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しおりを挟むリアム様が出て行ったあと、それから俺はしばらく図書館で本を探し、気になった本を一冊借りて帰ることにした。
そして帰りながら、思い出す。
あー、しかし緊張した。本当に間近で見るリアム様は眩しかったな。国宝級イケメンだよ、あれはマジ。しかも中身もいいとか素晴らしい要素ありまくりでチートだと思います。
しかも、そんなリアム様とついつい恋バナまでしちゃったよ。贅沢過ぎる話だ。
それに俺が悪いことしているという話にあんなことを言ってくれるなんて驚いた。リアム様にとっては目で見たものがリアルというあれかな、噂は信じない派みたいな。普通だったら、悪いことしているかもしれない奴がいたら嫌うし、近づかないと思う。まぁ、俺がマリーの双子の兄だから仕方なくとかの理由だったら落ち込むけどそれはないと信じたい。
それにしても危ないところだった。リアム様が言わなかったら正直気づかなかった。本当に盲点だった。俺とマリーの目の色は違う。そう言えばあの俺様野郎(レオナルド)も言っていたな。だからあの時、『その目の色が気に食わない。イライラする』と文句を言っては、やたら俺の目の色を気にしていたんだなと気づいた。全く目の色なんて覚えているなよ、と心の中で理不尽な要求をし、悪態ついてしまう。
そんなことを考えながら歩いていると、『アレンっ!』と俺の名前を呼ぶ聞き覚えのある声が後ろから聞こえてきた。
後ろを振り返ると、そこには息を切らしたマリーが走ってきていた。
「はぁはぁ…よかった、やっと見つけた。もうどこに行っていたの?」
「図書館に行っていたんだ。息が上がっているみたいだけど、大丈夫?」
マリーにさっき借りてきた本を見せる。
「大丈夫よ。部屋にもいなかったようだったから、心配したの」
ゆっくりと息を整えながら話すマリー。俺を探すために息まで切らして…、申し訳ない。不安にさせたくないのに、いつも俺はマリーに心配をかけてしまう。しかも部屋まで探しに行ってくれていたのか。それなら帰る時に、ひとこと図書館に寄ることを伝えておくべきだったと後悔した。
「ごめんね。マリーが用事で遅くなるみたいだったから、言うのを忘れていた。図書館に行くことを言っておくべきだった」
マリーは首を振る。
「私が勝手に心配しているだけだから謝らないでいいのよ。あと今日は一緒に帰れなくてごめんね」
顔をうつむけるマリー。
「マリーの方こそ謝らないでよ。ほら顔あげて?」
「アレン…?」
自分の顔に両手の人差し指を口角近くの頬に当て押し上げることで笑顔を作った。
「…っ!!え、急になに、アレンかわいい」
「ほら、マリーもやって」
「えっと、こ、こう?」
それから二人しておかしくなり笑い合った。
「ふふ、アレンってばおかしい」
大事な妹だし、不安な顔よりマリーにはずっと笑顔のままでいてもらいたい。
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