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冬休み
第65話 ラクアとの話し合い②
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「……お前はどう思う。」
ソルード侯爵がいなくなった後、ラクアが私に問いかける。
「うーん……黒よりのグレーかな」
「奇遇だな、俺と同じ考えだ。」
その後、私たちはさらにいくらか議論を重ねた。
「ところで、ソルード侯爵か息子に呪法具の効果については話したのか。」
「いや、話してないよ。」
「そうか……お前は話すべきだと思うか?」
「聞かれたら答えればいいんじゃないかな?進んで伝える必要はないと思う。」
「そうだな。さて、ここで話せるのはこんなところか。後のことは俺たちとロバン伯爵の方で連携して調べておこう。お前には何かあればまた連絡する。」
「わかった。」
「それで、後は別件なのだが……」
「ああ、そういえばそんなこと言ってたね。何か気がかりなことが?」
「いや、どちらかと言えばエルマーが用事があるようなのだが」
「ランドルトが?」
「はい、では私の方からお話しましょう。」
ここで今までずっと黙って直立不動だったランドルトが口を開く。
「実は、ラクア様とシャーロット嬢の婚約話が進んでいまして……」
「おお、そうなの?おめでとう。」
「それが、先程お2人が話していたことが事実であるとすれば、少々問題が...…」
「あー……確かにね。でもそれならとりあえず話を先延ばしにするしかないんじゃ?仮に私たちの見立てが合ってたとして、シャーロット嬢がどこまで関わってるかも分からないし。あ、それか他からも何人か娶るとか。」
貴族の結婚は夫婦だけの問題ではなく、相手の家と協力関係を築けるという点において、むしろ相手の家柄の方が重視されることも多い。それに加え、特に王族や高位貴族の男性は複数の女性を嫁に貰うことが多い。理由は妻が1人だと跡継ぎが生まれない可能性があるのと、言い方はあれだがたくさんの家と繋がりを持った方が"お得"だからである。
するとラクアが私の発言に反応する。
「いや、俺が結婚するのは1人だけだ。」
……ほう?
「それはあれ?シャーロット嬢以外と結婚したくないみたいな?」
「必ずしもそうでは無い。単に複数人と結婚するつもりは無いというだけだ。」
どうやらラクアの決意は固いようだ。何かそう思わせる出来事でもあったのか?まあしかし、これ以上聞くのは野暮というものだ。
「なるほど。それならやっぱり先延ばしにするしかないんじゃ?そもそもなんでこの話を私に……」
私はランドルトに聞き返す。
「それが、1つ提案がありまして……」
「却下。」
「チッ……」
なんと、ランドルトが舌打ちした。でも絶対"カナ様がシャーロット嬢に代わって婚約すればいい"とか言い出すので却下する他ない。
「とにかく、今この時点では決められないでしょ。とりあえず頑張ってとしか……」
「……わかりました。ありがとうございます。」
「話は終わったか。」
ラクアが聞く。自分の婚約の話をしているのに他人事である。
「じゃあ、私はそろそろ帰ろうかな。」
「ああ。」
私は立ち上がって扉の前まで移動し、立ち止まる。
「あ、そうだ。ラインハルト殿下の誕生日っていつだっけ?」
「4月24日だったと思うが……それがどうかしたのか。」
「……いや、何となく聞いただけだよ、ありがとう。それじゃあまた。」
私は王城を後にした。
――――――――
私は家に着くと、自分の部屋に戻って今日のことについて考え始めた。
まずお茶会の件について、今までの情報に加えてソルード侯爵の話からの情報が加わった。
……が、私とラクアはソルード侯爵の話をあまり鵜呑みにしていない。むしろ、信用できることの方が少ないと考えている。
そう、私達はソルード侯爵がお茶会での騒動の黒幕であると踏んでいるのだ。
その根拠は5つほどある。
1つ目は、お茶会当日でのこと。普通に考えれば、あの不審な男は屋敷の門からお茶会の会場まで移動してきたことになる。しかし、そうすれば警備兵に見つかるはずだ。しかも、私たちが男を捕まえた後、ソルード侯爵は屋敷の門の方からこちらにやってきた。門の方にいたなら男を見かけていないのは少々不自然なのだ。
2つ目は、黒幕はお茶会に誰が来るか把握していた可能性が高いこと。ソルード侯爵ならお茶会に誰が来るかなんて自明に把握しているし、なんなら誰を招待するかを自由に決めることも出来る。
