乙女ゲームのヒロインに転生、科学を駆使して剣と魔法の世界を生きる

アミ100

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転変

第110話 邂逅

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「……」

すっかり暗くなった森の中を、月明かりを頼りに進んでいく。

「……」

目の前しか見えない暗闇の中、道なき道を進んでいく。

「……」

しかし、目的地だけは明確に視えている。

「……」

呪力視によって、その人影がはっきりと。

「……」

歩みに、迷いはない。

「……」

草木に足を取られながらも、着実に近づいていく。

「……」

その間、呪素に│塗《まみ》れたその人影が、動く気配はない。

「……」

素人が森を真っ直ぐ突き進んでくる気配に、奴が気が付かないはずがない。

「……」

もう、間もなくだ。

「……」

最後の木を避けてから数歩歩くと、月明かりで煌めく湖の水面と、その前にある人影が目に映った。

「やあ、嬢ちゃん。久しぶりじゃねえかい。会えて嬉しいねえ。」

人影は、相変わらず1歩も動かないまま少しだけ首をかしげ、ニヤリと不気味に笑った。

「……私もです。」
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