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なんだかんだ楽しくやってます
第46話 悩み事
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「あ、そうじゃったそうじゃった。君が書いた文章見て思ったんじゃが…捜査課辞めない?」
「……!?」
捜査課辞めるってどういう意味…??
もしかしてほんとに考えがヤバいから消されるのか…!?
「というか、捜査課辞めて人間魔法課に移らない?」
「え、あ、そういうことですか…」
「あれ、もしかして研究所自体辞めさせられると思った?それは無いから安心してよ。…それで、どうじゃ?うつる?」
人間魔法課への異動はちょうど考えていたことだ。かなり魅力的な提案だけど、いざ聞かれると迷うな…
「えっとその…他の方とも話し合ってから決めることは可能でしょうか?」
「あ、もちろんいいよ!急ぎじゃないから、異動したくなったらする感じで。」
「わかりました、ありがとうございます。…それにしても、なぜ私に異動の提案を?」
「実は、最近人間魔法課の研究がネタ切れというか、マンネリ化してきててね。君みたいな考えの人が来たらいい刺激になると思ったんじゃ。」
「なるほど…」
「じゃ、考えといて!」
「はい。」
こうして私は所長室を後にした。
――――――
「あ、シェリー!また依頼なんだが、今から大丈夫か?」
雑用仕事に戻ろうとすると、エリオット様に呼び止められた。
「…あ、はい!」
「どうした?少し歯切れが悪くないか?」
鋭いなこの人…
「ああいや、ちょっと決めかねていることがありまして…」
「お前が悩み事とは珍しいな。話して見ろよ、何か力になれるかもしれないぞ?」
「そう、ですね…」
確かにエリオット様も無関係じゃないし、話しておくのも悪くないかも…?
「…じゃあ、聞いてもらってもいいですか?」
私はここまでの経緯と、異動するか否かを悩んでいることを打ち明けた。
「ふむ…なるほどな…」
エリオット様は考え込む。
「お前が捜査課に残るか迷ってるのはやっぱあれか?今世話になってる人に申し訳ないからとかそういう事か?」
「はい、それはありますね。…それに、やってみたら皆さんと仕事をするのも案外楽しかったので、このまま残るのもありなんじゃないかと思い始めまして…」
「そ、そうか…」
ふとエリオット様の顔を見やると、心なしか顔が赤い気がする。なんでここで照れるんだ…?
「まああれだな、いずれにせよ、周りがどうとかは気にせずにシェリー自身がやりたいことをやればいいと思うぞ?その方がお前らしいしな。」
「確かに、私は自己中心的でマイペースで用意周到で狡猾な女ですからね。」
「いや、お前は賢くて冷静で自分の信念を貫き通せる、芯のある奴だよ。」
突然のエリオット様の発言に、私は豆鉄砲を食らったような顔をする。
「…なんだよその顔?」
「いや、エリオット様が茶化さず褒めてくるとは思わなかったので。」
「俺のこと何だと思ってるんだよ?俺だってそれぐらいするっての…」
エリオット様はばつが悪そうに目を逸らし自分の頬をかいている。
エリオット様こそ歯切れが悪いけど…?
「…エリオット様も何か悩み事が?」
「え?」
「なんだが先程からそわそわしているので。」
「い、いやそんなことはない…はず…」
「…まあ、私に話せとは言いませんけど、何かあるなら誰かに相談した方がいいですよ?」
「あ、ああ…」
「そういえば、魔導具解析の依頼があるんでしたね。仕事に戻りましょうか。」
「そうだな。」
「……!?」
捜査課辞めるってどういう意味…??
もしかしてほんとに考えがヤバいから消されるのか…!?
「というか、捜査課辞めて人間魔法課に移らない?」
「え、あ、そういうことですか…」
「あれ、もしかして研究所自体辞めさせられると思った?それは無いから安心してよ。…それで、どうじゃ?うつる?」
人間魔法課への異動はちょうど考えていたことだ。かなり魅力的な提案だけど、いざ聞かれると迷うな…
「えっとその…他の方とも話し合ってから決めることは可能でしょうか?」
「あ、もちろんいいよ!急ぎじゃないから、異動したくなったらする感じで。」
「わかりました、ありがとうございます。…それにしても、なぜ私に異動の提案を?」
「実は、最近人間魔法課の研究がネタ切れというか、マンネリ化してきててね。君みたいな考えの人が来たらいい刺激になると思ったんじゃ。」
「なるほど…」
「じゃ、考えといて!」
「はい。」
こうして私は所長室を後にした。
――――――
「あ、シェリー!また依頼なんだが、今から大丈夫か?」
雑用仕事に戻ろうとすると、エリオット様に呼び止められた。
「…あ、はい!」
「どうした?少し歯切れが悪くないか?」
鋭いなこの人…
「ああいや、ちょっと決めかねていることがありまして…」
「お前が悩み事とは珍しいな。話して見ろよ、何か力になれるかもしれないぞ?」
「そう、ですね…」
確かにエリオット様も無関係じゃないし、話しておくのも悪くないかも…?
「…じゃあ、聞いてもらってもいいですか?」
私はここまでの経緯と、異動するか否かを悩んでいることを打ち明けた。
「ふむ…なるほどな…」
エリオット様は考え込む。
「お前が捜査課に残るか迷ってるのはやっぱあれか?今世話になってる人に申し訳ないからとかそういう事か?」
「はい、それはありますね。…それに、やってみたら皆さんと仕事をするのも案外楽しかったので、このまま残るのもありなんじゃないかと思い始めまして…」
「そ、そうか…」
ふとエリオット様の顔を見やると、心なしか顔が赤い気がする。なんでここで照れるんだ…?
「まああれだな、いずれにせよ、周りがどうとかは気にせずにシェリー自身がやりたいことをやればいいと思うぞ?その方がお前らしいしな。」
「確かに、私は自己中心的でマイペースで用意周到で狡猾な女ですからね。」
「いや、お前は賢くて冷静で自分の信念を貫き通せる、芯のある奴だよ。」
突然のエリオット様の発言に、私は豆鉄砲を食らったような顔をする。
「…なんだよその顔?」
「いや、エリオット様が茶化さず褒めてくるとは思わなかったので。」
「俺のこと何だと思ってるんだよ?俺だってそれぐらいするっての…」
エリオット様はばつが悪そうに目を逸らし自分の頬をかいている。
エリオット様こそ歯切れが悪いけど…?
「…エリオット様も何か悩み事が?」
「え?」
「なんだが先程からそわそわしているので。」
「い、いやそんなことはない…はず…」
「…まあ、私に話せとは言いませんけど、何かあるなら誰かに相談した方がいいですよ?」
「あ、ああ…」
「そういえば、魔導具解析の依頼があるんでしたね。仕事に戻りましょうか。」
「そうだな。」
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