3つ目は、男の不審死について。やはりそんな都合の良いタイミングで薬の副作用が来るのは不自然なので、口封じに殺されたと考えるとソルード侯爵の発言と矛盾がある。犯人が牢屋に侵入できないなら口封じできるのは自警団とソルード侯爵くらいだし、侵入できる状況なら"侵入は不可能"というソルード侯爵の発言が嘘になってしまう。
4つ目は、先程のソルード侯爵の発言。孤児院の関係者と事件直前の目撃者を似顔絵で見つけたとのことだが、やはり似顔絵だけで見つかるとは思えない。それに"侯爵の娘を殺す…"なんてセリフを3人とも聞くのも不自然だし、再捜査を拒む程怯えている人がそんなハッキリセリフを聞き取れるだろうか?これもソルード侯爵が嘘をついていると考えれば辻褄は合う。
5つ目は、ソルード侯爵の行動。実は私がラクアのいる部屋に入った後、扉の前に何者かの気配があった。ラクアはその存在に魔力視で気づき、"あれはなんだ?"と私に聞くことで私に存在を教えてくれたのだ。ちなみに、私は水の壁を扉の前に貼ったのは、盗聴対策として、水を振動させ私たちの話し声と逆位相の力をぶつけることによってかき消すためである。要はノイズキャンセリングの内と外が逆バージョンで、〘水惑刀〙・«干渉・消»の応用だ。そして、人の気配はソルード侯爵が入ってくると共に消えた。というか、ソルード侯爵自体がその気配の正体だったのだ。
とはいえ、これらはいずれも状況証拠と推測である。ソルード侯爵だと断定するには決定打が足りない。
一応これくらいの証拠でも、王族の権限で裁判を開いて裁けばソルード侯爵を牢屋送りにできる。なぜなら最終的には嘘発見器のような魔道具があり、それを使った状態で被告に聞くことによって判断するからだ。ただ問題は、もしソルード侯爵が黒幕では無かった場合、裁判を開いたラクアが他の貴族の信用を大きく失う可能性があるということである。そのためもう少し確信の持てる証拠や根拠が見つかるまでは泳がせておくことになった。
ちなみにランドルトがラクアとシャーロット嬢の婚約の話を気にしていたのは、ソルード侯爵が捕まるならその娘との婚約は色々ややこしいことになるからである。捕まった侯爵から支援は受けられないし、そもそも犯罪者の娘と婚約って世間体がどうなんだろうとか…まあ、正直その辺はラクア自身の問題なので私が口出しすることではない。
なんにせよ、今日は何かと収穫があったと思う。
さらに言えば、ラインハルト殿下の誕生日が4月24日だとわかった。ということはゲーム内でジークが死んだのは3月の終わり、今から数えて約3ヶ月後だ。これから先、さらに気を引き締めていこう。
ソルード侯爵がいなくなった後、ラクアが私に問いかける。
「うーん……黒よりのグレーかな」
「奇遇だな、俺と同じ考えだ。」
その後、私たちはさらにいくらか議論を重ねた。
「ところで、ソルード侯爵か息子に呪法具の効果については話したのか。」
「いや、話してないよ。」
「そうか……お前は話すべきだと思うか?」
「聞かれたら答えればいいんじゃないかな?進んで伝える必要はないと思う。」
「そうだな。さて、ここで話せるのはこんなところか。後のことは俺たちとロバン伯爵の方で連携して調べておこう。お前には何かあればまた連絡する。」
「わかった。」
「それで、後は別件なのだが……」
「ああ、そういえばそんなこと言ってたね。何か気がかりなことが?」
「いや、どちらかと言えばエルマーが用事があるようなのだが」
「ランドルトが?」
「はい、では私の方からお話しましょう。」
ここで今までずっと黙って直立不動だったランドルトが口を開く。
「実は、ラクア様とシャーロット嬢の婚約話が進んでいまして……」
「おお、そうなの?おめでとう。」
「それが、先程お2人が話していたことが事実であるとすれば、少々問題が...…」
「あー……確かにね。でもそれならとりあえず話を先延ばしにするしかないんじゃ?仮に私たちの見立てが合ってたとして、シャーロット嬢がどこまで関わってるかも分からないし。あ、それか他からも何人か娶るとか。」
貴族の結婚は夫婦だけの問題ではなく、相手の家と協力関係を築けるという点において、むしろ相手の家柄の方が重視されることも多い。それに加え、特に王族や高位貴族の男性は複数の女性を嫁に貰うことが多い。理由は妻が1人だと跡継ぎが生まれない可能性があるのと、言い方はあれだがたくさんの家と繋がりを持った方が"お得"だからである。
するとラクアが私の発言に反応する。
「いや、俺が結婚するのは1人だけだ。」
……ほう?
