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考えることが増えました
第107話 ふわふわした関係②
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「そうか、なら良かった。」
「……」
「なあ。」
「な、なんでしょう?」
「膝枕してくれよ。」
「!?」
エリオット様からの突然の提案に驚く。いや、どちらかと言うと、わざわざ了承を得てきたことに驚く。今まで膝枕は無かったけど、抱きついたり頭を撫でてきたりは特に許可も取らず好き放題にしていたからだ。
「いいですけど…」
ドサッ
私が返事をした途端、割と勢いよく私の膝の上に頭を乗せた。なんだか自分の視線の下にエリオット様の顔があってそわそわする。
「ん?どうした?」
そんな私を見透かしてか、エリオット様がいったずらっ子のように尋ねてくる。今日、というか今回の旅行中、ずっとエリオット様のペースに乗せられている気がする。
「なんでもないですよ。ほーら、よしよしいい子ですね」
私はささやかな抵抗として、わざとらしく子供をあやす様に頭を撫でてあげる。
「……!」
すると、一気にエリオット様の顔が紅くなる。前から思ってたけど、意外と子ども扱いされるの嫌いじゃない?
「悪かったって、からかうなよ…」
エリオット様は私の手をそっとどけると、起き上がって座り直した。
「さて、じゃあそろそろ寝るとするか」
「そうですね」
私はソファから立ち上がり、ベッドに移動する。
ドサッ
すると、エリオット様がまた、今度は私の膝ではなくクッションに頭を乗せソファに横たわる。
「え?」
「ん、どうした?」
「なんでそこに寝るんですか?一緒にベッドで寝たらいいじゃないですか。」
「……あのなあ、それ意味わかって言ってんのか?シェリー。」
エリオット様が起き上がりこっちを見ながら呆れ気味に言う。
「意味って…」
「お前も俺も大人なんだ、分かるだろ?」
私に言い聞かせるように話す声は優しいが、同時に少し怒っているようにも聞こえる。
「それは…そうですけど、でもせっかくこんな」
「こんな大きなベッドがあるのにわざわざソファで寝るのは合理性に欠けるとか言いたいんだろ?その言い分は至って正論だが、ときには正論よりも優先するべきもんがあんだよ。」
「………」
私はそのまま黙ってしまう。
正論よりも優先することが…っていうのは少し納得がいかない。でもそもそもこの有耶無耶な状態が続いているのは、私がちゃんとエリオット様の求婚への返事をしていないからなので、反論できない。
「シェリー。」
すると、エリオット様が起き上がってきて、私を優しく抱きしめる。
「言い方が強くなった、すまん。別に怒ってる訳じゃねえんだ。ただその…お前のことは大事にしたいから。な?」
「……はい……」
私は軽く抱きしめ返してから1歩下がる。
「それにあれだ、駐屯所のベッドよりもよっぽどこのソファの方がふわふわだしな。」
「ふふっ…確かにそうですね。…あ、少し待っててください」
私はベッドの方まで行くと、掛け布団を1枚だけ引っ張って持ってくる。
「これ、使ってください。」
「おう、ありがとよ。じゃ、今度こそ寝るか。」
「はい、おやすみなさい。」
「おやすみ、シェリー。」
こうして私は眠りについた。
…エリオット様への返事をしようと心に決めてから。
「……」
「なあ。」
「な、なんでしょう?」
「膝枕してくれよ。」
「!?」
エリオット様からの突然の提案に驚く。いや、どちらかと言うと、わざわざ了承を得てきたことに驚く。今まで膝枕は無かったけど、抱きついたり頭を撫でてきたりは特に許可も取らず好き放題にしていたからだ。
「いいですけど…」
ドサッ
私が返事をした途端、割と勢いよく私の膝の上に頭を乗せた。なんだか自分の視線の下にエリオット様の顔があってそわそわする。
「ん?どうした?」
そんな私を見透かしてか、エリオット様がいったずらっ子のように尋ねてくる。今日、というか今回の旅行中、ずっとエリオット様のペースに乗せられている気がする。
「なんでもないですよ。ほーら、よしよしいい子ですね」
私はささやかな抵抗として、わざとらしく子供をあやす様に頭を撫でてあげる。
「……!」
すると、一気にエリオット様の顔が紅くなる。前から思ってたけど、意外と子ども扱いされるの嫌いじゃない?
「悪かったって、からかうなよ…」
エリオット様は私の手をそっとどけると、起き上がって座り直した。
「さて、じゃあそろそろ寝るとするか」
「そうですね」
私はソファから立ち上がり、ベッドに移動する。
ドサッ
すると、エリオット様がまた、今度は私の膝ではなくクッションに頭を乗せソファに横たわる。
「え?」
「ん、どうした?」
「なんでそこに寝るんですか?一緒にベッドで寝たらいいじゃないですか。」
「……あのなあ、それ意味わかって言ってんのか?シェリー。」
エリオット様が起き上がりこっちを見ながら呆れ気味に言う。
「意味って…」
「お前も俺も大人なんだ、分かるだろ?」
私に言い聞かせるように話す声は優しいが、同時に少し怒っているようにも聞こえる。
「それは…そうですけど、でもせっかくこんな」
「こんな大きなベッドがあるのにわざわざソファで寝るのは合理性に欠けるとか言いたいんだろ?その言い分は至って正論だが、ときには正論よりも優先するべきもんがあんだよ。」
「………」
私はそのまま黙ってしまう。
正論よりも優先することが…っていうのは少し納得がいかない。でもそもそもこの有耶無耶な状態が続いているのは、私がちゃんとエリオット様の求婚への返事をしていないからなので、反論できない。
「シェリー。」
すると、エリオット様が起き上がってきて、私を優しく抱きしめる。
「言い方が強くなった、すまん。別に怒ってる訳じゃねえんだ。ただその…お前のことは大事にしたいから。な?」
「……はい……」
私は軽く抱きしめ返してから1歩下がる。
「それにあれだ、駐屯所のベッドよりもよっぽどこのソファの方がふわふわだしな。」
「ふふっ…確かにそうですね。…あ、少し待っててください」
私はベッドの方まで行くと、掛け布団を1枚だけ引っ張って持ってくる。
「これ、使ってください。」
「おう、ありがとよ。じゃ、今度こそ寝るか。」
「はい、おやすみなさい。」
「おやすみ、シェリー。」
こうして私は眠りについた。
…エリオット様への返事をしようと心に決めてから。
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