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新しい世界
第3話 手にした力
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ママの説明を思い出しながら、無事目的地の教会へたどり着いた。というか、大勢の同世代の男女の波があったので、それに着いて行ったら着いた。そのまま列に並ぶと、どんどん流れ作業で列が進んで行く。どうやら神の啓示は、年に一度みんなまとめてやるようだった。ちなみに今はリアムール歴1198年6月らしい(リアムール歴は、リアムール王国の建国日から数えていることを除き、概ね太陽暦と同じようだ)。
そうこうしているうちに、列は教会の中へと入っていった。
「○○○・○○、魔力75、属性土、傾向弱光!」
「△△・△△△△、魔力60、属性火、傾向強闇!」
「ジーク・ロバン、魔力220、属性風、傾向極光!」
他の少年・少女への啓示が聞こえてくる。これを聞いて魔力量が数字で示されることと、傾向には極・強・弱という程度の違いがあることも思い出した。ヒロインは魔力750、極光だったはずだ。ちなみに魔力量の平均はおよそ80、歴代最高値は750でヒロインは1位タイである。
「カナ・ベルナール、ここへ。」
私の番だ。優しいが威厳のある男性の声が私を呼ぶ。恐らく司教だろう。私は言われた通りに前へでる。司教が言葉を続ける。
「緊張するかい?」
「いいえ、大丈夫です」
これは嘘ではない。なぜなら私は知っているからだ。彼の口からでる単語は「水」と「極光」である。だが理由のない不安感にも襲われる。
「では神の啓示を伝える。」
「カナ・ベルナール、魔力270、属性水、傾向極闇!」
教会中が一瞬静まり、そしてどよめきが起こる。平均の3倍以上の魔力量、しかも珍しい水属性だ、当然と言える。だが私が驚いたのはそこではない。
魔力が「ヒロイン」の約3分の1、そして何より傾向が極闇だ。何故だ?
考えられることは1つ。「私」が介入したからだ。恐らく「私」の魔法適性が「ヒロイン」より無いことと、「私」が「ヒロイン」の極光を打ち消してあまりある程の闇の傾向を持っていたのだろう。魔力の方は知らないが、傾向の方は何となく心当たりがある。
「これは『神』ではなくあくまで私の言葉だが」
司教が続ける。
「おめでとう、カナ・ベルナールよ。魔力量、属性共にとても稀有なものです。その才大事にするといいでしょう。……その才にも、心にも潰されぬようお気をつけなさい。神の御加護がありますように。」
見透かされている。そのように感じた。私は恐怖とも感動ともつかない感情を感じながら、司教に答える。
「ありがたいお言葉をありがとうございます。これから精進していく所存です。」
「ハハ、そう固くする必要はありません。さあ、帰ってママにこの話をして差しあげなさい。」
そこは「ご両親」じゃないのか。片親だと言った覚えはないが…まあきっと名簿にでも書いてあったのだろう。「ママ」とは書いてないと思うが。
………私は言われた通りお礼を言ってその場を立ち去る。教会の門を出た。そして私は思う。早速運命が変わってきている。だがそれは私の本望だ。「ねえ君!」 ヒロインの劣化版と化している気がしないでもないが、まあ究極的には死ななければ割と何でもいい。「ねえ!!」前よりはマシなはずだ。
「ねえってば!!!」
そこで私はハッとし声の方を向く。
「あ!やっとこっち向いた!さっきからずっと声掛けてたんだよ??」
「あ、ごめんなさい、えっと…」
「自己紹介がまだだったね!僕はジーク・ロバン、君の1つ前に啓示を受けてた人だよ!」
「ロバン君か、よろしく。私は…」
「カナ・ベルナールさんだよね?僕のことはジークでいいよ、僕も君のことカナって呼ぶね!」
「えっと…うん、よろしくジーク」
そうこうしているうちに、列は教会の中へと入っていった。
「○○○・○○、魔力75、属性土、傾向弱光!」
「△△・△△△△、魔力60、属性火、傾向強闇!」
「ジーク・ロバン、魔力220、属性風、傾向極光!」
他の少年・少女への啓示が聞こえてくる。これを聞いて魔力量が数字で示されることと、傾向には極・強・弱という程度の違いがあることも思い出した。ヒロインは魔力750、極光だったはずだ。ちなみに魔力量の平均はおよそ80、歴代最高値は750でヒロインは1位タイである。
「カナ・ベルナール、ここへ。」
私の番だ。優しいが威厳のある男性の声が私を呼ぶ。恐らく司教だろう。私は言われた通りに前へでる。司教が言葉を続ける。
「緊張するかい?」
「いいえ、大丈夫です」
これは嘘ではない。なぜなら私は知っているからだ。彼の口からでる単語は「水」と「極光」である。だが理由のない不安感にも襲われる。
「では神の啓示を伝える。」
「カナ・ベルナール、魔力270、属性水、傾向極闇!」
教会中が一瞬静まり、そしてどよめきが起こる。平均の3倍以上の魔力量、しかも珍しい水属性だ、当然と言える。だが私が驚いたのはそこではない。
魔力が「ヒロイン」の約3分の1、そして何より傾向が極闇だ。何故だ?
考えられることは1つ。「私」が介入したからだ。恐らく「私」の魔法適性が「ヒロイン」より無いことと、「私」が「ヒロイン」の極光を打ち消してあまりある程の闇の傾向を持っていたのだろう。魔力の方は知らないが、傾向の方は何となく心当たりがある。
「これは『神』ではなくあくまで私の言葉だが」
司教が続ける。
「おめでとう、カナ・ベルナールよ。魔力量、属性共にとても稀有なものです。その才大事にするといいでしょう。……その才にも、心にも潰されぬようお気をつけなさい。神の御加護がありますように。」
見透かされている。そのように感じた。私は恐怖とも感動ともつかない感情を感じながら、司教に答える。
「ありがたいお言葉をありがとうございます。これから精進していく所存です。」
「ハハ、そう固くする必要はありません。さあ、帰ってママにこの話をして差しあげなさい。」
そこは「ご両親」じゃないのか。片親だと言った覚えはないが…まあきっと名簿にでも書いてあったのだろう。「ママ」とは書いてないと思うが。
………私は言われた通りお礼を言ってその場を立ち去る。教会の門を出た。そして私は思う。早速運命が変わってきている。だがそれは私の本望だ。「ねえ君!」 ヒロインの劣化版と化している気がしないでもないが、まあ究極的には死ななければ割と何でもいい。「ねえ!!」前よりはマシなはずだ。
「ねえってば!!!」
そこで私はハッとし声の方を向く。
「あ!やっとこっち向いた!さっきからずっと声掛けてたんだよ??」
「あ、ごめんなさい、えっと…」
「自己紹介がまだだったね!僕はジーク・ロバン、君の1つ前に啓示を受けてた人だよ!」
「ロバン君か、よろしく。私は…」
「カナ・ベルナールさんだよね?僕のことはジークでいいよ、僕も君のことカナって呼ぶね!」
「えっと…うん、よろしくジーク」
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