17 / 115
魔術大会
第17話 大会1日目:団体戦予選②
しおりを挟む
長い開会式が終わり、まもなく団体戦の予選が始まる。くじの結果私たちは第3試合にD組と対戦することになった。
「それではお待たせ致しました!魔術大会1日目、1年生団体戦を開始致します!!」
その言葉にワーーー!!っと歓声が上がる。
「司会・実況は放送部3年、ダリオ・ブロードが担当致します!それでは早速予選第1試合へと移っていきましょう、第1試合はE組対G組です!」
司会者がそういうと選手たちがコロシアムのフィールド内に入場し、コロシアムの中央上空に浮かぶスクリーンにはクラス名と選手たちの似顔絵、選手の名前が写る。数日前に絵師に数時間拘束されたのはこのためだったのか。正直ちょっと恥ずかしい。
そしていよいよ試合開始だ。
「選手の入場が完了しました!それでは参りましょう!制限時間は30分、始め!!」
「ファイアボール!」
「グランドアーミー!」
試合開始の合図と共に選手がいっせいに魔法を繰り出す。双方特別作戦がある訳では無いようで、ほぼほぼ乱戦状態だ。
「すごい迫力だね!」
「そうだね、やっぱりみんな入学当初より魔法の扱いが上手くなってる気がするよ。代表だから特にうまいっていうのもあると思うけど。」
「あの中のどっちかと当たるかも知れねえから、しっかり見ておかねえとな!」
「隙あり!ファイアボール!」
「うわあああ!!」
「おおっと!G組1人ダウン、失格だ!」
選手を観察している限り、剣を使おうとする選手がほとんどいない。間合いを詰めるのが怖いのか、単純に魔法に自信があるのか、みんなひたすら攻撃魔法を打ちまくっている。そうすると完全に魔法の威力勝負なので、自然と全体的に魔力の高く、傾向が闇寄りのE組が優勢となる。
「ウインドショット!!」
「アースウォ……くそっ!」
「E組ベルガー選手のウインドショットが炸裂しG組が場外へ!」
実際E組がだいぶ押している。試合開始から15分経った現時点でE組は1人だけ場外、G組は1人は戦闘不能、1人は場外で残るはあと1人だ。
「ファイアランス!」
「ウインドカッター!」
「ぐはっ!」
勝負あったようだ。
「G組全員失格!勝者E組!」
「よっしゃ!」
「やったぜ!」
――――――――――――
「いやー凄かったね試合!」
「そうだね。」
「カナはあの試合見ててどう思った?なんつーかこう……選手の傾向とか、あいつらに勝つにはどうするかとか。」
「うーんそうだな……とりあえず、アランが結構キーになりそうってことはわかったかな」
「俺??」
「うん、そう。さっきの試合、結局誰も剣を使わなかったでしょ?帯刀はしてたのに。」
「それはただ単に剣術が苦手なんじゃ?」
「私も最初はそう思ったんだけど、実は前にG組の剣術の授業見たことあって、代表の人覚えてたから観察してたんだ。そしたらアランやジーク程でないにしろ、結構うまかったよ。それならどうせE組に魔法で負けそうなんだから、多少賭けでも剣で仕掛けた方がいいと思わない?」
「えーと……そうするとどうなるの?」
「要するに剣術スキルがある程度あっても、いざ実践になったときに使える人間は限られてるってこと。だから剣術で実践慣れしてるアランが前に出れば、良い牽制になる。確かアランは道場の師範のお父さんに散々しごかれてたんだよね?」
「なるほどな!そうそう、親父に比べりゃ学院の生徒なんて可愛いもんだぜ」
「頼りになるよ。でももちろんそれだけじゃ厳しいから、残りは私たちでカバーしないとね?ジーク」
「うんそうだね、頑張ろう!」
――――――――――
「さあでは皆さん!続いて第2試合はC組対H組の試合です!」
「それでは始め!」
「それではお待たせ致しました!魔術大会1日目、1年生団体戦を開始致します!!」
その言葉にワーーー!!っと歓声が上がる。
「司会・実況は放送部3年、ダリオ・ブロードが担当致します!それでは早速予選第1試合へと移っていきましょう、第1試合はE組対G組です!」
司会者がそういうと選手たちがコロシアムのフィールド内に入場し、コロシアムの中央上空に浮かぶスクリーンにはクラス名と選手たちの似顔絵、選手の名前が写る。数日前に絵師に数時間拘束されたのはこのためだったのか。正直ちょっと恥ずかしい。
そしていよいよ試合開始だ。
「選手の入場が完了しました!それでは参りましょう!制限時間は30分、始め!!」
「ファイアボール!」
「グランドアーミー!」
試合開始の合図と共に選手がいっせいに魔法を繰り出す。双方特別作戦がある訳では無いようで、ほぼほぼ乱戦状態だ。
「すごい迫力だね!」
「そうだね、やっぱりみんな入学当初より魔法の扱いが上手くなってる気がするよ。代表だから特にうまいっていうのもあると思うけど。」
「あの中のどっちかと当たるかも知れねえから、しっかり見ておかねえとな!」
「隙あり!ファイアボール!」
「うわあああ!!」
「おおっと!G組1人ダウン、失格だ!」
選手を観察している限り、剣を使おうとする選手がほとんどいない。間合いを詰めるのが怖いのか、単純に魔法に自信があるのか、みんなひたすら攻撃魔法を打ちまくっている。そうすると完全に魔法の威力勝負なので、自然と全体的に魔力の高く、傾向が闇寄りのE組が優勢となる。
「ウインドショット!!」
「アースウォ……くそっ!」
「E組ベルガー選手のウインドショットが炸裂しG組が場外へ!」
実際E組がだいぶ押している。試合開始から15分経った現時点でE組は1人だけ場外、G組は1人は戦闘不能、1人は場外で残るはあと1人だ。
「ファイアランス!」
「ウインドカッター!」
「ぐはっ!」
勝負あったようだ。
「G組全員失格!勝者E組!」
「よっしゃ!」
「やったぜ!」
――――――――――――
「いやー凄かったね試合!」
「そうだね。」
「カナはあの試合見ててどう思った?なんつーかこう……選手の傾向とか、あいつらに勝つにはどうするかとか。」
「うーんそうだな……とりあえず、アランが結構キーになりそうってことはわかったかな」
「俺??」
「うん、そう。さっきの試合、結局誰も剣を使わなかったでしょ?帯刀はしてたのに。」
「それはただ単に剣術が苦手なんじゃ?」
「私も最初はそう思ったんだけど、実は前にG組の剣術の授業見たことあって、代表の人覚えてたから観察してたんだ。そしたらアランやジーク程でないにしろ、結構うまかったよ。それならどうせE組に魔法で負けそうなんだから、多少賭けでも剣で仕掛けた方がいいと思わない?」
「えーと……そうするとどうなるの?」
「要するに剣術スキルがある程度あっても、いざ実践になったときに使える人間は限られてるってこと。だから剣術で実践慣れしてるアランが前に出れば、良い牽制になる。確かアランは道場の師範のお父さんに散々しごかれてたんだよね?」
「なるほどな!そうそう、親父に比べりゃ学院の生徒なんて可愛いもんだぜ」
「頼りになるよ。でももちろんそれだけじゃ厳しいから、残りは私たちでカバーしないとね?ジーク」
「うんそうだね、頑張ろう!」
――――――――――
「さあでは皆さん!続いて第2試合はC組対H組の試合です!」
「それでは始め!」
214
お気に入りに追加
692
あなたにおすすめの小説