「それはあれ?シャーロット嬢以外と結婚したくないみたいな?」
「必ずしもそうでは無い。単に複数人と結婚するつもりは無いというだけだ。」
どうやらラクアの決意は固いようだ。何かそう思わせる出来事でもあったのか?まあしかし、これ以上聞くのは野暮というものだ。
「なるほど。それならやっぱり先延ばしにするしかないんじゃ?そもそもなんでこの話を私に……」
私はランドルトに聞き返す。
「それが、1つ提案がありまして……」
「却下。」
「チッ……」
なんと、ランドルトが舌打ちした。でも絶対"カナ様がシャーロット嬢に代わって婚約すればいい"とか言い出すので却下する他ない。
「とにかく、今この時点では決められないでしょ。とりあえず頑張ってとしか……」
「……わかりました。ありがとうございます。」
「話は終わったか。」
ラクアが聞く。自分の婚約の話をしているのに他人事である。
「じゃあ、私はそろそろ帰ろうかな。」
「ああ。」
私は立ち上がって扉の前まで移動し、立ち止まる。
「あ、そうだ。ラインハルト殿下の誕生日っていつだっけ?」
「4月24日だったと思うが……それがどうかしたのか。」
「……いや、何となく聞いただけだよ、ありがとう。それじゃあまた。」
私は王城を後にした。
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私は家に着くと、自分の部屋に戻って今日のことについて考え始めた。
まずお茶会の件について、今までの情報に加えてソルード侯爵の話からの情報が加わった。
……が、私とラクアはソルード侯爵の話をあまり鵜呑みにしていない。むしろ、信用できることの方が少ないと考えている。
そう、私達はソルード侯爵がお茶会での騒動の黒幕であると踏んでいるのだ。
その根拠は5つほどある。
1つ目は、お茶会当日でのこと。普通に考えれば、あの不審な男は屋敷の門からお茶会の会場まで移動してきたことになる。しかし、そうすれば警備兵に見つかるはずだ。しかも、私たちが男を捕まえた後、ソルード侯爵は屋敷の門の方からこちらにやってきた。門の方にいたなら男を見かけていないのは少々不自然なのだ。
2つ目は、黒幕はお茶会に誰が来るか把握していた可能性が高いこと。ソルード侯爵ならお茶会に誰が来るかなんて自明に把握しているし、なんなら誰を招待するかを自由に決めることも出来る。
3つ目は、男の不審死について。やはりそんな都合の良いタイミングで薬の副作用が来るのは不自然なので、口封じに殺されたと考えるとソルード侯爵の発言と矛盾がある。犯人が牢屋に侵入できないなら口封じできるのは自警団とソルード侯爵くらいだし、侵入できる状況なら"侵入は不可能"というソルード侯爵の発言が嘘になってしまう。
4つ目は、先程のソルード侯爵の発言。孤児院の関係者と事件直前の目撃者を似顔絵で見つけたとのことだが、やはり似顔絵だけで見つかるとは思えない。それに"侯爵の娘を殺す…"なんてセリフを3人とも聞くのも不自然だし、再捜査を拒む程怯えている人がそんなハッキリセリフを聞き取れるだろうか?これもソルード侯爵が嘘をついていると考えれば辻褄は合う。
5つ目は、ソルード侯爵の行動。実は私がラクアのいる部屋に入った後、扉の前に何者かの気配があった。ラクアはその存在に魔力視で気づき、"あれはなんだ?"と私に聞くことで私に存在を教えてくれたのだ。ちなみに、私は水の壁を扉の前に貼ったのは、盗聴対策として、水を振動させ私たちの話し声と逆位相の力をぶつけることによってかき消すためである。要はノイズキャンセリングの内と外が逆バージョンで、〘水惑刀〙・«干渉・消»の応用だ。そして、人の気配はソルード侯爵が入ってくると共に消えた。というか、ソルード侯爵自体がその気配の正体だったのだ。
とはいえ、これらはいずれも状況証拠と推測である。ソルード侯爵だと断定するには決定打が足りない。
一応これくらいの証拠でも、王族の権限で裁判を開いて裁けばソルード侯爵を牢屋送りにできる。なぜなら最終的には嘘発見器のような魔道具があり、それを使った状態で被告に聞くことによって判断するからだ。ただ問題は、もしソルード侯爵が黒幕では無かった場合、裁判を開いたラクアが他の貴族の信用を大きく失う可能性があるということである。そのためもう少し確信の持てる証拠や根拠が見つかるまでは泳がせておくことになった。
ちなみにランドルトがラクアとシャーロット嬢の婚約の話を気にしていたのは、ソルード侯爵が捕まるならその娘との婚約は色々ややこしいことになるからである。捕まった侯爵から支援は受けられないし、そもそも犯罪者の娘と婚約って世間体がどうなんだろうとか…まあ、正直その辺はラクア自身の問題なので私が口出しすることではない。
なんにせよ、今日は何かと収穫があったと思う。
さらに言えば、ラインハルト殿下の誕生日が4月24日だとわかった。ということはゲーム内でジークが死んだのは3月の終わり、今から数えて約3ヶ月後だ。これから先、さらに気を引き締めていこう。
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