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裏工作(2)
しおりを挟む「許可がなくとも、やはり盛る。」
「おい!だから…「大切にする。一生この身が朽ちるまで。」」
「確かに。恋愛感情があるのかと問われればわからないとしか答えられない。だが、彼女のことは可愛いと思っているし、昨夜は抱きしめたいとも思った。できれば手の中に閉じ込めて可愛がり続けたいとも思っている。どちらかと結ばれることを選べるならリズが良い。彼女を妻として尊重し大切にする。恋はわからない。だが愛している。」
「それは家族愛と呼ばないのか?」
「問題はないだろう?」
「大アリだ。母親や姉妹への愛と伴侶として愛するのは感情の形が全く違うんだ。恋愛感情っていうのはこう…燃えるような、気付けばその人のことを考えているし、相手の全てを奪って貪りたくなるような、」
「ずいぶん具体的だな。経験があるのか?」
「う…ああ…俺のことは良いんだ。お前のことだからな!」
「夫婦だって、いつまでも恋愛しているわけじゃないだろう。家族愛になっていくとうちの両親は言っていた。そしてより強い絆になるのだと。もしかしたら、リズへの気持ちは、既にその域に達しているのかもしれない。」
「…まぁ、公爵夫妻の仲は良好に見えるな。わかった。だが、もしもリズを裏切るようなことがあったら、国ごと滅ぼすからな。」
「そうか。お互い、国トップに立つ予定の者同士だな。国としての約束になるわけか。書面に残すか?」
「残してもらおう。」
サラサラと文字を書き印を押すと
オリヴァーはぼそっと呟いた。
「…許す。これを読め。」
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