ヤンデレBL作品集

みるきぃ

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◆絶対服従

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主人公受け
吉野涼太


アンチ王道攻め
咲川瑶


その他
会長



◇◇◇





「おい。いつまで瑶に付き纏う気か?」



もの凄い剣幕で壁をドンとされたが特にキュン的なものは無い。ここは人里離れた場所にある全寮制の男子校。もちろん、生徒も先生も全員が男である。


閉じ込めれられているせいか自然と同性に好意、所謂恋愛感情を持ってしまうという…ホモのすみか。


そんな男子校に通っている俺の名前は吉野涼太。決して男は好きではない。



そして、今怒りを俺に向けて胸ぐらを掴んでいるこの人は大規模な親衛隊がバックについている生徒会長、神月尚史。

怒りの理由とは冒頭で言っていたことだ。




「反応なしか?お前が瑶に付き纏っているせいで俺は瑶と長くいられないんだぜ?」


さすが抱かれたいNo.1でもあるこの人は近くで見るととても美形でカッコいい容姿をしている。


とりあえず、何か知らないけど謝っておこう。




「ご、ごめんなさい?」


反応しないと痛い目に合うだろうと思い、即座に謝った。別に、悪いことしてないのに。





「ほー?謝れば済むと思ってんのか?」


おい、顔近いぞ。



「ごめんなさい」


「前もそうやって謝っていたけど、実際行動にも出さず、ずっと瑶の隣にいやがったじゃねぇか」



口の端をあげ怖い笑みで俺を見下ろしてくる。

…こわっ。鳥肌たったわ。




「…本当ごめんなさい」


俺はただ謝るだけしかできない。

いや、本当に瑶から離れるなんて無理だから。



謝ることしかできない俺を見て余計に会長を怒らせたみたいだった。





「お前、まじうぜぇ。消してやる」




会長は俺の首に手を伸ばし両手で締めた。



ちょ、うそだろ、そんな予想外なこと考えてねぇよ。




やばい…。どうしようこれは殺される!


命の危険を感じたが逃げられない。







「…っぁ」



変な声が漏れる。

その途端、なぜか会長の力が緩んだ。




「や、やめろ…っ、」


すると、グイと会長の顔が近づいた。



ん?なんか、会長の顔赤くね?



って、呑気にそんなこと考えている場合じゃねぇ。






『おーい!!涼太ーーー!何してんだー?』




すると、救世主が遠くの方で俺の名前を大声で呼ぶのが聞こえてきた。神様っていたんだ。




その声に気づいた会長は素早く首を絞めるのを止め、手をはなして俺から離れた。





「…っ、はぁっ」


思いっきり息を吸い込んだ。

……苦しかった。


待て待て会長、こわ。

もう嫌この人。





一先ず、助かったことに安心し、息を整えているとさっき俺を呼んだその人が隣までやってきた。




「おーい。どうしたのか?そんな息を荒くして」


心配そうに俺の顔を覗き込むのは咲川瑶。

ずっと昔からの付き合い。



瑶は、性格が明るいせいか生徒会メンバーとか次々に美形をおとしていった。


だからそう…。さっき俺の首を締めていた会長も瑶のことが好き。だからいつも一緒にいる俺にイラつきが芽生えてしまったみたいだった。




「涼太本当に大丈夫か?顔色悪いぞ?」


「あ…うん大丈夫だよ。心配したくれてありがとう」



これ以上、瑶に心配させてはいけないと思い、笑顔を見せた。




「そっか!なら良かった!!あ、尚史も一緒にいたんだな!」



瑶は今会長がいることに気づいたみたいだった。あはは。俺がそれ言ったら即死だけどな。





「俺様を忘れるとはいい度胸だな。今晩俺の部屋に来い。可愛がってやる」



うわ。また始まったよ。




「なぁ、涼太。今から部屋に戻ろうぜ!見せたいものがあるんだ!!」



瑶は、目を輝かせながら、会長をよそに俺に話しかける。おいおい。無視しちゃダメだろ無視しちゃ。ほら見ろ、会長が睨んでやがる。




「ほら、涼太部屋に行くぞ!!」


瑶は、俺の腕を引いていく。

うわ~、すれ違いざまに会長が『コロス』と口パクで言ってたよ。


もう、俺明日生きてるかなー。なんて呑気なことを考えていたら、部屋に到着。






ドンッ!



会長のドンとは打って変わって本気の恐怖のやつだった。



なにこれ怖い。

ま、いつものことだけどさ。



脳内を冷静に保とうとするが、今日の瑶はいつもより怖い。





「おい。お前、なに俺の許可なく会長に近づいてんだ?」


いやいや。待て待て。

「え、えーっと、あっちが俺に近づいてきたといか、なんというか」




ドンッ!

