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いつもの学院生活…?
第45話 第1王子ラインハルト
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3人でお茶会に参加するべく城内を移動していると、前方から4人ほど歩いてくる影があった。
前を男女2人が歩き、その後ろを騎士と侍女らしき2人がついてきている。しかし前にいる男性って…
「ラクア、また会いましたね」
「久しぶり、ラクア。元気にしていたかい?」
2人が口々にラクアに挨拶する。
「はい、姉上も兄上もご健勝そうで何よりです」
やはりか。
プラチナブロンドの髪にラクアと同じ紺色の瞳を持ち、第2王子であるラクアが"兄上"と呼ぶのはただ1人、第1王子のラインハルト・リアムールである。彼は私が乙女ゲーム「Amour Tale」で唯一そのルートをプレイした攻略対象者だ。彼は誰にでも優しく思いやりのある性格で、ラクアとはほぼ正反対だ。王位継承権第1位で現在17歳、そして魔法学園の3年生である。魔力90、属性土、傾向強光であり魔法適性や剣術は魔術学院の生徒に比べるとあまり良いとは言えない。まあ魔術学院の面々が色々とおかしいだけなのだが。一方それ以外のほぼ全てにおいて非常に優秀であり、次期国王として大いに期待されている。
王城へ来たからもしやとは思ったが、まさか本当に会うことになるとは。
そしてもう1人、第1王子ラインハルトの隣にいる女性は、第1王女でラインハルトの双子の姉、ミラ・リアムールだ。ラインハルト同様プラチナブロンドの髪と紺色の瞳を持っている。彼女も非常に優秀であり、女性ながら次期国王の候補に挙がったほどだが、本人はあまり王位に興味は無く、弟と争うのも面倒だということで自ら辞退した。ちなみに私が今着ているドレスは彼女のお下がりである。
「そちらのご令嬢は?」
おっと、挨拶するのを忘れていた。
「申し遅れました、私カナ・ベルナールと申します。本日はお茶会に必要なドレスをミラ殿下より拝借させて頂くために参りました。私は魔術学院の生徒で、ラクア殿下の同期生にあたります。」
ドレスの裾を軽く持ち上げそれっぽくお辞儀しながら挨拶する。
「ああ、あなたがベルナールさんか。ラクアから話は聞いているよ。」
何を聞いたのでしょう?と聞きたくなったがこらえた。
「ぜひラクアと仲良くしてやってね。態度はちょっとアレだけど、決して悪い子じゃないんだ。」
「……兄上……アレとは……」
「私からもお願いしますわ、ラクアったらお友達が全然いないんだもの。」
「………」
「はいっ……フッ……もちろんです。」
笑いを堪えながら答える。
ラクアは恥ずかしくて落ち着かないのかソワソワしている。あの俺様キャラのラクアですら2人の天然ぶりを前にタジタジだ。
「そう言えば、そのドレスは私のですね?どうですか、気に入りましたか?」
「はい、とても素敵なドレスだと思います。」
「それは良かったわ。」
「これはいつごろお返しすればよろしいでしょうか?」
「あら、返さなくて大丈夫ですよ。そのまま差し上げます。」
「いえ、このような貴重なものを頂くのは……」
「安いものだし、私はもう着ないので大丈夫ですよ。それに1着くらい、余所行きのドレスがあった方が便利でしょう?」
王族の"安い"はなんの当てにもならないのだが。とはいえこれ以上断ると逆に失礼だ。
「……それでは、お言葉に甘えさせて頂きます」
「殿下、そろそろお時間が……」
ラインハルトの後ろの騎士が彼に声をかける。
「ああ、そうだね。それでは失礼するよ。」
「またねラクア、ベルナールさん」
「「はい」」
「それでは、私達も参りましょうか。」
これまで黙っていたランドルトが声をかける。
「そうだね」
「ああ」
前を男女2人が歩き、その後ろを騎士と侍女らしき2人がついてきている。しかし前にいる男性って…
「ラクア、また会いましたね」
「久しぶり、ラクア。元気にしていたかい?」
2人が口々にラクアに挨拶する。
「はい、姉上も兄上もご健勝そうで何よりです」
やはりか。
プラチナブロンドの髪にラクアと同じ紺色の瞳を持ち、第2王子であるラクアが"兄上"と呼ぶのはただ1人、第1王子のラインハルト・リアムールである。彼は私が乙女ゲーム「Amour Tale」で唯一そのルートをプレイした攻略対象者だ。彼は誰にでも優しく思いやりのある性格で、ラクアとはほぼ正反対だ。王位継承権第1位で現在17歳、そして魔法学園の3年生である。魔力90、属性土、傾向強光であり魔法適性や剣術は魔術学院の生徒に比べるとあまり良いとは言えない。まあ魔術学院の面々が色々とおかしいだけなのだが。一方それ以外のほぼ全てにおいて非常に優秀であり、次期国王として大いに期待されている。
王城へ来たからもしやとは思ったが、まさか本当に会うことになるとは。
そしてもう1人、第1王子ラインハルトの隣にいる女性は、第1王女でラインハルトの双子の姉、ミラ・リアムールだ。ラインハルト同様プラチナブロンドの髪と紺色の瞳を持っている。彼女も非常に優秀であり、女性ながら次期国王の候補に挙がったほどだが、本人はあまり王位に興味は無く、弟と争うのも面倒だということで自ら辞退した。ちなみに私が今着ているドレスは彼女のお下がりである。
「そちらのご令嬢は?」
おっと、挨拶するのを忘れていた。
「申し遅れました、私カナ・ベルナールと申します。本日はお茶会に必要なドレスをミラ殿下より拝借させて頂くために参りました。私は魔術学院の生徒で、ラクア殿下の同期生にあたります。」
ドレスの裾を軽く持ち上げそれっぽくお辞儀しながら挨拶する。
「ああ、あなたがベルナールさんか。ラクアから話は聞いているよ。」
何を聞いたのでしょう?と聞きたくなったがこらえた。
「ぜひラクアと仲良くしてやってね。態度はちょっとアレだけど、決して悪い子じゃないんだ。」
「……兄上……アレとは……」
「私からもお願いしますわ、ラクアったらお友達が全然いないんだもの。」
「………」
「はいっ……フッ……もちろんです。」
笑いを堪えながら答える。
ラクアは恥ずかしくて落ち着かないのかソワソワしている。あの俺様キャラのラクアですら2人の天然ぶりを前にタジタジだ。
「そう言えば、そのドレスは私のですね?どうですか、気に入りましたか?」
「はい、とても素敵なドレスだと思います。」
「それは良かったわ。」
「これはいつごろお返しすればよろしいでしょうか?」
「あら、返さなくて大丈夫ですよ。そのまま差し上げます。」
「いえ、このような貴重なものを頂くのは……」
「安いものだし、私はもう着ないので大丈夫ですよ。それに1着くらい、余所行きのドレスがあった方が便利でしょう?」
王族の"安い"はなんの当てにもならないのだが。とはいえこれ以上断ると逆に失礼だ。
「……それでは、お言葉に甘えさせて頂きます」
「殿下、そろそろお時間が……」
ラインハルトの後ろの騎士が彼に声をかける。
「ああ、そうだね。それでは失礼するよ。」
「またねラクア、ベルナールさん」
「「はい」」
「それでは、私達も参りましょうか。」
これまで黙っていたランドルトが声をかける。
「そうだね」
「ああ」
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