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新しい世界
第4話 出会い
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……押しが強い。第一印象はこれに尽きる。とはいえこういうタイプは嫌いじゃない。それにどことなくママに通ずるものを感じる。見た目は薄い黄緑色の髪に吸い込まれるような深緑の目をしている。身長は175cmくらいだろうか。テンションの割には低めの声をしている。私の前に啓示を受けたと言っていたので、恐らく魔力220、属性風、傾向極光の少年だろう。確かにロバンとかビート板とか言っていた気がする。それにこの陽キャぶりは確かに極光だ(傾向と性格の因果がどの程度かはよく分からないが)。中々ハイスペックだが攻略対象者では無かったはずだ。
「それで、私になにか用事が?」
「あ、そうそう忘れてた!カナって魔力量も属性もすごいんだね、驚いて珍しいから声掛けちゃった」
「それをいうならジークもすごいよ、風と光は相性が良いしね」
「僕の家は代々魔力が高めなんだ、僕は特に高い方だったけどね。カナもそうなの?」
「いや、うちはそういう訳ではないと思う。多分私は突然変異。」
「そうなのか!自分の家族以外で魔力が200超えてる人、まして270なんてなかなか見ないからつい声掛けちゃった、ごめんね!」
「いや、私も同い年の知り合いができて嬉しいよ」
「へへ、なら良かった!ところでカナはどこに進学するか決めてるの?」
「私は…」
そう、ママの話によればこの国の少年少女は神の啓示を受けたあと、余程貧乏な家を除きどこかしらに進学する。そして魔法適性が高い者の進学先は「魔法学園」と…どこだっただろうか
「やっぱり僕達みたいなのは魔法学園か魔術学院が多いよね」
そう、「魔術学院」だ。「魔法学園」は貴族主体で、魔法の扱いも習うが、その多くは生活魔法な上に、どちらかと言うと教養や政治についてなど貴族向けの授業が多い。それに対し「魔術学院」はやや平民が多めで、教養よりも魔法理論、実践演習、武術などの魔法を使う技術を学ぶのを主体とした場所である。
ヒロインは魔法がすごいのだから魔術学院に行きそうなものだが、確か"魔力量が異常すぎて野放しになると国のパワーバランスがおかしくなる"とかいう理由で王国で管理しやすい魔法学園に半強制で入学したはずだ。もはや存在が天災である。
「ヒロイン」が魔法学園なら、「私」は。
「私は魔術学院がいいかな…まだちゃんと決めたわけじゃないけど。」
「ヒロイン」が入学し、攻略対象者達とであった魔法学園を避ける。それにまだ使えもしないこの私の魔法についてもっと知りたい。この魔力量なら半強制入学も免れるだろう。
「そうなんだ!僕も魔術学院行くつもりだよ!家族も大体そこ出身だしね」
「お、それなら学院行ったらそのときはよろしくね」
「うんよろしく!」
「じゃあ私はそろそろ失礼しようかな、ママに色々話さなくちゃ」
「あ、そうだね僕も帰らなきゃ!それじゃあカナ、またね!!」
「うんまた」
そう言って私たちは別れた。ジークは去り際ずっとこっちに手を振ってきたので、私もできる限りそれに応えた。見えなくなると、私は向き直して家へと向かった。
「それで、私になにか用事が?」
「あ、そうそう忘れてた!カナって魔力量も属性もすごいんだね、驚いて珍しいから声掛けちゃった」
「それをいうならジークもすごいよ、風と光は相性が良いしね」
「僕の家は代々魔力が高めなんだ、僕は特に高い方だったけどね。カナもそうなの?」
「いや、うちはそういう訳ではないと思う。多分私は突然変異。」
「そうなのか!自分の家族以外で魔力が200超えてる人、まして270なんてなかなか見ないからつい声掛けちゃった、ごめんね!」
「いや、私も同い年の知り合いができて嬉しいよ」
「へへ、なら良かった!ところでカナはどこに進学するか決めてるの?」
「私は…」
そう、ママの話によればこの国の少年少女は神の啓示を受けたあと、余程貧乏な家を除きどこかしらに進学する。そして魔法適性が高い者の進学先は「魔法学園」と…どこだっただろうか
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そう、「魔術学院」だ。「魔法学園」は貴族主体で、魔法の扱いも習うが、その多くは生活魔法な上に、どちらかと言うと教養や政治についてなど貴族向けの授業が多い。それに対し「魔術学院」はやや平民が多めで、教養よりも魔法理論、実践演習、武術などの魔法を使う技術を学ぶのを主体とした場所である。
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「私は魔術学院がいいかな…まだちゃんと決めたわけじゃないけど。」
「ヒロイン」が入学し、攻略対象者達とであった魔法学園を避ける。それにまだ使えもしないこの私の魔法についてもっと知りたい。この魔力量なら半強制入学も免れるだろう。
「そうなんだ!僕も魔術学院行くつもりだよ!家族も大体そこ出身だしね」
「お、それなら学院行ったらそのときはよろしくね」
「うんよろしく!」
「じゃあ私はそろそろ失礼しようかな、ママに色々話さなくちゃ」
「あ、そうだね僕も帰らなきゃ!それじゃあカナ、またね!!」
「うんまた」
そう言って私たちは別れた。ジークは去り際ずっとこっちに手を振ってきたので、私もできる限りそれに応えた。見えなくなると、私は向き直して家へと向かった。
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