ビクッと肩を揺らす俺。


おいおい、信じろよ。俺はお前にだけは嘘ついたことないんだぞ。てか、今日めっちゃドンドンされるドン。太鼓の◯人みたいな感じで言ってみた。

ちなみに瑶は俺と二人きりになるとキャラが変わる。



「あ!そ、そうだ!俺に見せたいものって…?」


ここは一先ず話を変えよう。




「んなのあるわけねぇだろ、下僕」



「えー、」


ですよねー。瑶が俺なんかに物なんてくれるわけないの知ってたし。

少しは期待した俺が馬鹿だった。





ん?


おっと?

気づくと、瑶の顔が近い。


「こんなに会長と顔を寄せて一体なにをしてたのかな?」


うわ~、瑶の綺麗な顔が…眩しいです。




「殺されかけてたよ」


「あはは。涼太は素直で可愛いな」



「言っとくけど笑い事じゃないぞ。首絞められてたからな」



「…へぇ」



「瑶だって見てただろ!まぁ瑶のおかげで今生きてるけど」


「でも俺、自分の所有物触れられるの嫌なんだよねー」



「別にいいじゃん。俺は瑶にしか興味ねぇよ」


と、本当のことを言ったら、瑶は口を押さえてとりあえず離れてくれた。




「お前って本当に…」


何?と聞いたが答えてくれなかった。


「あ、言っとくけどそもそも瑶のせいで会長に絞められてたからな」


そこ重要、と付け加えた。



なのに、瑶は俺の言葉を無視して爆弾発言をした。



「それより、勃ったからセックスするぞ」



えっ、

何ですと




「何だよ、その顔は。いつもしてるだろ」



「何で勃つんだよ」


「お前が可愛いこと言うからだ」



いつそんなこと言った。

全く、瑶の考えていることがわからない。




あっそうそう。ちなみに俺の初体験は小学5年生の頃だからな。すでに処女喪失ってやつです。小学5年生で初体験を終えたがその前はずっとキスしてた仲だからな、俺ら。




まぁ、今からここでセックスしようが俺と瑶は同室だから誰にもバレない。

やりたい放題ってなわけ。


別に俺はそんなのしたくないけど、瑶の気分でやる感じ。





「ほら、ベッド行くよ」



瑶に手を引かれ、ベッドに腰をおろしたらすぐに服を脱がされた。


そして、瑶も服を脱いだ。



わぁー、とても元気なアレが顔の前をブンブンと揺れてるんですけど。




「舐めて」

すっごいエロい顔で俺を見下ろし、声は痺れるほどの低音ボイス。


俺は瑶の言った通りに行動する。

ゆっくりと触れ、皮を剥き舌で先ちょを舐めた。



「んっ!」


すると、痺れを切らしたのか瑶は俺の後頭部を押さえて前後に揺らした。

おいおい。てめぇ強引にすんじゃねぇよ。

そう目で訴えるが逆効果で瑶のスイッチが入ったみたいだった。



「いいよ…っ、そう良い子だ」


「んっ、ンふ、」



激しくなっていく腰つき。

そろそろイきそうになる時にやめて、そっと俺の口から瑶のソレを抜いた。




「横になれ」

ギンギンになったソレ。達してなくて苦しそうだった。



俺がベッドに仰向けで横になると、瑶は思いっきり俺の脚を広げた。





「お前の中で出すから」


そう言って、慣らさずに瑶のが入ってきた。





「ンんっ、はぁっ、よ、瑶…っ待ってッ」

 
俺の声なんて瑶には届かず、俺の体は揺れベッドの軋む音が激しかった。



それから何度も俺の中で達し、その後、何回もめちゃくちゃセックスした。





瑶は俺の小さい頃からのヒーローだった。

俺の父親が瑶の家(豪邸)の庭を手入れしていてよく俺も父親の仕事についていきそこで瑶と知り合った。


その時からよく一緒にいることが多くなり、こんな親密になるの仲にまでなった。




俺は見事に瑶に骨抜きにされた。

瑶は性格に問題があるがいいやつなんだよな。



瑶は俺のことなんて、何とも思ってないと思うが俺にとっては大事な存在なんだ。








前も言ったが一応また言っておく。

俺は男は好きではない。




瑶だから良いだけ。それをわかってもらえると助かる。




横で寝る瑶の手を握った。




────
──────
────────







「よぉ、また会ったな」


背後から肩を掴み、振り向いたら怪しく笑う会長の姿があった。



「何か用ですか?」



「お前、自分の立場がわかってねぇのか?」


ニッと、笑って俺の腰に手を当てそしてだんだん下におりていき、さりげなくケツ触ってやがる。



「そこ触らないでください。痛いので」


昨日、瑶にズコバコされてしまったのでなるべくそこに刺激を与えないでほしい。



「ケツがいてぇだと?てめぇ!!この淫乱が!!」



「えっ」


おい、何慌ててんだよ。



「しかもよく見たらキスマーク!!」


「虫に刺されただけですよ」


