「おや…」
こちらを振り向き、驚いたように眉を上げる。
「由宇子…ちゃん、だったかな…」
ほっとしたようにこちらへ歩いてくる男の笑み……。
「!」
びくっ、と身体中を震わせて、由宇子はベッドから跳ね起きた。見開いた目に白っぽい天井が闇に溶けるように広がっているのが飛び込んでくる。
『由宇子…ちゃん…』
(また……あの夢…)
夢の中の男の声が、水面の下へゆっくり沈んで行くスピーカーから聞こえるように、ぬうらりと不鮮明に響いて耳の奥へ消えていく。
小さく吐息をついて、掛物を脇へ押しやり、ベッドから立ち上がった。じっとり体を湿らせている汗に気づいて、額を手の甲で拭いながらキッチンへ向かう。蛇口からの水をコップで受けて一息に飲み干し、振り返って時計を見た。
「2時35分]
真夜中もいいところだ。
冷えて来た汗をタオルで拭きながらベッドに戻る。腰を下ろすと、再びどこか遠くで、夢の男が呼んだ。
『由宇子…ちゃん……』
立ち上がる。やかんに水、沸騰するのを待つ間にコーヒーを淹れる準備をする。汗をかいた肌に夜気がじんわりと沁みてくる。冷たさをじっと受け止めながら、由宇子はもう5、6年前になる、あの夢の続きを思い出していた。
「由宇子…ちゃん、だったかな…」
男、八木喬の父親は、安堵の笑みを浮かべながら、由宇子に近づいて来た。
「後ろにいたなんて知らなかったよ」
「おかあさんからのお遣いで…」
由宇子はにっこり笑って見せた。
「あちこちで工事が始まっていたから、八木さんがお急ぎなら道がわかりにくいでしょうって。ご案内するように言いつかって来ました」
「そりゃ、助かった」
八木は背広の肩を少しおどけてすくめて見せた。
「工事中ばかりか、荷車が置いてあったり、洗濯物が一杯に干してあったりでね、正直言って困ってたんだ」
「よかったわ」
相手が14、5の少女と見て八木も気を許したのか、先に立って歩き出した由宇子に慌てて肩を並べて来た。
「わかるかい?」
「はい」
頷く由宇子ににこにこ笑い返した八木は、そのまましばらく黙っていたが、やがて思いついたように、
「君…由宇子ちゃん……ずっとここにいるの?」
「え?」
見上げた由宇子に一瞬ためらいを見せたが、相手は子ども、と自分を納得させたのだろうか、八木は微笑を深めて問い直した。
「おかあさん達の事、覚えてる? ……日本のおとうさん、おかあさん」
「……」
「ごめんね。悲しい事を思い出させたかな」
由宇子が黙って俯いたのに、八木は急いで言い足した。
「……おかあさんは……よくしてくれます」
「けれど、君は日本人だよね? そうやって、日本語喋れるし」
「おかあさんもいつもそう言うんです。お前は日本人だから、日本語を忘れてはいけないよって」
「そう…いいおかあさんだね」
「はい」
「じゃあ、このままずっと、中国で暮らしていく?」
「………」
「日本にね、君の親類の人が居るんだ。厚木警部、と言ってね、警察の人だけど…」
由宇子はちらりと気がかりそうな視線を投げた。八木が軽く首を振りながら、
「いい人だよ、優しいしね。叔父さんにあたるんだ。おとうさんの弟かな。その厚木の叔父さんなら、きっと由宇子ちゃんより、由宇子ちゃんのおとうさんやおかあさんの事をよく知っていると思うよ。おとうさんやおかあさんの話も一杯してくれるだろう」
「おとうさんやおかあさんの話…ですか」
「そう。おとうさんやおかあさんの話」
熱心に問い返すと、八木は笑みを顔中に広げた。
「…聞きたい……私、聞いてみたいわ、おとうさんとおかあさんの話」
「うん…それにはね、由宇子ちゃんは日本へ来なくちゃだめだよ」
「日本へ、ですか」
「日本へ。厚木の叔父さんは忙しくって、こっちに来れないんだ」
八木は立ち止まった。腰を折り、深々と由宇子を覗き込む。その目の奥の方に、単に優しい思いやりだけではない、どこか猛々しいものが躍っているのを由宇子は感じた。
『寿星老(ショウチンラオ)』が手塩に掛けて育て上げ、可愛がっている『美少女』としての価値、一体どのぐらいでこの少女は売れるだろうか、そう言うどす黒い欲望絡みの影の色、それは、今まで幾度となく由宇子が見て来た影の色でもあった。
「どうするね、由宇子ちゃん。何ならおじさんと一緒に日本へ行くかい? おかあさんには空港から連絡を入れればいい。さっきもね、おかあさんはすぐにでも由宇子ちゃんを連れて行って欲しいと言っていたよ。反対しないと思うね」
八木の唇の両端がうっすらと吊り上がった。気弱そうな表情がみるみる禍々しい影を帯びる。
「でも…」
「ああ、無理にとは言わないさ。ただね、おじさんは思うんだ。おじさんはもうこれでしばらくここへは来ない。厚木の叔父さんも来れない。おかあさんはあの通りヨロヨロしているから、由宇子ちゃんを日本へは連れて行けない。じゃあ、誰が由宇子ちゃんを日本へ連れて行ってくれるんだろう、とね」
八木は由宇子が躊躇うのにゆっくり腰を伸ばした。突き放した言い方で、歩き出しながら続ける。
「まあ、由宇子ちゃんはもう中国の人になっちゃったんだよね。日本のおとうさんやおかあさんは日本へ帰りたかっただろうけど、由宇子ちゃんは中国の人になったから、日本へなんか帰りたくないんだよね」
「待って…おじさん」
由宇子は後を追って、八木を見上げた。
「本当におかあさんは反対しないかしら」
「しないよ」
「本当に今、連れて行ってくれるの?」
「由宇子ちゃんさえその気ならね」
「でも私、お金も何もないわ」
「おじさんが何とかしてあげるよ…そうだな…」
少し考える様子で軽く曲げた人差し指を顎に当てたが、急に何を思いついたのか、一瞬鋭い目で見上げている由宇子を射抜いた。わざとらしく目を外らせ、前を向く。
「おじさんの質問に少し答えてくれればね」
「質問?」
「由宇子ちゃんの知っている事でいいんだ」
八木は前を見据えたまま続けた。
「最近お家に出入りしている人はいる?」
「ううん、あんまり」
「男の人は出入りしていない?」
「男の人……ううん、いないわ」
「そうか…」
八木は気難しい表情になったが、ちらりと横目で由宇子を見た。
「『片眼』とか『片腕』とか呼ばれている人は来ない?」
「うん」
「じゃあ表立っては尋ねては来ないのかな……それとも…『寿星老(ショウチンラオ)』には両眼が揃っていると言う噂はガセか…」
最後の方は独り言になった。しばらく無言で歩いていた八木は、ふと顔を上げ、目の前の道が少し先で行き止まりになっているのに立ち止まった。
「由宇子ちゃん…この道…」
言いかけて、側に由宇子が居ないのに初めて気づいて後ろを振り返る。由宇子は八木の最後の呟きを聞いたところで立ち止まり、考え込んだまま歩き続ける八木を見つめていたのだ。
「由宇子ちゃん…?」
「八木のおじさん」
訝しげに眉をひそめて口を開いた相手に、由宇子はゆっくり呼びかけた。
「『寿星老(ショウチンラオ)』のもう一つの眼を探しているの?」
「知ってるのかい?」
口調のからかいの響きを八木は感じなかったらしい。眉を上げて熱心に問いかけてくる顔に、由宇子はくすりと笑って見せた。目を伏せ、淡々とことばを継ぐ。
「とってもよく知ってるわ……生まれた時からね」
「?」
「『寿星老(ショウチンラオ)』のもう片眼はね、『嬋娟(チャンユエン)』とも呼ばれてるのよ、八木の、おじさん」
「『嬋娟(チャンユエン)』……?」
眉を寄せた八木は口の中で数回そのことばを繰り返していたが、唐突に大きく目を見開いた。
「もっとよく知っていたら良かったわね」
由宇子は愛らしく微笑む。
「『嬋娟(チャンユエン)』……『おじょうさん』……まさか……まさか…」
「かなり高く売れたでしょうにね、『あたし』は」
ことばと同時に由宇子は地面を蹴った。ひらりと近くの木箱に飛び乗り、再びそこを蹴って塀へ、続いて屋根の上へと飛び移る。呆然と目で追ってくる八木に笑いかける。
「由宇子…ちゃん……君が……まさか……君が『寿星老(ショウチンラオ)』のもう片方の眼…」
「この辺りは物騒な所なの、八木のおじさん」
「由宇子…」
「気をつけてお帰りなさいな、ご無事でね。『嬋娟(チャンユエン)』は確かに見送ったわよ」
捨て台詞もあっさりと由宇子は身を翻した。屋根の上を駆けていく、その背後で、遠く悲鳴が響いた。
目の前を男が1人、背を丸めるようにして急ぎ足に歩いて行く。
右へ曲がる。立ち止まる。目の前に工事中の札。引き返す。左へ曲がってしばらくまっすぐ、もう一度、右へ曲がる。立ち止まる。札。引き返す。
そんなことを3、4回も繰り返しただろうか。
男はとうとう歩くのをやめてしまった。空を仰ぎ、ぶつぶつと小声で何かを呟き、辺りを見回した。
「おや…」
こちらを振り向き、驚いたように眉を上げる。
「由宇子…ちゃん、だったかな…」
ほっとしたようにこちらへ歩いてくる男の笑み……。
「!」
びくっ、と身体中を震わせて、由宇子はベッドから跳ね起きた。見開いた目に白っぽい天井が闇に溶けるように広がっているのが飛び込んでくる。
『由宇子…ちゃん…』
(また……あの夢…)
夢の中の男の声が、水面の下へゆっくり沈んで行くスピーカーから聞こえるように、ぬうらりと不鮮明に響いて耳の奥へ消えていく。
小さく吐息をついて、掛物を脇へ押しやり、ベッドから立ち上がった。じっとり体を湿らせている汗に気づいて、額を手の甲で拭いながらキッチンへ向かう。蛇口からの水をコップで受けて一息に飲み干し、振り返って時計を見た。
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真夜中もいいところだ。
冷えて来た汗をタオルで拭きながらベッドに戻る。腰を下ろすと、再びどこか遠くで、夢の男が呼んだ。
『由宇子…ちゃん……』
立ち上がる。やかんに水、沸騰するのを待つ間にコーヒーを淹れる準備をする。汗をかいた肌に夜気がじんわりと沁みてくる。冷たさをじっと受け止めながら、由宇子はもう5、6年前になる、あの夢の続きを思い出していた。
「由宇子…ちゃん、だったかな…」
男、八木喬の父親は、安堵の笑みを浮かべながら、由宇子に近づいて来た。
「後ろにいたなんて知らなかったよ」
「おかあさんからのお遣いで…」
由宇子はにっこり笑って見せた。
「あちこちで工事が始まっていたから、八木さんがお急ぎなら道がわかりにくいでしょうって。ご案内するように言いつかって来ました」
「そりゃ、助かった」
八木は背広の肩を少しおどけてすくめて見せた。
「工事中ばかりか、荷車が置いてあったり、洗濯物が一杯に干してあったりでね、正直言って困ってたんだ」
「よかったわ」
相手が14、5の少女と見て八木も気を許したのか、先に立って歩き出した由宇子に慌てて肩を並べて来た。
「わかるかい?」
「はい」
頷く由宇子ににこにこ笑い返した八木は、そのまましばらく黙っていたが、やがて思いついたように、
「君…由宇子ちゃん……ずっとここにいるの?」
「え?」
見上げた由宇子に一瞬ためらいを見せたが、相手は子ども、と自分を納得させたのだろうか、八木は微笑を深めて問い直した。
「おかあさん達の事、覚えてる? ……日本のおとうさん、おかあさん」
「……」
「ごめんね。悲しい事を思い出させたかな」
由宇子が黙って俯いたのに、八木は急いで言い足した。
「……おかあさんは……よくしてくれます」
「けれど、君は日本人だよね? そうやって、日本語喋れるし」
「おかあさんもいつもそう言うんです。お前は日本人だから、日本語を忘れてはいけないよって」
「そう…いいおかあさんだね」
「はい」
「じゃあ、このままずっと、中国で暮らしていく?」
「………」
「日本にね、君の親類の人が居るんだ。厚木警部、と言ってね、警察の人だけど…」
由宇子はちらりと気がかりそうな視線を投げた。八木が軽く首を振りながら、
「いい人だよ、優しいしね。叔父さんにあたるんだ。おとうさんの弟かな。その厚木の叔父さんなら、きっと由宇子ちゃんより、由宇子ちゃんのおとうさんやおかあさんの事をよく知っていると思うよ。おとうさんやおかあさんの話も一杯してくれるだろう」
「おとうさんやおかあさんの話…ですか」
「そう。おとうさんやおかあさんの話」
熱心に問い返すと、八木は笑みを顔中に広げた。
「…聞きたい……私、聞いてみたいわ、おとうさんとおかあさんの話」
「うん…それにはね、由宇子ちゃんは日本へ来なくちゃだめだよ」
「日本へ、ですか」
「日本へ。厚木の叔父さんは忙しくって、こっちに来れないんだ」
八木は立ち止まった。腰を折り、深々と由宇子を覗き込む。その目の奥の方に、単に優しい思いやりだけではない、どこか猛々しいものが躍っているのを由宇子は感じた。
『寿星老(ショウチンラオ)』が手塩に掛けて育て上げ、可愛がっている『美少女』としての価値、一体どのぐらいでこの少女は売れるだろうか、そう言うどす黒い欲望絡みの影の色、それは、今まで幾度となく由宇子が見て来た影の色でもあった。
「どうするね、由宇子ちゃん。何ならおじさんと一緒に日本へ行くかい? おかあさんには空港から連絡を入れればいい。さっきもね、おかあさんはすぐにでも由宇子ちゃんを連れて行って欲しいと言っていたよ。反対しないと思うね」
八木の唇の両端がうっすらと吊り上がった。気弱そうな表情がみるみる禍々しい影を帯びる。
「でも…」
「ああ、無理にとは言わないさ。ただね、おじさんは思うんだ。おじさんはもうこれでしばらくここへは来ない。厚木の叔父さんも来れない。おかあさんはあの通りヨロヨロしているから、由宇子ちゃんを日本へは連れて行けない。じゃあ、誰が由宇子ちゃんを日本へ連れて行ってくれるんだろう、とね」
八木は由宇子が躊躇うのにゆっくり腰を伸ばした。突き放した言い方で、歩き出しながら続ける。
「まあ、由宇子ちゃんはもう中国の人になっちゃったんだよね。日本のおとうさんやおかあさんは日本へ帰りたかっただろうけど、由宇子ちゃんは中国の人になったから、日本へなんか帰りたくないんだよね」
「待って…おじさん」
由宇子は後を追って、八木を見上げた。
「本当におかあさんは反対しないかしら」
「しないよ」
「本当に今、連れて行ってくれるの?」
「由宇子ちゃんさえその気ならね」
「でも私、お金も何もないわ」
「おじさんが何とかしてあげるよ…そうだな…」
少し考える様子で軽く曲げた人差し指を顎に当てたが、急に何を思いついたのか、一瞬鋭い目で見上げている由宇子を射抜いた。わざとらしく目を外らせ、前を向く。
「おじさんの質問に少し答えてくれればね」
「質問?」
「由宇子ちゃんの知っている事でいいんだ」
八木は前を見据えたまま続けた。
「最近お家に出入りしている人はいる?」
「ううん、あんまり」
「男の人は出入りしていない?」
「男の人……ううん、いないわ」
「そうか…」
八木は気難しい表情になったが、ちらりと横目で由宇子を見た。
「『片眼』とか『片腕』とか呼ばれている人は来ない?」
「うん」
「じゃあ表立っては尋ねては来ないのかな……それとも…『寿星老(ショウチンラオ)』には両眼が揃っていると言う噂はガセか…」
最後の方は独り言になった。しばらく無言で歩いていた八木は、ふと顔を上げ、目の前の道が少し先で行き止まりになっているのに立ち止まった。
「由宇子ちゃん…この道…」
言いかけて、側に由宇子が居ないのに初めて気づいて後ろを振り返る。由宇子は八木の最後の呟きを聞いたところで立ち止まり、考え込んだまま歩き続ける八木を見つめていたのだ。
「由宇子ちゃん…?」
「八木のおじさん」
訝しげに眉をひそめて口を開いた相手に、由宇子はゆっくり呼びかけた。
「『寿星老(ショウチンラオ)』のもう一つの眼を探しているの?」
「知ってるのかい?」
口調のからかいの響きを八木は感じなかったらしい。眉を上げて熱心に問いかけてくる顔に、由宇子はくすりと笑って見せた。目を伏せ、淡々とことばを継ぐ。
「とってもよく知ってるわ……生まれた時からね」
「?」
「『寿星老(ショウチンラオ)』のもう片眼はね、『嬋娟(チャンユエン)』とも呼ばれてるのよ、八木の、おじさん」
「『嬋娟(チャンユエン)』……?」
眉を寄せた八木は口の中で数回そのことばを繰り返していたが、唐突に大きく目を見開いた。
「もっとよく知っていたら良かったわね」
由宇子は愛らしく微笑む。
「『嬋娟(チャンユエン)』……『おじょうさん』……まさか……まさか…」
「かなり高く売れたでしょうにね、『あたし』は」
ことばと同時に由宇子は地面を蹴った。ひらりと近くの木箱に飛び乗り、再びそこを蹴って塀へ、続いて屋根の上へと飛び移る。呆然と目で追ってくる八木に笑いかける。
「由宇子…ちゃん……君が……まさか……君が『寿星老(ショウチンラオ)』のもう片方の眼…」
「この辺りは物騒な所なの、八木のおじさん」
「由宇子…」
「気をつけてお帰りなさいな、ご無事でね。『嬋娟(チャンユエン)』は確かに見送ったわよ」
捨て台詞もあっさりと由宇子は身を翻した。屋根の上を駆けていく、その背後で、遠く悲鳴が響いた。
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