もしも最強の○○が現実世界で使えたら

Case3 : 最強の飛行魔法②

「あ、お姉ちゃん！」

どうやら男の子のお姉さんらしい。

「すみません、うちの弟がご迷惑を！」

女の子は深々と頭を下げる。同い年くらいだろうか、見た目も雰囲気もとても可愛らしい。正直タイプだ。

「このお兄ちゃんが、僕の風船取ってくれたんだよ！」

「そうなの？ほら、じゃあちゃんとお礼言って！」

「ありがとうお兄ちゃん！」

「いえいえ、さっきもお礼は言ってもらいましたし、大したことじゃありませんから。……ところで、2人はこの辺りに住んでるんですか？」

「はい。あなたも……えっと、お名前をお聞きしても？」

「僕は陽向です。あなたは？」

「私は一葉です。それで弟は……」

「拓也だよ！河合拓也！」

弟くんが元気よく名乗る。

「陽向さん、ありがとうございました。良ければ今度お礼でもさせてください。」

「いえいえそんな……あ、でも良ければ連絡先でも……」

「ええ、もちろんです。」

僕達は連絡先を交換してから解散した。

「一葉さんか……」

僕は思わぬ出会いに少し心はずませた。

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あれから数日。僕はあることに気がついた。

僕は空を飛べるようになっている。

これは、拓也くんの風船を取ってあげたときからだ。

2回目に風船を取ったとき、明らかに跳んだというより、飛んだ感じがした。

それに、何故だか生まれつきこの力を持っていたかのように、どうすれば飛べるか体が覚えている。

そうと決まれば、試してみる他ない。さっそく今日の夜やってみよう。


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『○○県‪✕‬‪✕‬市の上空で空飛ぶ未確認生物UMA発見』
195万回視聴


コメント 423
@××××××××・8時間前
UMA、高校通ってて草  
♡245
6件の返信

@▹▸▹▸▹▸▹▸▹▸▹▸▹・4時間前
最近の生成AIはすごいなあ  
♡93
112件の返信

@++++++++・20分前
これはUMAの中でもアルディカル(正確な発音は人間には不可能)と呼ばれる種族の1尾。一見人間と同じような見た目をしているが、その特性はとて…続きを読む
♡13


僕は夜に制服姿で空を飛んでみた結果、動画サイトで有名人、もとい有名UMAとなった。


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「……」

「あら、ご不満だった？」

「最後……いる？」

「どうして？」

「いやだって、それまでめっちゃいい流れだったじゃん！力は手に入ったままだし、女の子ともなんか仲良くなってるし！」

「飛行といえば未確認飛行物体、未確認飛行物体といえばネットのオモチャ。バナナが黄色いことと同じくらい常識よ。」

「そんなぶっ飛んだ連想、マジカルバナナで言ったら失格になるよ！」

「何よ、そんなに言うならあなたがシミュレーションしてみる？陽向くん。」

「わかったよ！じゃあ次は……」