乙女ゲームのヒロインに転生、科学を駆使して剣と魔法の世界を生きる

アミ100

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魔術大会

第36話 大会6日目:朝

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チュン、チュン!

鳥の声を聞きながら起きると、そこはどうやら寮の私の部屋のようだった。服は制服から寝間着に変わっている。どうやら爆睡している私をここまで運んだ上で着替えさせてくれたらしい。保健室の先生には今度お礼をしなければ。

体調は多少ダルいが、昨日と比べると大分マシだ。

時間を見ると、朝のHRに充分間に合う時間だったので、軽くシャワーを浴びて制服に着替えて教室へと向かった。

――――――――――


教室の前に着くと、ジークとアランが教室のドアの前に立っていた。

「おはようカナさん!」
「カナ!起きてきて大丈夫なの?」
「うん、大丈夫。これ以上寝てたら逆に動けなくなりそうだし」
「それなら良かった!」
「あ、そうだ」
「ん?」
「昨日の決勝の後ジークが運んでくれたんでしょ?ありがとう」

私は軽く微笑む。

「あ…うん!どういたしまして!」

ジークはなんだかモジモジしている。お礼を言われたのが嬉しかったのだろうか。アランはそれを見て何やらニヤニヤしている。

「ところで、なんで教室の前で立ってたの?」
「ああそれが、クラスのみんなにまだ入るなって言われてよ…カナさんも来てもまだ入れるなっつってたぞ」
「うーん…?」

教室に入れたら何か困ることがあるのだろうか。いじめか何かかにしては始めるタイミングが謎だ。

と考えているとクラスメイトの1人が顔を出す。

「お、ベルナールさんも来た!3人とも入っていいよ!」

3人で顔を見合わせたあと、教室に足を踏み入れる。

パァァーーーン!!

「「「魔術大会代表お疲れ様!!!」」」

大量のクラッカーと共に、クラスメイトが一斉に叫ぶ。

「うおっ!」
「わあ……!!」
「おー」

教室内を見渡すと、黒板や天井に色々装飾してある。いつの間に用意したんだろうか。

「カナ、アランさん、ジークさん!」

「マリー、これどうしたの??」

「サプライズよ!頑張った3人を激励したいって、私が提案したの!!」

なるほど、サプライズか。これは予想していなかった。まさしく"サプライズ"である。先生もいるので了承は取っているようだ。

「ありがとうマリー、とっても嬉しいよ」
「僕も!嬉しい!」
「俺もだ!」

「それなら良かったわ!それじゃあ主役の御三方、一言ずつ大会の感想でもいいただけるかしら?」

「じゃあ僕から!総合優勝バンザイ!」

「……って、ほんとに一言だけじゃねえか!」

アハハハハッ!!

教室中で笑いが起こる。

「次は俺からだ!俺は魔法はろくにできねえし、ジークとカナさんに助けられてばっかりだったけど、それでも俺なりに全力を出せて良かった!これからもっと強くなるぜ!」

「いいぞアラン!!」
「熱い戦いだったぜ!」

「……それじゃあ最後は私。私も足りないところはたくさんあったと思うし、最後は見苦しいところ見せちゃったけど、大変なのと同時にすごく楽しかった。戦いに限らず、これからもっと色々なことを学んで成長していきたいと思うよ。」

「色んな魔法があって凄かった!」
「俺らにも魔法について色々教えてくれよ!」
「てかこれ以上成長してどうするんだよ!」

アハハハッ!!

再び笑いが起こる。

3人の感想が終わったあとは、皆でお菓子やジュースを飲み食いしたり、ゲームをしたりで午前中ずっとどんちゃん騒ぎだった。実に楽しい時間だった。
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