悪役令嬢の双子の兄

みるきぃ

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「と、とにかく僕は、アレンのこと怒っていないから!!」


「ほ、本当?ありがとう」


こんなにも優しいオリバー。普通は責めてもいいくらいなのに。




「そ、それにね、アレンはわからないと思うけど、無視しているのにいつも傷ついた顔して、僕のこと心配そうな目で見ていたり、話したくてたまらないみたいな顔していて可愛かったよ。そんなの見たら嫌いになるわけないし、怒るなんてことは絶対になかったよ」



「え…な、何それ」


俺、顔に出ていたの?バレバレだったってことか!?恥ずかしすぎる。






「ちょ、ちょっと!!何でアレンとオリバーが話しているの!?」


あとから現れたヒロインちゃんは俺とオリバーが話しているところを見て驚いているみたいだった。

すると、オリバーはヒロインちゃんを挑発するかのように俺の肩を抱いた。



「実はアレンとは、こういう関係になったんだよ」


そうだよね、と俺に笑顔でそう言ってくるオリバー。

ん?どういうことだ?友達だってことか?嬉しいことしてくれるじゃん!




「アレンから離れてよ!」

ヒロインちゃんは、俺の肩に回されていたオリバーの腕をといた。



「アレンといい感じだったのに」

残念そうなオリバー。




「そんなの知らないわ!それより、こういう関係ってどういう意味よ!私がいない間に何があったの!?」


ヒロインちゃんは、必死の形相で俺を問い詰めた。



「今まで無視したことを謝って、…えっとその、と、友達になりました?」


友達だよね?違うとか言われたら泣いちゃう。





「と、友達…?ちょっと、オリバー。紛らわしいことしないで!!」


「紛らわしいことなんてしていないよ。今は、友達でもこれからもっと深い関係になっていく予定だから」


「うぅ、私だって!!せっかく、私だけアレンと話せて特別だったのに~!!悔しい」



なんだかんだで仲が良いオリバーとヒロインちゃん。本当、二人は優しい。俺なんか殴られてもいいくらいなのに。これから二人は大事にしていきたいし、仲良くなりたい。










「ね、オリバーとミシェル。…こ、これからも俺とたくさん話してほしい、です」


うわ、ちゃんと思いを伝えようとしたのに、噛んでしまった。穴があったら入りたい。






「…っ!当たり前だよ!!!」


「なんて可愛いこと言うの!?当たり前じゃない!」


二人はなぜか胸を押さえながら『よろしくね』と言ってくれた。





「あ、ありがとう二人とも」


俺、今、友達と話せて…青春している?なにそれ楽しい。これからはマリーの恋の応援をして、自分も青春して過ごしていきたい。


今日は二人とたくさん話せてよかった。今度どこかへ遊びに行こうと誘われてしまった。その時はマリーに相談しなきゃいけない。俺だけ楽しむより、マリー命の俺にとっては、マリーとも一緒に楽しみたい。





そして放課後、いつものようにマリーと会って帰ろうとしたけど、今日は、マリーが遅くなるみたいなので、俺は初めてこの学園の図書館へ行くことにした。


ゲームも好きだけど、本を読むのも昔から好きだった。



初めて、この学園の図書館にきたけど、うん。やっぱりすごいな。本の数がものすごいほど揃っている。これは読み放題だ。


まずは何から読もうかと考えていたら、誰かと肩がぶつかった。




「ご、ごめんなさい…え?」


一瞬、心臓が止まったかと思った。




リ、リアム様!?

謝りながら隣を見上げると、そこには、俺の推しであるリアム・サイラスがいた。



…相変わらず眩しいな、リアム様は。




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