16 / 115
魔術大会
第16話 大会1日目:団体戦予選①
しおりを挟む
「選手宣誓!」
「宣誓!私達――――――――」
あれから1ヶ月、今日はこれから1週間かけて行われる魔術大会の1日目である。今私たちは会場となる第一演習場、通称コロシアムの中心で他の代表者に混じって整列している。
代表に選ばれてからというもの、私、ジーク、アランの3人は日々修練を続けてきた。特に団体戦の方は3人の連携なくしては成り立たないので、互いの魔法や剣術、性格についてまでよく教え合い色々と策を練ってきた。策と言っても、段取りを事細かに決めたというよりは、戦うためのネタを蓄積したという方が正確かもしれない。
「あーやべぇ、なんか緊張してきた」
「うん僕も!緊張するよ緊張!」
「そのノリのどこが緊張してるんだよ!」
「今日もアランのツッコミは冴えてるね、将来が楽しみだ」
「俺は漫才師志望じゃねえ!」
「ほら、そんなことよりあそこでマリーが満面の笑みで手振ってるよ」
「え!どこだ??」
「ごめん嘘」
「っ~!くそっまたやられた!」
「アランは相変わらずわかりやすいね!」
私達は前よりも仲良くなれたと思う。結果アランいじりが常習化しているが。
「そんなことより!団体戦は今日だよな?」
「うんそう、1日目の今日が団体戦で、3日目と5日目が個人戦。」
「つまりアランは今日が山場だね!」
「おう!やるからにはとことんやってやる!」
「うんその意気だ!僕とカナは3日ともあるから長丁場だけど頑張ろうね!」
「うんそうだね」
団体戦も個人戦も、学年別のトーナメント形式で行われる。各学年クラスはA~H組までの8クラスまであり、団体戦は各クラス計8チーム、個人戦は8クラス×2人=16人で戦う。
団体戦は1位が160点、2位が140点、3位が120点、4位が100点、それ以外(つまり予選敗退)は70点である。個人戦は1位が90点、2位80点、3位70点、4位60点、準々決勝進出で40点、予選敗退で30点だ。賞は総合、団体戦、個人戦で各上位3組(個人戦は3人)に与えられる。
まあ要するに順位が高いほど多く点を貰え、点が多かったクラスが勝ちというわけだ。
なお、1回戦の対戦相手はクジで決まる。団体戦と個人戦の日程が空いているのは、他の日は他学年の試合があるからだ。
試合のルールは魔法使用可、武器持ち込み・使用可の割となんでもありだが、禁忌魔法・呪法・魔法具等の使用は禁止されている。まあそんなことができる生徒などまずいないと思うが。
勝利条件は先に相手全員(個人戦なら相手)を戦闘不能にするか、決められた枠の外に出すか、降参させるかのいずれかだ。制限時間は30分で、制限時間が過ぎても双方選手が残っていた場合はその人数が多い方が勝ち、それも同じなら審判が判定して勝敗が決まる。つまり引き分けは無しだ。
団体戦に関して言えば、絶対に相手を全員落とす自信があるならいいが、そうでなければ強いやつが1人でも残っていればいいという訳では無いため、チームの総合力が問われる競技だ。
私たちA組代表は他クラスと比べても地力は相当ある方だ。3人の得意とする分野はバラバラである。よくいえばバランスが取れているが、悪くいえば全員に統一化した戦略を取りづらいので、互いの能力の擦り合わせやその場での臨機応変な対応が重要になってくる。
「宣誓!私達――――――――」
あれから1ヶ月、今日はこれから1週間かけて行われる魔術大会の1日目である。今私たちは会場となる第一演習場、通称コロシアムの中心で他の代表者に混じって整列している。
代表に選ばれてからというもの、私、ジーク、アランの3人は日々修練を続けてきた。特に団体戦の方は3人の連携なくしては成り立たないので、互いの魔法や剣術、性格についてまでよく教え合い色々と策を練ってきた。策と言っても、段取りを事細かに決めたというよりは、戦うためのネタを蓄積したという方が正確かもしれない。
「あーやべぇ、なんか緊張してきた」
「うん僕も!緊張するよ緊張!」
「そのノリのどこが緊張してるんだよ!」
「今日もアランのツッコミは冴えてるね、将来が楽しみだ」
「俺は漫才師志望じゃねえ!」
「ほら、そんなことよりあそこでマリーが満面の笑みで手振ってるよ」
「え!どこだ??」
「ごめん嘘」
「っ~!くそっまたやられた!」
「アランは相変わらずわかりやすいね!」
私達は前よりも仲良くなれたと思う。結果アランいじりが常習化しているが。
「そんなことより!団体戦は今日だよな?」
「うんそう、1日目の今日が団体戦で、3日目と5日目が個人戦。」
「つまりアランは今日が山場だね!」
「おう!やるからにはとことんやってやる!」
「うんその意気だ!僕とカナは3日ともあるから長丁場だけど頑張ろうね!」
「うんそうだね」
団体戦も個人戦も、学年別のトーナメント形式で行われる。各学年クラスはA~H組までの8クラスまであり、団体戦は各クラス計8チーム、個人戦は8クラス×2人=16人で戦う。
団体戦は1位が160点、2位が140点、3位が120点、4位が100点、それ以外(つまり予選敗退)は70点である。個人戦は1位が90点、2位80点、3位70点、4位60点、準々決勝進出で40点、予選敗退で30点だ。賞は総合、団体戦、個人戦で各上位3組(個人戦は3人)に与えられる。
まあ要するに順位が高いほど多く点を貰え、点が多かったクラスが勝ちというわけだ。
なお、1回戦の対戦相手はクジで決まる。団体戦と個人戦の日程が空いているのは、他の日は他学年の試合があるからだ。
試合のルールは魔法使用可、武器持ち込み・使用可の割となんでもありだが、禁忌魔法・呪法・魔法具等の使用は禁止されている。まあそんなことができる生徒などまずいないと思うが。
勝利条件は先に相手全員(個人戦なら相手)を戦闘不能にするか、決められた枠の外に出すか、降参させるかのいずれかだ。制限時間は30分で、制限時間が過ぎても双方選手が残っていた場合はその人数が多い方が勝ち、それも同じなら審判が判定して勝敗が決まる。つまり引き分けは無しだ。
団体戦に関して言えば、絶対に相手を全員落とす自信があるならいいが、そうでなければ強いやつが1人でも残っていればいいという訳では無いため、チームの総合力が問われる競技だ。
私たちA組代表は他クラスと比べても地力は相当ある方だ。3人の得意とする分野はバラバラである。よくいえばバランスが取れているが、悪くいえば全員に統一化した戦略を取りづらいので、互いの能力の擦り合わせやその場での臨機応変な対応が重要になってくる。
246
お気に入りに追加
692
あなたにおすすめの小説

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

ギルドを追放された俺、傭兵ギルドのエリートに拾われる〜元ギルドは崩壊したらしい〜
ネリムZ
ファンタジー
唐突にギルドマスターから宣言される言葉。
「今すぐにこのギルドから去れ。俺の前に二度と顔を出さないように国も出て行け」
理解出来ない言葉だったが有無を言わせぬマスターに従った。
様々な気力を失って森の中を彷徨うと、賞金首にカツアゲされてしまった。
そこに助けようとする傭兵ギルドのA級、自称エリートのフィリア。
モヤモヤとした気持ちに駆られ、賞金首を気絶させる。
行く場所が無い事を素直に伝えるとフィリアは自分のギルドに招待してくれた。
俺は仕事が必要だったのでありがたく、その提案を受けた。
そして後に知る、元所属ギルドが⋯⋯。
新たな目標、新たな仲間と環境。
信念を持って行動する、一人の男の物語。

公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。

美少女に転生して料理して生きてくことになりました。
ゆーぞー
ファンタジー
田中真理子32歳、独身、失業中。
飲めないお酒を飲んでぶったおれた。
気がついたらマリアンヌという12歳の美少女になっていた。
その世界は加護を受けた人間しか料理をすることができない世界だった
転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~
ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。
コイツは何かがおかしい。
本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。
目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。
愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる