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◆妹の彼氏
しおりを挟む主人公受け
佐田稜
年下攻め
鏑木 依
◇◇◇
佐田稜。それが俺の名前。
「お兄ちゃんただいま~」
そしてこいつ、妹の凛。
「お邪魔しています。お兄さん」
妹の隣にいるこいつは鏑木。下の名前は忘れた。何を考えているかわからないやつ。
この前、俺と妹の部屋を間違えて変なことをしていた。しかも何度も。俺の部屋だって何回も言っているのに学習しないのか。
変なことはというと、俺のベッドにダイブしてニヤニヤ笑っていたり、明らかに男もののTシャツのにおいをかいでいた。
他にもやばいことはたくさんあったが思い出すと俺がダメージを受けてしまうため、これ以上は言えない。
いくら部屋間違いでも行動が気持ち悪いだろ。でも、妹がこいつを好きなら仕方ないけど陰でこんなことしてるって絶対引くぜ。
まあ、妹に、俺の大好きなプリン食べられたから真実は言わないけど。
「ねぇ、お兄さん」
リビングのソファに寝転がっていると、例の妹の彼氏がやってきた。
「なに?凛は」
「今、着替えに行きました。そんなことより、昨日は何していたんですか」
「うーん。学校休んで、ゲームしてた」
はい、そこ。俺をクズと呼ばない。
「へへ、そうなんですね。風邪ではなくて何よりです。メモメモ」
「メモってなんだそれ」
「だって、彼女の兄さんなんですよ。気になるじゃないですか」
「そういうものか?お前もこのゲームする?」
「いいえ大丈夫です。お兄さんの顔見ているだけで十分ですから」
「変なやつ」
「へへ。今度、二人でどこか食べに行きませんか?」
「え、やだよ。外出るの面倒くさいし、第一お前は凛とでも行けよ。付き合っているんだし」
「そーんなー。酷いですよ。凛とはいつでもいけるけど、お兄さんとは滅多にいけないじゃないですか」
おい、そのキラキラした顔近づけんな。
「いやだよ。妹の彼氏となんて」
「…じゃ、彼氏やめちゃおうかな」
「え、なに?聞こえなかった」
「いえ何でもないです。お兄さんが素敵だなって」
「きも」
「えー、そう言わずに照れているんでしょ」
気持ち悪い彼氏ができたんだな、凛さん乙ってそのころはそう考えていた。
「ぁッ…もうやめろ」
「まだですよ。一緒にイクまでは」
「はぁ…っ、う、ぁんッ!」
「イったね、すごいかわいい」
そう言って、俺にキスを何度もする。
「お前、俺にこんなことして何がしたいだよ!」
「なにってわからないですか」
「うっ、ん」
まだ俺の中に入っているそれは動き出す。
「出したのにまた元気になってしまいました」
「ぁ、う、ン」
そしてこいつは満足するまで俺を抱き殺した。
解放されると、お互い裸のまま抱き合う形になった。
「俺幸せです…」
俺の頭を優しく撫でながら奴はそう言った。
「俺は地獄だ」
「ふふ、そんなこと言って、俺のコレでかわいく鳴いていたじゃないですか」
奴はそれを俺のにこすりつけてくる。俺はやんわりとよける。
「やる相手間違えているだろ…」
呆れて笑えない。
部屋を間違えるレベルじゃねぇぞ。俺と妹の凛は全然、似てないだろ!
「逃げないで下さい。それに俺は何も間違ってませんよ」
引き寄せられ、またお互いのが重なり合う。
感触が気持ち悪い。
あんなに何回もしたのにこいつまだ元気だ。
「何が間違ってないだよ。俺、凛じゃないぞ」
「はい。知ってます。それぐらいわかりますよ。お兄さんってかわいいですね」
なぜか俺を馬鹿にしてきた。
「間違えてないって、お前正気かよ」
「正気ですよ。だって俺凛よりお兄さん、いや稜さんの方が好みだし」
おいおい。こいつは何を言っているんだ。
「もう一生俺と妹に近づくな」
「へぇ、酷いなぁ。このこと、言っていいんですか?凛が悲しみますよ」
「脅す気かよ」
「稜さんのことになると俺余裕ないんで使えるのはとことん使います。ねぇ、妹の彼氏を寝取ったの、バレたくなければわかりますよね」
そっと耳元に囁かれた言葉に俺は何も言えなかった。
こいつ、やばい。
「稜さん、愛してます。ゆっくりと俺を好きになってくださいね」
【鏑木side】
あぁ、初めて出会った時運命だと思った。
名前は佐田稜さん。
あまり人と関わることが苦手なのかいつも一人でいる。
歩くだけで人が振り返る。
そう、まるで天使。
欲しい、
俺、この人が欲しい。
陰で見つめるだけじゃ、抑えきれなくなった。
その人に近づくために俺は妹を利用した。
そして関わるうちに、前よりもっと好きになった。
そんな綺麗な容姿で、休みの日は、ゲームしてるとかとっても可愛い。まぁ、この人は何をしても可愛いけど。
あぁ、愛しい稜さんが隣にいる。
襲いたいな。キスしたいな。全部、俺のものにしたいな。
卑怯なやり方だけど、やっと手に入った愛しい 人。
二度と離さない。
【完】
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