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しおりを挟む本当に悩む。
「アレン!今日暇だったら僕の部屋に来ない?」
俺の頭を撫でながら話し出すオリバー。
なぜ、撫でる必要性があるのか問いたいが無視している身としては言えない。
「無視するなんて、寂しいよ」
うん。無視するこっちもきつい。
悩んでいるそばからオリバーは、俺の手をとりキスしてくる。すぐに手を引っ込めた。
それやめてくれ。もう無視するのつらい。
俺が耐えられない。
オリバーはいい子なのに、こんなことさせてしまっている俺が悪い。
オリバーはマリーのことが好きだから、なるべく協力したい。
もう一度マリーに、相談しよう。そしたら、きっとマリーもわかってくれるに違いない。
このままじゃ、だめだ。
オリバーは俺の肩に自分の頭をもたれかけてきた。
「アレンって良い匂いだよね」
クンクンと犬みたいに匂いを嗅いでいる。本当にワンコみたいだ。
でも、恥ずかしいから匂いを嗅ぐのやめてほしい。
「あとさ、そのエメラルドの綺麗な瞳も、サラサラで輝いているこの金髪や美しい顔立ちも、そして実はめちゃくちゃ優しくて妹想いのところも、アレンの全部好きだな」
うぅ、殺し文句?
それを耳元で囁かれる俺の身にもなって!
好きになる要素なんて、今まであった?
「友達からはじめたい…だめかな?」
俺も友達になりたい。
そして毎日たくさん話して、今までのこと謝りたい。
何も言わない俺を見て、頬にキスしてくる。
「無視した罰。へへ」
「…~っ!」
隙あればしてくる。
「ちょっとオリバー!今授業中よ!アレンに変なことしないで」
隣に座って真面目に授業に集中していたヒロインちゃんが俺が困っていることに気づいてそう言ってくれた。
助け船だ。
「ミシェルはアレンと話せているからいいじゃん」
拗ねているオリバーを横に少し勝ち誇った顔をするヒロインちゃん。
「私は特別なの!あと、そんなことしていたら本当にアレンに嫌われるわよ」
「え…、それはやだ!ねぇ、アレン嫌いにならないで!!」
ガバッと、やだやだと言いながら抱きついてきた。
逆に俺が嫌われているのではないのか?と思った。
「そういうところを言ってるのよ!」
と、俺を挟んで言い争う二人。
他から見たら喧嘩しているように思うが何だかんだヒロインちゃんとオリバーが親しくなっている。
これではマリーが気になっているオリバーがヒロインちゃんと…?
首振る。
だめだ!これではマリーを幸せにする道への目標のめでたしめでたし作戦が水の泡になってしまうんじゃないか?
俺は悩みに悩んでいた。
その日の放課後、マリーの様子が明らかにおかしかった。
「ね、アレン、どういうことかしら?」
仁王立ちをして、マリーはニコッと笑っているが目は笑っていない。これは怒っている時のマリーだった。
「ど、どうしたの?」
「なんで好き放題されてるの?」
え…?
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