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Case3 : 最強の飛行魔法①
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僕は高校生の細木陽向。なんでも平均で、文芸部で細々と活動している。小さい頃は正義のヒーローに憧れたりもしたが、今はとにかく無難に生きる腹づもりだ。
ある日、いつものように下校していると……
「うわーん!!」
突然、子供の泣き声が聞こえてきた。
気になって声のする方へ向かうと、男の子が何やら上の方を見上げて泣き叫んでいた。
「どうしたの?」
僕は男の子に声をかける。
「あのね、僕の風船が取れなくなっちゃったの。」
男の子の指さす先を見ると、確かに風船が木に引っかかっていた。
これがまたなんとも微妙な高さで、ギリギリ木に登って取れるかどうかの高さだった。
うーん……よし。
「じゃあ、お兄ちゃんが取ってあげる。」
「いいの?」
「うん、任せてよ。」
そう言って僕は革靴を脱ぎ、木に手足をかけて登り始めた。
「よいしょっと……」
案外順調に登っていき、風船に手がかかりそうだったそのとき……
バキッ!!
「わっ!?」
掴んでいた枝が突然折れ、体が大きく後ろに倒れる。
まずい、落ちる……!
キィィィィン!!!
すると、突然視界が真っ白になり、目の前に1人の美女が立っていた。
「優しいあなたに力を与えましょう。」
その美女は言った。
「力?……それよりここはどこ?あなたは誰ですか!?」
「さあ、お戻りなさい。」
そのまま視界が暗くなった。
「わっ!!」
視界が戻ると、突如として浮遊感に襲われた。
……ていうかこれ、浮いてない!?
ドン!
「アダッ!!」
しかし、次の瞬間には落ち、尻餅を着いてしまった。とはいえ最初に落ちたときよりかなり勢いは弱まり、怪我はない。
「大丈夫、お兄ちゃん!?」
男の子が心配そうに駆け寄ってくる。
「ああうん、大丈夫大丈夫。」
それにしても今のはなんだったのか……まさかさっきの女の人が何か……?
……とりあえず、今は風船を取ることに集中しよう。
「もうちょっと待っててね。」
何故だか分からないけど、次は絶対うまくいく気がする。
僕は、少し木から距離を取り、助走をつける。
ダッ!!
そして飛び上がる。
バシッ!!
そのまま木に掴まることなく風船の紐を掴み、着地した。
「すごいお兄ちゃん!!ありがとう!!」
男の子は、風船が戻ってきた喜びと僕の突然のアクロバティックな動きへの驚きで興奮気味に感謝してきた。
「ねえ、今のどうやったの!!」
「えっと、なんというか……」
「あ、たっくんいた!何してたの!」
僕が返答しかねていると、遠くから女の子が小走りでやってきた。
ある日、いつものように下校していると……
「うわーん!!」
突然、子供の泣き声が聞こえてきた。
気になって声のする方へ向かうと、男の子が何やら上の方を見上げて泣き叫んでいた。
「どうしたの?」
僕は男の子に声をかける。
「あのね、僕の風船が取れなくなっちゃったの。」
男の子の指さす先を見ると、確かに風船が木に引っかかっていた。
これがまたなんとも微妙な高さで、ギリギリ木に登って取れるかどうかの高さだった。
うーん……よし。
「じゃあ、お兄ちゃんが取ってあげる。」
「いいの?」
「うん、任せてよ。」
そう言って僕は革靴を脱ぎ、木に手足をかけて登り始めた。
「よいしょっと……」
案外順調に登っていき、風船に手がかかりそうだったそのとき……
バキッ!!
「わっ!?」
掴んでいた枝が突然折れ、体が大きく後ろに倒れる。
まずい、落ちる……!
キィィィィン!!!
すると、突然視界が真っ白になり、目の前に1人の美女が立っていた。
「優しいあなたに力を与えましょう。」
その美女は言った。
「力?……それよりここはどこ?あなたは誰ですか!?」
「さあ、お戻りなさい。」
そのまま視界が暗くなった。
「わっ!!」
視界が戻ると、突如として浮遊感に襲われた。
……ていうかこれ、浮いてない!?
ドン!
「アダッ!!」
しかし、次の瞬間には落ち、尻餅を着いてしまった。とはいえ最初に落ちたときよりかなり勢いは弱まり、怪我はない。
「大丈夫、お兄ちゃん!?」
男の子が心配そうに駆け寄ってくる。
「ああうん、大丈夫大丈夫。」
それにしても今のはなんだったのか……まさかさっきの女の人が何か……?
……とりあえず、今は風船を取ることに集中しよう。
「もうちょっと待っててね。」
何故だか分からないけど、次は絶対うまくいく気がする。
僕は、少し木から距離を取り、助走をつける。
ダッ!!
そして飛び上がる。
バシッ!!
そのまま木に掴まることなく風船の紐を掴み、着地した。
「すごいお兄ちゃん!!ありがとう!!」
男の子は、風船が戻ってきた喜びと僕の突然のアクロバティックな動きへの驚きで興奮気味に感謝してきた。
「ねえ、今のどうやったの!!」
「えっと、なんというか……」
「あ、たっくんいた!何してたの!」
僕が返答しかねていると、遠くから女の子が小走りでやってきた。
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