「嘘つけ!じゃあ、なぜケツがいてぇんだ?」



「尻もちついただけですよ」



「本当だろうな!?」



「はい」



なぜか胸ぐら掴まれてんですけど…。



昨日の続きで俺、殺されちゃうんですか。何それやだ。




すると、顎をクイッと持ち上げられた。



これはまさか、また首を絞められるパターンか。







と、思ったら



「か、会長さん。顔が近くないですか?」


「う、うるせぇな!黙ってろ」


息を荒くした会長のドアップ。


いくら顔が綺麗だからって男にそんな近づけられると鳥肌もんじゃん。



なんて、呑気のこと考えるから




「ンん!」


会長との距離が0センチ。

そして、お互いの唇が触れている。


おいおい。

嘘だろ!!こいつ正気か!?



「ンんっ、ンふ!!」


逃れようとするが、会長の手が俺の後頭部を捉える。

しかも隙あらば舌を入れてくるのやめろ!





なぜ俺にキスする!?

嫌がらせなのか!!




俺は瑶しか受け付けないんだ!!





「涼太ー!!俺から離れるなって言っただろ!!」



またどこから嗅ぎつけたかしらないが救世主の声がした。


よ、瑶…!助けてくれ!!


と、思った瞬間、会長も瑶の声に気がついたのかパッと素早く俺から離れた。



俺は息を整えるため必死だった。





「また息を荒くしてどうしたんだ?大丈夫か?」


違う意味でデジャブ感。



「へ、平気だよ」



「それより、何でまた俺から離れたんだ!!涼太はすぐに目を離すといなくなるんだから、俺に心配かけちゃだめだぞ!」


「ごめんなー、瑶」



「謝ったから許してやるぞ!」



「心広っ」


あっ、つい心の声が。




「ほら、早く授業始まるぞ!!」


「もうそんな時間か」



「これだから涼太は俺がいないとだめなんだぞ」



涼太の言う通り、俺は涼太がいないと何もできない。









「じゃあな、会長さん」

俺は嫌味たっぷりに笑った。

さっきキスした罰だ。




お前、また瑶に気づいてもらえないからって俺を睨むんじゃねぇ。





へへ、小さい頃からの付き合い舐めんなよ。

瑶は譲ってやんねぇぞ。



悔しそうな顔してやがるぜ。





そして、俺たちは教室に向かった。










うん。

そうだ、教室に向かってたんだ。




なのに、




「おい、こら瑶…っ!ンんっ」


近くのトイレに連れ込まれた。

トイレに入るなり、熱いキスをかましてくる。





背中は壁にもたれ、そして、俺の足の間に瑶は足を入れ、男の大事なところをグリグリと刺激してくる。


こいつ…わざとだ。







「お前、俺のもんっていう自覚あんのか?」


「…っん!」



「あんな雑魚に簡単にキスされやがって」



冷たい目。

瑶の手が伸び、頬をつねられた。




「ごめ、んらはい…、」



瑶が怒るとなかなか機嫌を直してくれない。



言い訳に聞こえるかもしれないがちゃんと自分の気持ちを伝えよう。





「俺だって瑶以外の奴なんかのキスなんて嫌だよ。アイツ本当にありえない。あんな嫌がらせ初めてだ」



「嫌がらせって…そんな可愛いもんじゃねぇよ、バカ」



コツンと、小突きされた。



「いてて…おいおい。俺は被害者なんだぞ。なぜ俺を小突くんだ」


暴力反対。




「涼太は身体で教えないとわからないから」


「俺はMじゃない」




「はいはい。でも俺相当今怒ってるからね」



笑みを浮かべながらそう言われてると怖い。


確かに瑶は昔から自分の所有物を他人にあれこれされたら気にくわない奴だ。




でも俺だって…したくてしたわけじゃないのに。



捨てられたらどうしよう…。






「ふふ、涼太反省して泣いてるの?」



「泣いてない」



「泣いてるじゃん、ほら」



なぜ俺が泣いてるかわかってるくせに。










「瑶…俺を捨てないで」


涙を拭いながら、瑶に訴える。







「…よくできました」


何とも言えない満足気の瑶の顔。


そして、わしゃわしゃと犬を撫でるように俺を撫でた。








授業そっちのけでその後、殺される勢いでめちゃくちゃセックスした。










「涼太…俺から離れるの禁止だからね」



笑う横顔。

俺は頷いた。




【完】






◇追記


瑶は涼太と付き合っていると思っています。
涼太は自分なんて瑶に何とも思われていないと勘違いしています。それに気づくのはそろそろ。

会長のコロスは抱き殺すって意味です。
会長は瑶を好きかと思いきや涼太が大好きでたまらない奴です。



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