スカートの下には、スパッツを履きなさい!!!!

佐倉 佳和

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絶望の中の光

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もうダメなんだ。そう思って膝を抱えて絶叫しそうになった時だった。
「どうしたの?財布でも盗まれた?」と声をかけてきてくれた男性達がいた。

こんな田舎にホストとかあったけ?って思うくらい、チャラい感じの苦手なタイプの人達だった。
人を見た目で判断してはいけないけれど、こんな人達が私なんかを損得考えず助けてくれるのかと驚いた。
恥ずかしいので財布を盗まれたと誤魔化すことも一瞬考えたが、助けてもらうのに嘘をつきたくなくて、「盗撮されて逃げられてしまった」ことを正直に話した。
すると一人の男性が「面白れぇー‼︎」と興奮して走って追いかけてくれた。こっちは「面白い」なんて言われるのは複雑だったけれど、無視されるより助けてくれるのが本当にありがたかった。

でもアイツが逃げてから時間が経ち、ロータリーからは姿を消している。私は何度も靴が脱げそうになっては、視線を足もとにやっているので、見逃してしまって、もうどこに逃げたのかもわからない。せっかく助けてくれても見つからないかもしれないと心配になった。
すると残っていたもう男性は「仲間の一人が原付だしすぐ捕まえられよ」と私を安心させる言葉をかけてくれた。
私と残ってくれた男性二人で、歩いてアイツを追う。民家へと続く狭い道へと逃げ込んだらしい。

今、改めて考えると大通りではなく、民家へと続く道に逃げこむのは、土地勘があるのかもしれないと思った。初めて来た所では、闇雲に細い道を走れば迷子になる可能性がある。わざわざ犯行に及ぶためにこの駅に来たのではなく、この駅周辺に住んでいて、仕事の帰りやコンビニに行く途中なんかに私を見つけて犯行を行ったのだろうか?

また、追ってくれた男性達には「犯人の顔は?」とか「特徴は?」など、一切聞かれなかった。もしかしたら広いロータリーの離れた場所で私の「助けてコール」を聞いて、わざわざ私の所まで駆けつけてくれたのかもしれない。そう思うと、今更ながらありがたくて、どれだけ感謝してもしたりない。
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