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しおりを挟む「マリーのこと?」
リアム様とマリーが日頃、どんな会話しているのか気になる。リアム様から言い出してくれて聞きやすい。リアム様とマリーは同じクラスなので普段、マリーとはどんな感じなのか探って、参考にして応援の糧にしたい。
「聞くのは迷ったがマリーはその…何かの病気なのか?」
「へ?」
何を言うかと思ったら、マリーが病気?深刻そうなリアム様に対して、俺は予想外のことに呆気にとられる。
「こんなことを急に聞いてしまってごめんね。アレンしか聞ける人がいないくて。実は小さい頃、パーティーで初めてマリーと出会って、その一度だけしか会えていなかったけど、僕はそのマリーのことが好きになってしまったんだ」
リアム様は照れくさそうに話しながら頬を掻き、その頬は少し赤くなっていた。
「あの時の無邪気な笑顔に、綺麗で透き通ったエメラルドの瞳。マリーは覚えていないけど、お菓子作りが得意みたいで、僕が食べたいって言ったら、『将来私の旦那さんになったらね』なんて言われて中身もものすごく可愛くて。そんな魅力的なマリーに長い片想いをしているんだけど」
大丈夫、両想いだよ。
マリーはリアム様のこと気になっているって言ってたし。どんどんアタックしていけば上手くいくと思う。
「そうだったんだ。リアムはマリーのことをすごく考えてくれていたんだね。でもなぜ、マリーを病気って思ったんだ?」
マリーからは特にそんなこと聞いていないし、長年一緒にいるんだ。俺が知らないわけがない。きっと何か誤解をしているに違いないと思った。
「初めて出会った時のマリーの目の色と今のマリーの目の色が変わっていたんだ。目の病気か何かと思って心配だったんだ」
「め、目の色…?」
どういうことだ?小さい頃からマリーの目の色なんて変わっていないぞ。だって、マリーの瞳の色はサファイアのように青く…ってあれ?
俺、今重要なことを忘れていないか?
…っ。
うん。忘れている。
なぜ今になって気づく。
自分の身体から冷や汗が流れる感覚がわかる。自分を責めたい…というより殴りたい。
俺とマリーは双子だけど、目の色、違うじゃないか!!
馬鹿なのか、俺。今更どう誤魔化せばいいのかわからない。
『実は病気なんだ』『突然、目の色が変わったんだ』なんて嘘をついて後からバレたらアウトだし、今までの計画が台無しだ。
ど、どうする俺。
「え、えっと、よくわかんないけど、マリーは病気じゃないよ!マリーのこと心配してくれてありがとう。もしかしたら、く、暗くてよく見えなかったとかじゃないかな?」
人って焦ったり動揺すると早口になってしまう。気づかれないといいけど。
「そんなことはなかったと思うけど、アレンが言うならそうだよね」
まだ納得は言ってないようだが何とか誤魔化せた。危ない、危ない。大変なことになるとこだった。と安心したのも束の間。
「そういえば、なんでアレンは小さい頃のあのパーティーに参加していなかったんだ?」
ちょっと待ってリアム様。
何でさっきから触れてほしくないことを質問するんだよ!?
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