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◆うめとくんはまだ知らない
しおりを挟む気弱受け
吉岡うめと
俺様攻め
加賀あつと
◇◇◇
「なぁ、うめと。いつもの買ってこいよ」
昼頃、幼なじみの加賀あつとにそう言われた。これは僕にとってはいつものことだった。
「うん、わかった」
僕はあつとの機嫌を損なわないうちに購買へと向かった。
佐十山高校名物のメロンパン。かなり美味しい。これを買えば大丈夫。僕、吉岡うめとは今日も平穏に生き抜くために頑張ってます。
そして、購買に着き買えた。買えなかった時のあつとはとても怖い。無事になんとか目的のメロンパンを買え、教室に戻りあつとに渡した。
「ご苦労、ご苦労ー」
あつとはすぐにそのメロンパンを頬張った。そして、僕はスッと自分の席に座った。
周りから見たら完全にパシリってことはわかってる。だけどこう見えて、僕とあつとは小さい頃は仲が良かった。僕だけがそう思っているかもしれないけど。
小さい頃クラスメートから意地悪されていたところをあつとは何回も助けてくれた。まるでヒーローみたいに。
その恩返しにと言ってはなんだけど、このパシリみたいなことをされても何も言わない。
ある日、突然あつとが僕に対して冷たくなった。最初は戸惑ったけど、でもそれは僕のこのナヨナヨした性格が悪いからだと思う。自分で直そうとはしているがそれにうつせる勇気がまず僕にはない。
学校ではろくに人と話せないし、あつとだけが、唯一話してくれる。扱いは変わらないけど。
「あつと~」
どこからやってきた女子生徒たちがあつとの周りに集まった。あつとは、イケメンだからモテる。
すると、僕の前に一人の女の子がきた。
「うめとくん」
「さ、佐々木さん?」
僕はまさか話かけられるなんて思わなかったからびっくりした。
「放課後暇かな?」
彼女は髪を耳にかけ、僕の目線と合うように少し前屈みになった。
佐々木さんは、美人で有名な女の子だ。
そんな子から声かけられるなんて驚きなのに、まず、話したこともない。
「ほ、放課後…?」
「どうしてもダメかな?私が作った衣装をうめとくんに着て欲しくて…」
「え、僕が…!?」
僕なんかが着ても大丈夫だろうか。
断りたいけど、佐々木さんの期待のこもった目を見たら断りづらい。
「この服を作ったとき、すぐにうめとくんの顔が浮かんだの」
お願いと言って両手を合わせる佐々木さん。
まぁ、別に着るくらいならいいかと思った。
「佐々木さん。ダメだよ」
「え、加賀くん?」
「だって、こいつ放課後予定で詰まってるし、第一うめとに手作りの服なんか着させるってどう思う?」
「そうよね…、勇気を出して声かけたけど、うめとくんにはもっと素敵なものを着てもらいし…ごめん!うめとくん、この話なかったことにしてね!」
突然、はいってきたあつとによって、佐々木さんの作った服を着るということがなくなってしまった。
別に僕は着ても良かったけど、佐々木さんの衣装を汚さずに済んだので結果オーライでいいのかな。
佐々木さんが去って行ったすぐにあつとから『今日も俺の家に来い』と言われた。
そして、放課後、いつものようにあつとの家に着いた。
「…っ、ぁ、あつと」
「…ここ気持ちいいだろ?、」
僕たちは放課後、あつとの家でこうやってお互いの体を合わせている。
いつから始まったかはわからない。
快感で頭ん中真っ白になる。
「俺以外から話しかけられて調子に乗んなよ」
「…っ、の、ってない、んっ」
あつとは腰を激しく動かす。
そして、僕の顔や唇にキスをし、首、鎖骨、胸、乳首といった順番で噛みあとを残す。
「…っ、いた、ぃ、よ」
涙が溢れてくるがあつとは気にもとめない。
「お前はずっと、俺のことだけ見てればいいんだよ」
そう言ってあつとは、奥まで貫いた。
昔のように仲良くなりたいのにあつとは僕のことが嫌いだと思うと胸が苦しくなる。
【あつとside】
昔からの大好きな幼なじみ。
俺がうめとのこと、そういう目で見出ることに気づいたのは早かった。
気が弱くて、俺が守ってあげないといけないと思った。
うめとが誰かと話しているだけで、イライラする。だから、学校ではうめとをみんなから遠ざけるためパシリとかなどして近づき難くしているもそれでも話しかけてける奴がいるから困っている。
まぁ、うめとはとても綺麗な顔立ちをしていてみんな恐れ多いくて話しかけれないといったほうがいいけど、今日みたいに佐々木とかいう女が図々しく近づいてくることがある。
自分の容姿に気付いていなく、みんなうめとと仲良くなりたいと思っていることをまだ知らない。
うめとは、俺と昔のように仲良くなりたいと思っている。だけど、それじゃだめなんだ。
だから、放課後うめとを騙して毎日セックスしている。
早く俺のこと好きになれ。
無理やりこんな方法をしている自分は情けないが今更もう遅い。
俺がうめとのこと好きだってまだ知らない。
だから、うめとが俺を好きになるまでこの気持ちは教えてやらない。
【完】
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