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幼少期
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しおりを挟むお前は敵だ。また櫂に変なことを教えないか心配でたまらない。
「お前が獅子堂か。櫂から話は聞いていたよ」
「え!?ゆうせいオレのこと知ってたのか!?」
獅子堂は驚いた表情を見せたがすぐに、めちゃくちゃ満面の笑みを浮かべる。
「いや、名前だけだ」
あと、悪い印象しかないけどな。どんなやつなのかは気になっていたが想像通りの生意気なクソガキ。
「うわ~まじかよ!名前だけでも知ってもらえてたなんて嬉しいじゃん!やっぱりあの占い当たってるわ。今日のウンセイ1位だったから、ついてる!さっきまで雨ふりだして最悪だと思ったけど、こうしてゆうせいに会えるとか運命だと思う!最高!」
こいつはペラペラと何を言っているんだ。
てか、それよりおい。よくも占いのことを俺に言えたな。こちとら最下位だったんだぞ。本当、不謹慎な奴だ。
…って、ん?
俺は急にまたあることを思い出した。
『ライオンに関連するものに注意!』
今朝アナウンサーが言っていた言葉が脳内に流れた。
ライオンに注意…、ライオン…獅子、獅子堂…獅子…ライオン、あっ。
…うわ、まじかよ当たってる。まじ要注意人物だったわ。てかさ、ライオン丸くんは関係なかったんだな。獅子堂のせいでただ巻き込まれただけ。
「えー、っと獅子堂くんだっけ?」
「なんだよ、オレとゆうせいの仲だろ?よぶのは宗助で良いって」
おいおい、どういう仲だよ。知らねぇよ。こいつ本当やべぇやつじゃん。しかもあなたとは今が初対面ですが。
どの面下げて言っているんだ。
とりあえず、名前呼びは一旦スルーだ。
「いつも櫂と仲良くしてくれてありがとう」
まあ、一応櫂がクラスで世話になっていることだし、人間として礼儀は当たり前。
「まさかゆうせいからお礼言われる日がくるなんて夢みたいだ」
「……」
こいつ、俺がお礼の一つも言えない人間だと思っていたのか?好奇な目で見られているとは聞いていたが、人並みにはめちゃくちゃ礼儀はなっている方だと思ってるし、第一獅子堂よりはできる方だ。
「だからゆうせい!これからはオレともいっぱい仲良くしようぜ!」
いや。それは無理。
「…あぁ、よろしく」
お互い手を出して握手をする。
「て、あのぉ獅子堂くん?」
「なに?ゆうせい?てかまた名前で呼んでない!」
「それより、手はなして?」
握手したのはいいけど、そこから離れない。
「ケチぃ、手くらいいいだろ!これから仲良くなるんだしさ」
それから、獅子堂はぶつぶつ何か言いながら、しぶしぶ手をはなしてくれた。
「なぁ櫂…、こいつ本当にお前の友達か?」
「もう友だちやめる。ゆうせいにめいわくかけてるから」
「なんだよ、いずも!オレはめいわくなんてかけてないぞ!」
いや、かけてるぞ。現在進行形で。
自覚無いほど、怖いものってないな。
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