タイトル未定

みるきぃ

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幼少期

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「あー待て待て泣くな!櫂!」



「だって、ゆうせい…っ、ぼくのこときらいなんでしょ?」



「だから嫌いじゃないから!なんでそうなるんだよ」



「ぼくとキスしてくれないもん…」



そんなこと言ったって…、普通は現実的に考えて幼なじみで親友の男とキスなんかしないぞ。それをどう簡単に説明しようか困る。


まずヒロインとキスする前に俺としてどうする。





「櫂、いいか?キスっていうものはそう簡単にはしないんだ。将来、櫂は好きな相手と出会う。その子のことで頭いっぱいになって愛情というのが芽生えるんだ。そう、恋愛というものをするんだ!その時お互いの気持ちが合った時に、キスはするもんなんだ」



「むずかしいよ…、わからない」


あー俺、説明下手くそ!

なんか偉そうなこと言って、恋愛マスターみたいな感じになっちゃってるけど俺にだって恋愛のことなんて知らないよ!!漫画での知識しかないよ!初心者なんだよ!




「ぼくたち、おたがい好きなのになんでキスしちゃいけないの?」



おいおい。小4がキスキスって言わないの。




「えーっと、そ、それはな…、あっ!そうだ!櫂、お母さんは好きだろ?」



「え?ママ…?好きだよ」



何で急にお母さんの話をするんだって顔をする櫂。





「そう!それだ!お母さんは好きだけど普通キスしないだろ?」


「え?おやすみのチューしてくれるよ?」



え…ー。

良い例が思いついたと思ったのに、一気に崩れた。




「外国の人もキスいっぱいしてるよ!ぼくたちがしないなんておかしいもん」




櫂が思ってるそれはな、多分挨拶のキスだと思うぞ。恋人キッスじゃないぞ。

あとここは日本だ。外国と比べるものじゃない。




とにかくここは簡単に言うべきだ。

「キスなんて俺たちにはまだ早い」


うん。小4だぞ。

興味を持つには早い。





「なんでそんなこと言うのさ…っ、そんなにぼくとキスするのがいやなの?約束したのに…っ。がんばって100点とったのにひどいよ」



「か、櫂…」


せめて、キス以外のお願いだったらいいのに。

櫂が頑張って100点とったのに俺は最低だ。






「ゆうせいにきらわれた…っ。もう生きていけない。かなしくて死んじゃう…っ、」


「そんな簡単に死ぬな!しよう!キス!」


「ほ、んと?!」



一瞬にして嬉しそうな顔をする櫂。勢いで言ってしまったがあとには引けない。それよりも櫂がいない人生は嫌だ。今どきキスなんて仲良い友達はするだろ?

俺の唇なんかで良ければどうぞって感じだ。恥じらいなんかは捨ててやる。挨拶のキスとか将来の練習かなんかと思えばいい。




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