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第122話 結婚式③

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「皆さん準備はいいですか?それでは新婦、お願いいたします!」
「は、はい!」

リナは緊張した様子で答える。そして…

「えい!」

ビュン!!

リナの投げた花束は、初めエリオットの指定した方向に飛んでいくかと思いきや、ものすごいカーブを描いて私の胸に吸い込まれるように落ちてきた。ちなみにこの辺りでブーケを狙っているご令嬢はほとんどいなかった。

「なんと!ブーケを受け取ったのは新婦のお姉様のシェルシェーレ嬢です!おめでとうございます!」

パチパチパチ

周りから祝福の拍手が送られてくる。基本皆身内なので、変に敵意を向けてくる人はいない。傍から見れば、端っこに待機して申し訳程度に参加してたようにしか見えないだろうし。

私は1回会釈してから、エリオットの元へ戻る。

「予想的中だな。」
「はい。」
「それで、あの突風はなんだったんだ?」

そう、花束がカーブして飛んだのは、リナが花束を投げた瞬間突風が吹いたからだ。

「あれはリナの癖なんですよ。」
「癖?ってことは魔法か?」
「はい。基本リナは魔法が使えないのですが、魔力は多少あって、力を入れたときに無意識に風魔法を使ってしまうことがあるんです。今はかなり緊張していましたから、尚更でしょう」
「なるほどな、さすがはシェリーだ。」
「いえ、エリオットの予想あってのこの結果ですよ。……ところでこれ、どうしましょう?ドライフラワーにしたら長く持ちそうですが...」

私は花束をエリオットに見せる。

「なら、俺の屋敷に置いといたらどうだ?」
「あら、お花好きなんですか?それなら差し上げますよ」
「いや、そういうことじゃなくてだな」
「?」
「シェリーも俺の屋敷に住めば、その花をいつも見られるだろ?」
「……!」
「……って俺は思ってるんだが、シェリーはどうだ?」
「ぜひ、そうさせてください。」
「そうか……!じゃあ早速引越しの準備を……」
「フフ、慌てないでください。明日は確かお休みですよね?その時にでもゆっくり計画を立てましょう。」
「す、すまんつい……そうだな、そうしよう。」

エリオットは嬉しそうに微笑む。私もつられて口角が上がる。

「それでは、今からご会食のお時間になりますので、ご用意した席へご着席ください。」

すると、司会の方からのアナウンスが聞こえる。

「さて、じゃあご馳走をいただくとするか。」
「はい!」

そうして談笑しながら移動する2人の少し離れた場所には、義姉の普段とはまた違った様子に喜びが隠せないリナと、開いた口が塞がらないオスカルの姿があった。
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みんなの感想(3件)

ヒロポン
2024.04.22 ヒロポン

エリオットが鼻につく。
ヒーローじゃないですよね。

アミ100
2024.04.23 アミ100

エリオット、ヒーローですよ!
鼻につくエリオットが精神的に成長していく過程を見るのも、この物語の1つのテーマです〜

あ、ちなみに読み進めていくと、エリオットより全然シェルシェーレの方がぶっ飛んでることが分かってきます笑
もしよろしければご覧下さいm(_ _)m

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スパークノークス

おもしろい!
お気に入りに登録しました~

アミ100
2021.09.14 アミ100

ありがとうございます!嬉しいです( ੭ ˙ᗜ˙ )੭

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2021.08.31 ユーザー名の登録がありません

退会済ユーザのコメントです

アミ100
2021.08.31 アミ100

ありがとうございます!
頑張ります( ̄^ ̄)ゞ

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