乙女ゲームのヒロインに転生、科学を駆使して剣と魔法の世界を生きる

アミ100

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いつもの学院生活…?

第41話 魔法研究部①

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魔術大会から2日間の休みをはさみ、またいつもの学院生活が始まった。

閉会式の翌日私は実家に帰り、ママに大会の結果を話したらとても喜んでくれた。最初はママも大会に来てもらおうかとも思ったのだが、娘がボコボコにされてるシーンを見させるのはまずいかと思ったのでやめておいたのだ。実際ボコボコとまではいかないにしろ、ママが見ても喜ばないような場面はちょくちょくあったのでこうしておいて正解だった。

あと例の不審な中年男に関しては、あれ以降特に進展はない。中々の数の警備隊を動員して捜索に当たったらしいが、それらしい姿は見つからなかった。まあ、私と接触した時点で先生にチクられるのは予想できるだろうし、あの後すぐに逃げれば奴が捕まることはないだろう。休み明け改めて先生にその件について尋ねると、今後も警備を強化してくれるとの事だったので、とりあえずそれで良しとしよう。ただ奴が使っていた力については調べなくてはならないが。

そして今日、授業も終わり私はある部屋へと入ろうとしているところだ。

コンコンッ

「失礼します」
「はーい!あ、カナ・ベルナールさんですね、いらっしゃい!」

そういって迎え入れてくれたのは、2年生のサラ・リサーシュ先輩だ。彼女は薄い紫色の髪を三つ編みにして、ピンク色の瞳でメガネをしている。身長は160cm程だろうか。どうやら誰に対しても敬語を使っているらしい。

「それじゃあ改めまして、ようこそ魔法研究部へ!」

そう、ここは魔法研究部の部室である。そしてサラ先輩は魔法研究部の部長だ。ラクアとの戦いに勝利したので、晴れて私は部活動ができる。部活見学はラクアとの初対面の後に色々行ったし、大会後色んな部活の先輩がうちに入らないかと誘ってきたが、結局ここに落ち着いた。前世で所属していた理科部に1番近いのはここだし、何より魔術大会の準備をするときに、前世の科学の知識を流用するだけでなく、この世界の魔法そのものについても色々知りたいと思うようになったのだ。

「ささ、こちらへどうぞ!」
「はい」

先輩に促され部室の中へ入っていくと、中央には水道付きの実験机、周りの棚には大量の実験器具や鉱石、魔法薬の類が並んでいた。置いてあるものこそ違うが、なんとも懐かしさを感じる。

「ベルナールさんが入ってくれて嬉しいです!」
「ほんとですね!魔術大会での活躍見たよ、凄かったね」
「ありがとうございます」

2人目に発言したのは私と同じ1年で、入学後すぐこの部活に入り既に馴染んでいるノア・カーターさんだ。彼女は濃い緑髪に黒い瞳で、身長150cmちょっとの小柄な少女である。

「私のことは気軽にサラって呼んでくださいね!」
「あ、私のことも下の名前で!」
「わかりました。私のこともカナで大丈夫です。」

それにしてもこの部活、この学院の男女比の割には思ったより女子が多い(と言っても女子は2割程度だが)。運動部は男女混合で余程自信が無い限りついていくのは難しいし、その結果文化系の部活に流れてくるのだろう。

ところで、2人を見るとやけにソワソワしている。何か気になることでもあるのだろうか。

「さて、じゃあさっそく…」
「大会で使った魔法について教えて!!」

なるほど、そういう事か。まあ既にA組の皆にはざっくり説明してあるし、隠すようなことでもないだろう。

「そうですね、じゃあまずは魔力付与の話から…」

私はクラスメイトに話したよりももう少し踏み込んだ所まで話をした。
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