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なんだかんだ楽しくやってます

第44話 今後の進退

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「クシュンッ!」
「なんだ、風邪か?」

定期巡回から1週間ほどが経ち、私は今、いつものようにエリオット様に茶化されながら魔導具の解析を行っていた。最近は私1人に任されることも度々増えてきた。

「いえ、そんなはずはないんですが…」
「じゃあ、誰かがシェリーの噂でもしてるんじゃないか?何かそういうのに心当たりねえ?」
「そうですね…昔オスカル殿下がやたらと自分は頭が良いのだと主張してくるのでちょっとしたテストを作って解かせたら、難易度が高すぎたようで泣かれてしまったこと…とかですかね。」
「心当たりねえのかとは聞いたが、なんでそんなに具体的なんだよ…そして一体どんなテスト作ったら人を泣かせることになるんだよ…」
「あ、でも今ではちゃんと反省して、難易度調整することを覚えました。」
「そ、そうか…」

「シェルシェーレさん!そろそろいいですか?」

すると、そこへ人間魔法課の方がやってきた。

「あ、はい!今行きます!それじゃあエリオット様、これが解析結果なので、もし不明点があれば後ほど教えてください。」
「相変わらずの仕事の早さだな。了解した。」

――――――

「それでは次は、容器の中の水を沸騰するまで熱してみてください。」

私は今、人間魔法課で被験者の仕事をしていた。理由はたまたま私の魔法適性が実験の被験者の条件にちょうど当てはまっていたことが発覚したからだ。

私はそれ以来、3日に1回位のペースで呼ばれている。

実験内容は割とシンプルで、入所テストのときのようにひたすら指示に従って魔法を使っている。

具体的にどのような研究をしているのか教えてもらいたかったけど、研究結果がまとまるまでは被験者含め外部の人間には話せないそうだ。

ところで、私たちが魔法でできることは大きく分けて2つある。

1つは自分の属性のものを創り出すこと、もう1つは既にあるものを操ることだ。

例えば火属性の私の場合だと、私ができるのは火を生み出したり、元々あった火(マッチでつけた火など)を移動させたり大きさを変えたりできるといった具合だ。

大多数の人間はこの力を何の疑問もなく使っている。でも実際は、この不思議な力には分からないことが沢山ある。むしろ、分からないことの方が多いかもしれない。

それを調べているのが人間魔法課という訳だ。

「今日はこれで終了です。また今度お願いします。」
「はい、わかりました。」

私はそのまま寮へと帰る。

前々から思ってたけど、人間魔法課のやってることって私が元々気になってたテーマとかなり被ってるんだよな…

今の捜査課もなんだかんだで楽しくやってるけど、人間魔法課への異動も視野に入れてみようかな…?

…そもそも人間魔法課に受け入れて貰えればの話だけど。


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