34 / 43
34
しおりを挟む「と、とにかく僕は、アレンのこと怒っていないから!!」
「ほ、本当?ありがとう」
こんなにも優しいオリバー。普通は責めてもいいくらいなのに。
「そ、それにね、アレンはわからないと思うけど、無視しているのにいつも傷ついた顔して、僕のこと心配そうな目で見ていたり、話したくてたまらないみたいな顔していて可愛かったよ。そんなの見たら嫌いになるわけないし、怒るなんてことは絶対になかったよ」
「え…な、何それ」
俺、顔に出ていたの?バレバレだったってことか!?恥ずかしすぎる。
「ちょ、ちょっと!!何でアレンとオリバーが話しているの!?」
あとから現れたヒロインちゃんは俺とオリバーが話しているところを見て驚いているみたいだった。
すると、オリバーはヒロインちゃんを挑発するかのように俺の肩を抱いた。
「実はアレンとは、こういう関係になったんだよ」
そうだよね、と俺に笑顔でそう言ってくるオリバー。
ん?どういうことだ?友達だってことか?嬉しいことしてくれるじゃん!
「アレンから離れてよ!」
ヒロインちゃんは、俺の肩に回されていたオリバーの腕をといた。
「アレンといい感じだったのに」
残念そうなオリバー。
「そんなの知らないわ!それより、こういう関係ってどういう意味よ!私がいない間に何があったの!?」
ヒロインちゃんは、必死の形相で俺を問い詰めた。
「今まで無視したことを謝って、…えっとその、と、友達になりました?」
友達だよね?違うとか言われたら泣いちゃう。
「と、友達…?ちょっと、オリバー。紛らわしいことしないで!!」
「紛らわしいことなんてしていないよ。今は、友達でもこれからもっと深い関係になっていく予定だから」
「うぅ、私だって!!せっかく、私だけアレンと話せて特別だったのに~!!悔しい」
なんだかんだで仲が良いオリバーとヒロインちゃん。本当、二人は優しい。俺なんか殴られてもいいくらいなのに。これから二人は大事にしていきたいし、仲良くなりたい。
「ね、オリバーとミシェル。…こ、これからも俺とたくさん話してほしい、です」
うわ、ちゃんと思いを伝えようとしたのに、噛んでしまった。穴があったら入りたい。
「…っ!当たり前だよ!!!」
「なんて可愛いこと言うの!?当たり前じゃない!」
二人はなぜか胸を押さえながら『よろしくね』と言ってくれた。
「あ、ありがとう二人とも」
俺、今、友達と話せて…青春している?なにそれ楽しい。これからはマリーの恋の応援をして、自分も青春して過ごしていきたい。
今日は二人とたくさん話せてよかった。今度どこかへ遊びに行こうと誘われてしまった。その時はマリーに相談しなきゃいけない。俺だけ楽しむより、マリー命の俺にとっては、マリーとも一緒に楽しみたい。
そして放課後、いつものようにマリーと会って帰ろうとしたけど、今日は、マリーが遅くなるみたいなので、俺は初めてこの学園の図書館へ行くことにした。
ゲームも好きだけど、本を読むのも昔から好きだった。
初めて、この学園の図書館にきたけど、うん。やっぱりすごいな。本の数がものすごいほど揃っている。これは読み放題だ。
まずは何から読もうかと考えていたら、誰かと肩がぶつかった。
「ご、ごめんなさい…え?」
一瞬、心臓が止まったかと思った。
リ、リアム様!?
謝りながら隣を見上げると、そこには、俺の推しであるリアム・サイラスがいた。
…相変わらず眩しいな、リアム様は。
142
お気に入りに追加
4,062
あなたにおすすめの小説

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈
めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。
しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈
記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。
しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。
異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆!
推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!

実は俺、悪役なんだけど周りの人達から溺愛されている件について…
彩ノ華
BL
あのぅ、、おれ一応悪役なんですけど〜??
ひょんな事からこの世界に転生したオレは、自分が悪役だと思い出した。そんな俺は…!!ヒロイン(男)と攻略対象者達の恋愛を全力で応援します!断罪されない程度に悪役としての責務を全うします_。
みんなから嫌われるはずの悪役。
そ・れ・な・の・に…
どうしてみんなから構われるの?!溺愛されるの?!
もしもーし・・・ヒロインあっちだよ?!どうぞヒロインとイチャついちゃってくださいよぉ…(泣)
そんなオレの物語が今始まる___。
ちょっとアレなやつには✾←このマークを付けておきます。読む際にお気を付けください☺️

BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください
わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。
まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!?
悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。

推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。

タイトル未定
みるきぃ
BL
前世で大好きだった少女漫画の推しキャラの親友かつ幼なじみに転生した俺。推しキャラの幸せのために幼少期から計画を立てて完璧な男に鍛え上げようと頑張る話。『悠生、愛してるよ』『君の方が気になる』いや、何か思ってたの違う。って話。

【蒼き月の輪舞】 モブにいきなりモテ期がきました。そもそもコレ、BLゲームじゃなかったよな?!
黒木 鳴
BL
「これが人生に三回訪れるモテ期とかいうものなのか……?そもそもコレ、BLゲームじゃなかったよな?!そして俺はモブっ!!」アクションゲームの世界に転生した主人公ラファエル。ゲームのキャラでもない彼は清く正しいモブ人生を謳歌していた。なのにうっかりゲームキャラのイケメン様方とお近づきになってしまい……。実は有能な無自覚系お色気包容主人公が年下イケメンに懐かれ、最強隊長には迫られ、しかも王子や戦闘部隊の面々にスカウトされます。受け、攻め、人材としても色んな意味で突然のモテ期を迎えたラファエル。生態系トップのイケメン様たちに狙われたモブの運命は……?!固定CPは主人公×年下侯爵子息。くっついてからは甘めの溺愛。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる