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しおりを挟む「まぁ、そう言わずに、マリーちゃんのことをどう思っているかって?そりゃあ、好きだよ」
俺の顔をジロジロ見ながら、最後に含みのある笑みでそう言った。
「本当だろうな?」
「本当だよ。もしかして、嫉妬しちゃった?ごめんね、本命はアレンだよ」
「やっぱりお前だけは信用ならないし、マリーを渡すことなんてできない」
「アレンは本当マリーちゃんばかりのことを考えているね。面白くないなぁ…妬けちゃうな」
「マリーは世界一可愛いからな。自慢の妹だ」
今日わかったことは、マリーのことを渡せないことだけわかった。もっと、マリーのことを考えて幸せにできる男じゃだめだ。ハードルは高いけど、これも全部マリーの幸せのため。
「あーぁ、俺本気で好きなのに伝わってなくてつらい」
少し寂しそうな顔をするヴァル。本当にマリーのことが好きなのだろうか?だとしたら、言い過ぎたか?
「本気で好きなら冗談言うな。あと、お前はチャラすぎる!」
「チャラくなかったらいいの?」
「まぁ…、でもそれがお前だし変えろとは言わないけど」
俺がそう言える資格ないしな。
「…好き。大好き。可愛い。結婚しよ」
「お、おぉ?急にどうしたんだ?」
「好きだ、小さい頃からずっと。誰にも渡しくないし、俺だけを見ていてほしい」
そう言って俺の手を握ってきた。もしかして、告白の練習なのか?俺がチャラくて信用ならないって言ったからか?
全く急にやるなよ、びっくりするわ。
つまり、本気でマリーのこと好きだってことだよな?
「ま、まぁ、今のは真剣に見えた。できるじゃん。その調子で頑張れよ。途中で信用できなくなったらマリーは渡せないからな」
と、そう言ったら途端、深いため息を吐かれた。人がちょっと褒めたのにため息つかれると腹が立つ。
「今日はこのくらいで。俺の好きな人は鈍感だからゆっくり時間をかけて俺を好きになってもらうことに決めたから」
「せいぜい頑張れよ。敵は多いからな」
マリーを狙っているのはお前だけじゃないんだぞ。軽く見ては困る。
「わかっているよ。じゃあね、アレン」
とそう言ってだんだん近づき、俺の前髪を上げたと思ったら、額にキスしてきやがった。
「な、なにすんだ!俺を練習台に使うな!もうさっさと帰れよ!」
「はは、それもいいかもね。はいはい帰りますよ」
笑いながら、帰って行った。やっぱり、チャラい!だめだ!あんな奴。人を練習台に使うなんて最悪だ。確かに俺とマリーは双子だし少し似ているけど、男だぞ、俺は。いくらなんでも普通、男の俺にそんなことするか?まぁ、おでこくらいどうってことないけど。
あいつの考えていることが想像つかなくて今後会わないようにと心に決めた。
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