28 / 31
幼少期
28
しおりを挟む「なあ、櫂が前に言っていた獅子堂ってやつは友達なのか?」
櫂に変なこと教えた罰として、直接会ったら腕立て伏せ100回の刑にしてやる。罪は重いということをわからせてやる。
「ししどうくん?うん!友だちだよ!」
「仲が良いのか?」
もし仲が良かったら、酷なことはさせれない。だって、友達思いである櫂に嫌われたくないし。
「うーん、どうかな?ししどうくんの他にまなちゃんと、かよちゃんもいっしょのグループでいるから、特別仲が良いってわけじゃないけど、でもこのグループでよく話はするよ!」
「えっ、なに。もうグループとかできてんのか…」
知らなかった。
だって普段、櫂の口からそう言った話は聞かなかったし、第一俺もちゃんと聞いていなかった。
基本俺は、クラスで絢斗くらいとしか話すやついないから、友達グループみたいなものをすでに作っている櫂は俺よりコミュニケーション能力や社交性に長けていると思う。
まあ、櫂は優しいし良いやつだ。みんなに好かれる子だが今まで俺としか絡んでこなかったから心配だったけど、クラスの子とうまく話せていると聞いて嬉しく思った。
それに、よし!獅子堂というやつは、櫂から特別仲が良いわけじゃないというお言葉をいただけたので腕立て伏せ決定だ。
「なんで、そんなこと聞いたの?もしかして、ししどうくんにきょうみあるの…?」
眉を八の字に曲げ、寂しげに聞いてきた。
「いや、ただ櫂のことなら一応知っておきたいな~みたいな」
「えっ!?ぼ、ぼくのこと…?うれしい」
「そうだよ。櫂と仲が良いんだったら俺もその獅子堂ってやつと話してみたいと思っただけだよ」
「そうだったんだね。ぼく、ししどうくんと全然仲良くないよ。だから、ゆうせい、絶対に話しちゃだめだよ!あと、ぼく以外の子にきょうみもたないでね!」
お願い!と潤んだ目で言われたら頷くしかない。
「まあ、櫂がそう言うならそうする」
くそ。腕立て伏せさせたかった。
でも、仕方ない。
「だってね、ししどうくん、ゆうせいのこと変な目で見てるもん!」
「な、なにそれ?」
聞かなかったことにしたいが俺を変な目で見てる…?
櫂を鍛えるためにやっている特訓が周りからは好奇な目で見られていたとか?うわ、まじか。
もしかするともしかしてさ、俺ってこんなに生徒がいるマンモス校で勝手に悪い方向に目立ってるとか言わないでくれよ、頼むから。やめてくれ。
「あぶないからね!とりあえずゆうせいのこと守りたいからぼくが言ったこと頭に入れておいてね!」
守りたいって…
「か、櫂…。お前かっこいいな」
「えへへ!ぼ、ぼくかっこいい?ほ、ほれた?」
「うん!かっこよくて惚れそう」
「~っ!ゆうせいのタラシ!」
最後はよくわからなかったが、俺は櫂という味方がいるのでしばらくやっていけそうだ。
11
お気に入りに追加
132
あなたにおすすめの小説
目の前の魔法陣と男に巻き込まれて
葵桜
BL
※厨二病時の厨二病による厨二病異世界BL王道?ファンタジー
さっきから根暗くん根暗くんって何なんだ。
名前くらい覚えろやぁ!
ってなんで壁ドンされてんのかなぁ...?
あ、なんか君の後ろに魔法陣が見えるな!ハハハ!
勇者ぽい自己中顔面アイドル君に巻き込まれなんか異世界転移をとげるらしい。
どうか恋人ができますように。
いや、無双ができますように?
年に数回ぼちぼちとリメイクしています。
終わったあと興味があればぜひもう一度読んでください。
完結は…。できないかもしれないです。気長にお待ちください。申し訳ございません。
BlueRose
雨衣
BL
学園の人気者が集まる生徒会
しかし、その会計である直紘は前髪が長くメガネをかけており、あまり目立つとは言えない容姿をしていた。
その直紘には色々なウワサがあり…?
アンチ王道気味です。
加筆&修正しました。
話思いついたら追加します。
僕がサポーターになった理由
弥生 桜香
BL
この世界には能力というものが存在する
生きている人全員に何らかの力がある
「光」「闇」「火」「水」「地」「木」「風」「雷」「氷」などの能力(ちから)
でも、そんな能力にあふれる世界なのに僕ーー空野紫織(そらの しおり)は無属性だった
だけど、僕には支えがあった
そして、その支えによって、僕は彼を支えるサポーターを目指す
僕は弱い
弱いからこそ、ある力だけを駆使して僕は彼を支えたい
だから、頑張ろうと思う……
って、えっ?何でこんな事になる訳????
ちょっと、どういう事っ!
嘘だろうっ!
幕開けは高校生入学か幼き頃か
それとも前世か
僕自身も知らない、思いもよらない物語が始まった
チャラ男会計目指しました
岬ゆづ
BL
編入試験の時に出会った、あの人のタイプの人になれるように…………
――――――それを目指して1年3ヶ月
英華学園に高等部から編入した齋木 葵《サイキ アオイ 》は念願のチャラ男会計になれた
意中の相手に好きになってもらうためにチャラ男会計を目指した素は真面目で素直な主人公が王道学園でがんばる話です。
※この小説はBL小説です。
苦手な方は見ないようにお願いします。
※コメントでの誹謗中傷はお控えください。
初執筆初投稿のため、至らない点が多いと思いますが、よろしくお願いします。
他サイトにも掲載しています。
生徒会会長と会計は王道から逃げたい
玲翔
BL
生徒会長 皇晴舞(すめらぎはるま)
生徒会会計 如月莉琉(きさらぎりる)
王道学園に入学した2人…
晴舞と莉琉は昔からの幼馴染、そして腐男子。
慣れ行きで生徒会に入ってしまったため、王道学園で必要な俺様とチャラ男を演じることにしたのだが…
アンチ転校生がやってきて!?
風紀委員長×生徒会長
親衛隊隊長×生徒会会計
投稿ゆったり進めていきます!
モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)
夏目碧央
BL
兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。
ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる