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10.『約束』(1)
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「…っ、あっ」
散々叫んで掠れ切った声を絞り出しながら、カークは弾けた。
それでも背後から貫いているグロッグ・レグルのものはまだ衰えない。むしろ、がたがた震えながら精を放ったカークの声に煽られたように、濡れそぼって雫を滴らせているものを握り、再び強く扱き始める。
「く、う…っ」
ぞくんと体が跳ねたのは快感からではない。快感などもうとっくに消えている。無骨な指に容赦ない力で絞られて、濡れているからかろうじて耐えられるものの、紙やすりで擦られるような痛みに腰を引き、今度はもっと深く強く抉られて悲鳴を上げて仰け反った。
「ひ…ぃっ……」
「君も……好き者だな」
低い嗤い声が耳元で響いて、一瞬暗くなった視界を瞬きながら見開いた。
部屋の中は真っ暗で、灯りは窓の外の夜景しかない。
『塔京』中央庁の最上階、しかもカークの執務室の床、真っ黒なフローリングに毛足の長い真紅に染めた毛皮を敷くのはレグルの趣味、日常淡々と執務をこなす部屋でカークを汚して狂わせ啼かせるのをこよなく楽しんでいる。
繰り返し放ったべったりとした液体は既に白い色を薄めつつあって、毛皮をどろどろに汚しているが、レグルはまだ満足せずに、何度もカークを貫き直した。
「そら、口を開け」
「は…うっ」
喘ぎながら開いた口に小さな錠剤を押し込まれる。舌で絡めて呑み込めば、数分立たぬうちに、また堪え切れない熱に体が勝手にうねりだし、それをレグルは淫乱だと喜ぶ。
そういうレグルも合間を見てはこっそりと、小さなカプセルを口にしているのをカークは知っている。もういい加減年齢的には無理があるのを、特別調合の強壮剤でごまかしながらカークを攻める。
それほどまでして、この体が欲しいのか。
胸の奥で黒い嗤いを響かせれば、まるでそれが聞こえたように萎えかけたレグルのものの横から無理に指をねじ込まれた。
「い、ぁあっ」
「もっと啼け、カーク」
激痛に喉を反らせて叫ぶと、レグルがくつくつと嗤った。
「啼いて尻を振ってねだってみせろ」
「う、く……くぅっ」
カークは望まれた通りにレグルのものと指を銜え込んだままの腰を揺する。薬で痛みが薄められてはいるものの、それでも頬を涙が伝った。喘ぎながらレグルの手が離れた自分のものを掴む。触るだけでひりひりするそれを、指を絡めて擦り立てる。
「うぁっ、あっ」
「そうだ、うまいぞ、カーク」
潤んだ視界に正面の壁がひっくり返されて大きな鏡になっているのが映る。
暗い部屋で赤い毛皮の上、ぼろぼろ涙を零しながら、それでも股間をそそり立たせて背後から揺すられるのに口を開いて喘いでいる、白い顔が歪んで見返す。
オウライカ……オウライカ。
「…あぁっ」
胸の奥を掠めた苦笑に初めて甘い声を上げて、カークは崩れた。
「ふ、ぅっ!」
「ぐ…っ」
流石に限界が来たのだろう、レグルが強く腰を掴んで刺し貫くと同時に放つ。叩きつけられた瞬間に手足が冷えて凍った。吐き気が込み上げ、必死に堪えて俯き赤い毛皮を握りしめる。その手を両手とも押さえつけられ、わずかに逃げたのを咎めるようにそのまま数回激しく揺さぶられ、意識が一瞬吹き飛びかける。
「カーク…っ」
荒い呼吸が背中で喘いで、ゆっくりと指を這わされた。
「…っ…」
その指が背中になぞる紋様に、またオウライカの静かな横顔が閉じた視界に浮かび上がって、微かに反る。
「…いい……色だ……っ」
「……は……っ」
ようやくずるりと力をなくしたものが抜かれて、カークはべたべたの毛皮の上にうつ伏せた。蒸れた匂い、体に擦り付けられ散らされたものがぬめりながらも乾いていく。腰を中心に堪え難いほどの重だるさが広がって、指一本動かしたくない。
そのカークの前にひどい臭いを放つものが突き付けられた。顎を掴まれ、無理矢理顔だけ上げられる。薄目を開けたカークの頬に零れそこねた涙が汗と混じりあって落ちていく。満足そうに見下ろしたレグルは、赤黒くのたりとしたそれを開かせた口に突っ込んできた。
「きれいに舐めろ」
「ん、ぅぐ…」
カークは抵抗しない。抵抗したくとも、動けない、逃げられない。拒めば一層ひどく責め立てられるだけだとわかっているから、大人しく舌を絡めて萎えたレグルのものを愛撫し、啜る。喉を滑り降りるものに自分がどんどん腐っていくような気がする。けれどただ目を細めて、自分のものとレグルのもので汚れたそれを舐めとり、呑み込み、やがて再び力を取り戻したものに口を深く犯されながら喘いでみせた。
「上手になったじゃないか」
レグルが笑う。
「始めのころとは雲泥の差だ………あのカークがここまでこんなことをやるとはな」
嘲笑う声は耳の外を通り抜ける。
「褒美にいいことを教えてやろう」
「…んっ……ん」
「シュガットがシュン・カザルを『斎京』に送ったぞ」
「……」
のろのろと目を上げてレグルを見上げた。口一杯に押し込まれたものが喉を突き、えづきそうになって舌を伸ばし、より一層深く押し入られて苦痛に呻く。
「カザルは有能だ……今度こそオウライカもおしまいだ」
レグルは楽しそうに笑って、腰を使い出した。カークの頭を抱え、開いた口を執拗に犯し続ける。
「ん、ぐ、んっ、んっ」
「『斎京』…が……落ちれば……俺は……そこを押さえる……」
「うぐっ、あぐ…っ」
「舌が止まってるぞ」
「んっ……ん…っ」
「そうして…いつか……『塔京』も……手に……入れてや…るっ……」
「ぐ、ぶっ…」
唾液で溺れそうになっているところへ放たれて、カークは呼吸ができなくなった。思わず口を開いて仰け反ろうとしたのを、きつく頭を押さえられて目を見開く。
「ぐぅっ」
「呑めっ」
「ぐ、……っう」
過熱した頭に狂いそうになって必死に全て啜って呑み込んだ。ごく、ごく、と動く喉にレグルが嘲笑いながら引き抜く。絡んでいた舌が引きずりだされて、最後の塊がだらだらと口元を滑り落ちた。
「シュガットとどちらがいい……言ってみろ」
レグルが目の前から離れ、ベッドに放り出された衣服を身につけながら尋ねてくる。
カークはぼんやりと鏡を見つめる。虚ろな目で暗闇から見返す顔は顎の先からとろみのある液体を滴らせている。半開きになった唇から、またゆっくりとよだれが落ちていく。
「……気持ちよすぎて答えることもできないか」
カークはゆっくり瞬いて目を細めた。
「……あなたが……いい…」
静かな声にレグルが弾けるように笑った。
散々叫んで掠れ切った声を絞り出しながら、カークは弾けた。
それでも背後から貫いているグロッグ・レグルのものはまだ衰えない。むしろ、がたがた震えながら精を放ったカークの声に煽られたように、濡れそぼって雫を滴らせているものを握り、再び強く扱き始める。
「く、う…っ」
ぞくんと体が跳ねたのは快感からではない。快感などもうとっくに消えている。無骨な指に容赦ない力で絞られて、濡れているからかろうじて耐えられるものの、紙やすりで擦られるような痛みに腰を引き、今度はもっと深く強く抉られて悲鳴を上げて仰け反った。
「ひ…ぃっ……」
「君も……好き者だな」
低い嗤い声が耳元で響いて、一瞬暗くなった視界を瞬きながら見開いた。
部屋の中は真っ暗で、灯りは窓の外の夜景しかない。
『塔京』中央庁の最上階、しかもカークの執務室の床、真っ黒なフローリングに毛足の長い真紅に染めた毛皮を敷くのはレグルの趣味、日常淡々と執務をこなす部屋でカークを汚して狂わせ啼かせるのをこよなく楽しんでいる。
繰り返し放ったべったりとした液体は既に白い色を薄めつつあって、毛皮をどろどろに汚しているが、レグルはまだ満足せずに、何度もカークを貫き直した。
「そら、口を開け」
「は…うっ」
喘ぎながら開いた口に小さな錠剤を押し込まれる。舌で絡めて呑み込めば、数分立たぬうちに、また堪え切れない熱に体が勝手にうねりだし、それをレグルは淫乱だと喜ぶ。
そういうレグルも合間を見てはこっそりと、小さなカプセルを口にしているのをカークは知っている。もういい加減年齢的には無理があるのを、特別調合の強壮剤でごまかしながらカークを攻める。
それほどまでして、この体が欲しいのか。
胸の奥で黒い嗤いを響かせれば、まるでそれが聞こえたように萎えかけたレグルのものの横から無理に指をねじ込まれた。
「い、ぁあっ」
「もっと啼け、カーク」
激痛に喉を反らせて叫ぶと、レグルがくつくつと嗤った。
「啼いて尻を振ってねだってみせろ」
「う、く……くぅっ」
カークは望まれた通りにレグルのものと指を銜え込んだままの腰を揺する。薬で痛みが薄められてはいるものの、それでも頬を涙が伝った。喘ぎながらレグルの手が離れた自分のものを掴む。触るだけでひりひりするそれを、指を絡めて擦り立てる。
「うぁっ、あっ」
「そうだ、うまいぞ、カーク」
潤んだ視界に正面の壁がひっくり返されて大きな鏡になっているのが映る。
暗い部屋で赤い毛皮の上、ぼろぼろ涙を零しながら、それでも股間をそそり立たせて背後から揺すられるのに口を開いて喘いでいる、白い顔が歪んで見返す。
オウライカ……オウライカ。
「…あぁっ」
胸の奥を掠めた苦笑に初めて甘い声を上げて、カークは崩れた。
「ふ、ぅっ!」
「ぐ…っ」
流石に限界が来たのだろう、レグルが強く腰を掴んで刺し貫くと同時に放つ。叩きつけられた瞬間に手足が冷えて凍った。吐き気が込み上げ、必死に堪えて俯き赤い毛皮を握りしめる。その手を両手とも押さえつけられ、わずかに逃げたのを咎めるようにそのまま数回激しく揺さぶられ、意識が一瞬吹き飛びかける。
「カーク…っ」
荒い呼吸が背中で喘いで、ゆっくりと指を這わされた。
「…っ…」
その指が背中になぞる紋様に、またオウライカの静かな横顔が閉じた視界に浮かび上がって、微かに反る。
「…いい……色だ……っ」
「……は……っ」
ようやくずるりと力をなくしたものが抜かれて、カークはべたべたの毛皮の上にうつ伏せた。蒸れた匂い、体に擦り付けられ散らされたものがぬめりながらも乾いていく。腰を中心に堪え難いほどの重だるさが広がって、指一本動かしたくない。
そのカークの前にひどい臭いを放つものが突き付けられた。顎を掴まれ、無理矢理顔だけ上げられる。薄目を開けたカークの頬に零れそこねた涙が汗と混じりあって落ちていく。満足そうに見下ろしたレグルは、赤黒くのたりとしたそれを開かせた口に突っ込んできた。
「きれいに舐めろ」
「ん、ぅぐ…」
カークは抵抗しない。抵抗したくとも、動けない、逃げられない。拒めば一層ひどく責め立てられるだけだとわかっているから、大人しく舌を絡めて萎えたレグルのものを愛撫し、啜る。喉を滑り降りるものに自分がどんどん腐っていくような気がする。けれどただ目を細めて、自分のものとレグルのもので汚れたそれを舐めとり、呑み込み、やがて再び力を取り戻したものに口を深く犯されながら喘いでみせた。
「上手になったじゃないか」
レグルが笑う。
「始めのころとは雲泥の差だ………あのカークがここまでこんなことをやるとはな」
嘲笑う声は耳の外を通り抜ける。
「褒美にいいことを教えてやろう」
「…んっ……ん」
「シュガットがシュン・カザルを『斎京』に送ったぞ」
「……」
のろのろと目を上げてレグルを見上げた。口一杯に押し込まれたものが喉を突き、えづきそうになって舌を伸ばし、より一層深く押し入られて苦痛に呻く。
「カザルは有能だ……今度こそオウライカもおしまいだ」
レグルは楽しそうに笑って、腰を使い出した。カークの頭を抱え、開いた口を執拗に犯し続ける。
「ん、ぐ、んっ、んっ」
「『斎京』…が……落ちれば……俺は……そこを押さえる……」
「うぐっ、あぐ…っ」
「舌が止まってるぞ」
「んっ……ん…っ」
「そうして…いつか……『塔京』も……手に……入れてや…るっ……」
「ぐ、ぶっ…」
唾液で溺れそうになっているところへ放たれて、カークは呼吸ができなくなった。思わず口を開いて仰け反ろうとしたのを、きつく頭を押さえられて目を見開く。
「ぐぅっ」
「呑めっ」
「ぐ、……っう」
過熱した頭に狂いそうになって必死に全て啜って呑み込んだ。ごく、ごく、と動く喉にレグルが嘲笑いながら引き抜く。絡んでいた舌が引きずりだされて、最後の塊がだらだらと口元を滑り落ちた。
「シュガットとどちらがいい……言ってみろ」
レグルが目の前から離れ、ベッドに放り出された衣服を身につけながら尋ねてくる。
カークはぼんやりと鏡を見つめる。虚ろな目で暗闇から見返す顔は顎の先からとろみのある液体を滴らせている。半開きになった唇から、またゆっくりとよだれが落ちていく。
「……気持ちよすぎて答えることもできないか」
カークはゆっくり瞬いて目を細めた。
「……あなたが……いい…」
静かな声にレグルが弾けるように笑った。
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