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

ギルドを追放された俺、傭兵ギルドのエリートに拾われる〜元ギルドは崩壊したらしい〜
ネリムZ
ファンタジー
唐突にギルドマスターから宣言される言葉。
「今すぐにこのギルドから去れ。俺の前に二度と顔を出さないように国も出て行け」
理解出来ない言葉だったが有無を言わせぬマスターに従った。
様々な気力を失って森の中を彷徨うと、賞金首にカツアゲされてしまった。
そこに助けようとする傭兵ギルドのA級、自称エリートのフィリア。
モヤモヤとした気持ちに駆られ、賞金首を気絶させる。
行く場所が無い事を素直に伝えるとフィリアは自分のギルドに招待してくれた。
俺は仕事が必要だったのでありがたく、その提案を受けた。
そして後に知る、元所属ギルドが⋯⋯。
新たな目標、新たな仲間と環境。
信念を持って行動する、一人の男の物語。

[完結]前世引きこもりの私が異世界転生して異世界で新しく人生やり直します
mikadozero
ファンタジー
私は、鈴木凛21歳。自分で言うのはなんだが可愛い名前をしている。だがこんなに可愛い名前をしていても現実は甘くなかった。
中高と私はクラスの隅で一人ぼっちで生きてきた。だから、コミュニケーション家族以外とは話せない。
私は社会では生きていけないほどダメ人間になっていた。
そんな私はもう人生が嫌だと思い…私は命を絶った。
自分はこんな世界で良かったのだろうかと少し後悔したが遅かった。次に目が覚めた時は暗闇の世界だった。私は死後の世界かと思ったが違かった。
目の前に女神が現れて言う。
「あなたは命を絶ってしまった。まだ若いもう一度チャンスを与えましょう」
そう言われて私は首を傾げる。
「神様…私もう一回人生やり直してもまた同じですよ?」
そう言うが神は聞く耳を持たない。私は神に対して呆れた。
神は書類を提示させてきて言う。
「これに書いてくれ」と言われて私は書く。
「鈴木凛」と署名する。そして、神は書いた紙を見て言う。
「鈴木凛…次の名前はソフィとかどう?」
私は頷くと神は笑顔で言う。
「次の人生頑張ってください」とそう言われて私の視界は白い世界に包まれた。
ーーーーーーーーー
毎話1500文字程度目安に書きます。
たまに2000文字が出るかもです。

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

悪役令嬢、資産運用で学園を掌握する 〜王太子?興味ない、私は経済で無双する〜
言諮 アイ
ファンタジー
異世界貴族社会の名門・ローデリア学園。そこに通う公爵令嬢リリアーナは、婚約者である王太子エドワルドから一方的に婚約破棄を宣言される。理由は「平民の聖女をいじめた悪役だから」?——はっ、笑わせないで。
しかし、リリアーナには王太子も知らない"切り札"があった。
それは、前世の知識を活かした「資産運用」。株式、事業投資、不動産売買……全てを駆使し、わずか数日で貴族社会の経済を掌握する。
「王太子?聖女?その程度の茶番に構っている暇はないわ。私は"資産"でこの学園を支配するのだから。」
破滅フラグ?なら経済で粉砕するだけ。
気づけば、学園も貴族もすべてが彼女の手中に——。
「お前は……一体何者だ?」と動揺する王太子に、リリアーナは微笑む。
「私はただの投資家よ。負けたくないなら……資本主義のルールを学びなさい。」
学園を舞台に繰り広げられる異世界経済バトルロマンス!
"悪役令嬢"、ここに爆誕!

僕と精霊 〜魔法と科学と宝石の輝き〜
一般人
ファンタジー
人類が魔法と科学の力を発見して数万年。それぞれの力を持つ者同士の思想の衝突で起きた長き時に渡る戦争、『発展戦争』。そんな戦争の休戦から早100年。魔法軍の国に住む高校生ジャン・バーンは精霊カーバンクルのパンプと出会いと共に両国の歪みに巻き込まれていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる