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いつもの学院生活…?
第48話 波乱のお茶会③
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突然、お茶会の会場の端の方から男女の叫び声が聞こえる。声の方を見ると、なんと薄汚れた男がお茶会の客に対して剣を振り回しているでは無いか。
男の存在に気がついた客が混乱しながら逃げていく。
「うおぉぉい!ソルード侯爵の1人娘はどこだ!!とっととだせぇー!」
ソルード侯爵の1人娘、つまりシャーロットを狙っているようだ。魔力視で見た限り魔法を使えるほどの魔力は持っておらず、脅威になるような攻撃手段は持っていないように見えるが、奴は完全に冷静さを欠いているし、まだなにか隠している可能性もあるので慎重に対応しなければならない。
「どこだっつってんだよ!!」
男はさらに激昂している。シャーロットはそれを見てラクアの服を掴み震えている。警備兵が来る様子もないのでいい加減どうにかせねば。
「エルマー、シャーロット嬢を頼む。俺は奴の対処をする。」
「かしこまりました」
そういうとラクアはシャーロットの頭を軽く撫で、ランドルトに渡してから男の方へ歩いて向かっていく。ラクア1人でも問題なさそうだが、念の為私は"幻影"で潜伏してまわり込むようにラクアの後ろをついていく。それと何かあったとき用にラクアと男の足元付近に"幻影"で不可視化した水を忍ばせておく。ラクアは私の方を一瞥したあと、構わず進み続ける。
「おい、お前!こっち来んじゃねえよ!!」
「落ち着け、そこの男。ここがどこかわかっているのか。」
「ああ!?知るかそんなもん!」
シャーロットを狙って侯爵家の屋敷に来たんじゃないのか。言ってることが支離滅裂である。
ちなみに男の持ち物を観察すると、剣の他に大きな宝石がついたペンダントを首から下げている。
「誰だか知らんが邪魔すんな!!」
男がラクアに剣を振り下ろす。が、ラクアは装飾用だと言っていた剣で難なく受け止める。一応刃がないだけで形も材料も本物の剣と同じようだ。
「クソっ!!」
カキンッ!カーン!ガキィィン!!
「のわ!?」
その後男が何度か剣で攻撃したが、ラクアは全てガードし、最終的に男の剣を弾き飛ばしてしまった。
これで男は武器を持っていない状態……とはいかなかった。
「クソっこうなったら!!」
ジャキッ!!
「動くな!動いたら撃つぞ!!」
男は懐に銃のようなものを隠し持っていた。恐らく魔法銃とか言うやつだ。ラクアは本人が大丈夫でも、後ろに流れ弾がいく可能性があるので下手に動けないでいる。男が魔法銃を構えると同時にペンダントが黒く光り始める。嫌な予感しかしない。
バシッ!
「ぐわ!なんだ!?」
こういうのはとっとと対処するに限る。私は男の足元に忍ばせておいた水を、銃とペンダントめがけ勢いよく発射し、男からそれらを奪い取る。それらの武器は水に包んで操作し私の手元に持ってくる。するとペンダントは光らなくなった。
「クソっ……なんでだよ!!」
どうやらこれ以上武器は持っていなかったようで、男は何もできずにその場に座り込む。
すると、銃の脅しが無くなり動けるようになったラクアが近くに落ちていた男の剣を拾い、地面に垂直になるように持ち上げそのまま座り込んでブツブツ言っている男に振り下ろそうとしている。
……おい、殺す気じゃないだろうな。私は"幻影"をとき男とラクアの方へ向かう。
「待って、ラクア」
「なぜ止める?まさか、我々を殺そうとした男に同情したわけではないだろうな」
本当に殺す気だったのか、想像以上に容赦ないなこいつ。
私はひとまず男の手足を"固体化"した水で拘束しながら発言する。
「いやそうじゃなくて、いやそれもちょっとあるけど、生かしておいてそいつから色々聞いた方が良いでしょ。ただの不審者にしては色々おかしいし。」
そう、この男色々おかしいのだ。まず警備兵がいるはずの門をどうやって通ってきたのか、シャーロット嬢を探していると言う割にここがどこかよく分かっていないのはなぜか、格好からしてお金をあまり持っていなさそうなのに剣や魔法銃、ヤバそうなペンダントをどうやって手に入れたのか。
この世界の倫理観が前世と違うのは分かっているから、ラクアが殺そうとするのも理解できる。だが、いずれにせよそれらの謎が分からないうちに殺すのは愚策だ。
「それに……」
「それに、茶会の客に血飛沫があがるところを見せるのは良くない、か。……一理ある。」
そういうとラクアは剣を下げてくれた。
「何事ですか!?」
そう言って屋敷の門がある方から駆け寄って来たのはソルード侯爵だ。ひとまず私たちは、彼に今起きたことを説明する。
男の存在に気がついた客が混乱しながら逃げていく。
「うおぉぉい!ソルード侯爵の1人娘はどこだ!!とっととだせぇー!」
ソルード侯爵の1人娘、つまりシャーロットを狙っているようだ。魔力視で見た限り魔法を使えるほどの魔力は持っておらず、脅威になるような攻撃手段は持っていないように見えるが、奴は完全に冷静さを欠いているし、まだなにか隠している可能性もあるので慎重に対応しなければならない。
「どこだっつってんだよ!!」
男はさらに激昂している。シャーロットはそれを見てラクアの服を掴み震えている。警備兵が来る様子もないのでいい加減どうにかせねば。
「エルマー、シャーロット嬢を頼む。俺は奴の対処をする。」
「かしこまりました」
そういうとラクアはシャーロットの頭を軽く撫で、ランドルトに渡してから男の方へ歩いて向かっていく。ラクア1人でも問題なさそうだが、念の為私は"幻影"で潜伏してまわり込むようにラクアの後ろをついていく。それと何かあったとき用にラクアと男の足元付近に"幻影"で不可視化した水を忍ばせておく。ラクアは私の方を一瞥したあと、構わず進み続ける。
「おい、お前!こっち来んじゃねえよ!!」
「落ち着け、そこの男。ここがどこかわかっているのか。」
「ああ!?知るかそんなもん!」
シャーロットを狙って侯爵家の屋敷に来たんじゃないのか。言ってることが支離滅裂である。
ちなみに男の持ち物を観察すると、剣の他に大きな宝石がついたペンダントを首から下げている。
「誰だか知らんが邪魔すんな!!」
男がラクアに剣を振り下ろす。が、ラクアは装飾用だと言っていた剣で難なく受け止める。一応刃がないだけで形も材料も本物の剣と同じようだ。
「クソっ!!」
カキンッ!カーン!ガキィィン!!
「のわ!?」
その後男が何度か剣で攻撃したが、ラクアは全てガードし、最終的に男の剣を弾き飛ばしてしまった。
これで男は武器を持っていない状態……とはいかなかった。
「クソっこうなったら!!」
ジャキッ!!
「動くな!動いたら撃つぞ!!」
男は懐に銃のようなものを隠し持っていた。恐らく魔法銃とか言うやつだ。ラクアは本人が大丈夫でも、後ろに流れ弾がいく可能性があるので下手に動けないでいる。男が魔法銃を構えると同時にペンダントが黒く光り始める。嫌な予感しかしない。
バシッ!
「ぐわ!なんだ!?」
こういうのはとっとと対処するに限る。私は男の足元に忍ばせておいた水を、銃とペンダントめがけ勢いよく発射し、男からそれらを奪い取る。それらの武器は水に包んで操作し私の手元に持ってくる。するとペンダントは光らなくなった。
「クソっ……なんでだよ!!」
どうやらこれ以上武器は持っていなかったようで、男は何もできずにその場に座り込む。
すると、銃の脅しが無くなり動けるようになったラクアが近くに落ちていた男の剣を拾い、地面に垂直になるように持ち上げそのまま座り込んでブツブツ言っている男に振り下ろそうとしている。
……おい、殺す気じゃないだろうな。私は"幻影"をとき男とラクアの方へ向かう。
「待って、ラクア」
「なぜ止める?まさか、我々を殺そうとした男に同情したわけではないだろうな」
本当に殺す気だったのか、想像以上に容赦ないなこいつ。
私はひとまず男の手足を"固体化"した水で拘束しながら発言する。
「いやそうじゃなくて、いやそれもちょっとあるけど、生かしておいてそいつから色々聞いた方が良いでしょ。ただの不審者にしては色々おかしいし。」
そう、この男色々おかしいのだ。まず警備兵がいるはずの門をどうやって通ってきたのか、シャーロット嬢を探していると言う割にここがどこかよく分かっていないのはなぜか、格好からしてお金をあまり持っていなさそうなのに剣や魔法銃、ヤバそうなペンダントをどうやって手に入れたのか。
この世界の倫理観が前世と違うのは分かっているから、ラクアが殺そうとするのも理解できる。だが、いずれにせよそれらの謎が分からないうちに殺すのは愚策だ。
「それに……」
「それに、茶会の客に血飛沫があがるところを見せるのは良くない、か。……一理ある。」
そういうとラクアは剣を下げてくれた。
「何事ですか!?」
そう言って屋敷の門がある方から駆け寄って来たのはソルード侯爵だ。ひとまず私たちは、彼に今起きたことを説明する。
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